5話 オリーブ平原
ミリスを出発した聖夜達一行は一路ハーヴェスタリアへ向けて歩いた。ハーヴェスタリアへはオリーブ平原の穀倉・湿地帯を抜ける平坦なルートだ。
しばらく歩いていると、草陰から物音がしてブルーフロッグ(大型犬くらい大きさの青いカエル)が2匹、ブルースネークが3匹現れた。
「炎よ、球となりて、かの者を焼きつくせ。『ファイヤーボール』」
精霊魔術師がそう唱えるとブルーフロックの一匹は燃えがった。聖夜はすかさずロングソードでラストアタックボーナスを狙い攻撃した。聖夜が剣を振り抜くもその粘性のある体表が滑って刃が通らなかった。――バランスを崩しそうになる聖夜だったがぐっとこらえて飛び上がった。上空から勢い任せに眼球を目掛けて突きこんだ剣は見事ブルーフロックに突き刺さった。
刺す、刺す、刺す、刺す、刺す‼、刺す‼‼
何度も突き刺すと、フルーフロックは力尽きた。
格闘士はブルースネークと対峙していた。
ブルースネークは体を後ろに反らせ貯めた後、水球を発射した。格闘士は水球をすんでのところで交わすと、拳突を叩き込んだ。僕はすかさず真似をして剣突をお見舞いしてやった。おもわず急所に入ったみたいで倒すことができた。
――その時だ、ブルーフロックが大きく飛び跳ね、腹這すると四方から水柱が吹き上がってきた。カイトは盾でガードしたもの運悪く吹き上がった場所にいた聖夜と格闘士はまともに食らってしまった。
「悲深き者よ、かの者たちにささやかな施しを与えたまえ『プチリカバーサークル』」
すると同心円状に魔法陣を形成し聖夜と格闘士の傷が癒えていった。
その間にカイトはブルースネーク2匹を処理し終わっていた。
黒印の子は一体何やっているのだろうと、サボっているじゃないかと聖夜は思った。――――――――――――その時だ、黒印の娘が『離れて!!』って言った。
ブルーフロックがこちらに向かってくると、何かを踏んだみたいだ。下に注目すると魔法陣があった。そして『リトルプローション』っと唱えると、瞬く間に魔法陣が神々しく光だし、閃光を上げて爆散した。
聖夜たちは見事モンスターを撃退することができた。パワーレベリングってものじゃないな。このPT正直つよい!!
腕が立つと思ってマンチキンプレイして効率良く強くなろうと思ったのにラストアタックする前に倒しちゃうじゃない。まぁ、ほとんど何もしなくても経験点の分配分がもらえるから得っちゃ得なんだけどね。――――――すると、懐にあったカードホルダーが光り輝いた。中を開けてみると白紙だけしかなかったカードの一部が光っており覗き込むとブルースネーク(Cコモン)フルーフロック(Cコモン)のカードになっていた。
おお、倒した(もしかしてラストアタックの)モンスターがカードになるのか? っと聖夜は思考した。
……………………しばらく歩いていると山に大きな穴が空いているのを見つけた。
一体なにがあったんだろうっと興味を持った。
そして一日目の夜が来た。野営の準備をしているその時、木々の間から、草陰から物音がした気がした。