<10話> 「天翔る星の煌めき」 =Gパート=
エルドリナが召喚してくれた光精霊の光を頼りに奥へと進んで行く。
すると地面に、倒れ込んでいる人が居た。
さらにその辺りをよく見ると、更に二人の男が倒れていた。
イリーナはすかさず、助けようと近づく。
だがそのイリーナを私が直ぐに制止した。
そして皆に聞こえる様に、強めの口調で告げた。
「これは、襲った側? それとも襲われた側?」
イリーナは私の言おうとした事が、すぐさま理解出来た様だ。
スパスが代わりに答えた。
「おそらく、襲った側ですね。確たる証拠は無いですが、こいつ等はただの村人や自警団員ではないですね」
「とりあえず、命に別状はなさそうだわ。どうする?」
「姉さんは優しいですね。自分なら今の内に止めを刺しますよ」
「そうね、それも一つの手だわ」
その時、倒れ込んでいた男の内の一人が急に起き上がり、ソフィアを襲ってきた。
ソフィアとステフ、子供に見えたのであろう。
人質に取ろうと考えたのかもしれない。
そんな襲ってきた男を私は今、哀れんでいた。
ソフィアを襲った男は、既に胴を二つに割られていたからだ。
ソフィアは鮮血からステフを護る為に水の魔術で薄い防壁を張っていた。
「つまらぬものを……」
ソフィアは慈愛に満ちた優しい表情をし、ステフの無事を確認した。
敵に対する厳しさと、仲間に対する優しさ、ソフィアの両面が垣間見れた。
残り二人は、抵抗したら殺されると思ったのか、直ぐに諸手を挙げて降伏してきた。
スパスが二人を締め上げ、事情を聞いた。
「この村に金目の物があるとの情報を得て、襲ったが、えらい強い尼が居て、返り討ちにあった」だ、そうだ。
「命からがら仲間を見捨てて逃げて来た」のだと。
「村に予め潜入捜査したにもかかわらずこれだ。捜査した奴をぶっ殺してやる」だ、そうだ。
(そいつは、もう死んでいると思うの……)
「姉さん、分かっていると思いますが、こいつらの言う事は大抵が嘘ですから。
特に目的や経緯などは絶対に漏らしませんぜ」
私はスパスに無言で頷いた。
とりあえず、処遇は村の人たちに任せようという事で、木に括り付けて村の方角へと向かった。
獣道から村の林道へと移り、さらに進む。
風向きが変わったのか、鼻が慣れたのか、それとも焼き尽くされたのか、臭いは感じなくなっていた。
そして林道が途切れるその手前に、人が倒れていた。
その人の腕には子どもが抱えられている。
おそらく母親であろう女性は、服が一部破れ露出した肌は傷だらけであった。
子どもをかばい、必死に逃げてきたのであろう。
「今度こそ出番よ、イリーナ」
イリーナは私の声に、強くそして深く頷く。
目の前はもう村だ。
ここはイリーナに任せ、先に進む事としよう。
私はイリーナに目で合図を送り、村の方を指差した。
イリーナは小さくだが力強く答える。
「わかりました、お姉様。ご武運を」
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