6話 敵襲、ゴブリン戦隊
その瞬間、「敵襲だ備えろ」っとカイトが叫んだ。
聖夜たちは戦闘態勢に入った。
現れたのはゴブリンの戦隊パーティーだった。赤色マントをつけたリーダーと見られるゴブリンヒーロー、黒色マントのゴブリンソルジャ、白いマントのゴブリンシールダー、黄色マントのゴブリンファイター、桃色マントのゴブリンメイジ、青色マントのゴブリンプリースト、緑色マントのゴブリンアーチャーの7匹だ。
ゴブリン達はゴブリン語で喋っているので何を言っているかよくわからないが、一人づつポーズをとっている。多分名乗り口上なのだろうと思った。
お約束なので聖夜は待ってあげることにした。先程の戦いを見た聖夜は余裕なのかと思っていた。――が、あたりを見回すとカイトの顔から緊張した張り詰めた感が伝わってきた。もしかして強いのか。
そして戦闘の火蓋は切られた、ゴブリンヒーローが全体に檄を飛ばし指揮をいている。陣形を取るゴブリン戦隊。どうやら魚鱗の陣のようだ。
ゴブリンシールダーを先頭に右舷にゴブリンソルジャー左舷にゴブリンファイターをおき、三列目は右からゴブリンプリースト、ゴブリンヒーロー、ゴブリンメイジだ。ゴブリンアーチャーは遊撃に回るようだ。
対する聖夜はさっきパーティー組んだばかりで、細かい勝手が解ってなかった。
カイトが号令をかけると、魔術師たちは詠唱を始めた。
「とりゃあー」
っと、叫びながらカイトが振りかぶり先頭のゴブリンシールダーに切りかかる。これをゴブリンシールダーの大盾がはじく。すかさずカイトにゴブリンファイターとソルジヤーが襲いかかる。ゴブリンファイターの攻撃は格闘士がカットするも、ソルジャーが切りかかった剣はカイトの腹部を狙った。カイトは寸前のところで身をよじり、急所を外しすも吹き飛ばされた。
「ぐふっ……」
「大いなる水よ かのものたちを撃ち抜け『アクアサービスボール』」
そう唱えると、精霊魔術師の頭上に圧縮された水球が練られはじめ次第に大きくなる。直径三メートルくらいに育った水球は曲射され、ゴブリンヒーローに着弾した。着弾後炸裂した。ゴブリン達は濡れ状態になった。
――その裏では守護魔術師がカイトの治療をしてた。
格闘士は相手のファイターと一進一退の攻防を続けている。
黒印魔術師は後ろで大きな魔法陣を書いている。
――――聖夜はあまりのことで棒立ちになっていた。
その時、死角からゴブリンアーチャーの放った矢が聖夜に迫る。
仲間達が「危ない」と叫ぶ中、聖夜のカードホルダーが光だし、ブルースネークが現れる。ブルースネークは矢を弾くと体を後ろに反らし息を吸い込み、吐き出した。息は凍える冷気の塊となってゴブリンシールダーに着弾した。濡れていたゴブリンシールダーは凍結した。
ブルースネークのカードは力なく輝きを失った。これが旅芸人の力なのかと聖夜は思った。
黒印術士がスパークマインと唱えるとゴブリンパーティの頭上が暗転し始め雷鳴がとどろきいかずちが無数に降り注いだ。濡れているゴブリン達は直撃していない個体も雷撃が伝染し確実にダメージを与える。直撃した凍結したゴブリンシールダーは粉々に粉砕した。
本体が壊滅した遊撃に展開を好転させるだけの力もなく、ゴブリンアーチャはおいしく経験値になりました。
そんな、困難が数日つづきやっと4日目にしてハーヴェスタリアに到着した。