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 異世界転移「GMコールは届きません!」   作者: すめらぎ
第I部 第三章 2節   <10話>
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<10話>  「天翔る星の煌めき」   =Eパート=

<10話>  「天翔る星の煌めき」   =Eパート=


窓から入る朝日に起こされ、目が覚めた。

(何故か、すうすうする)

掛け布団を少しめくると、何故か三人共裸だった。

(あれ? 着ないで寝たっけ?)


思い出せなかった。

(んー。謎だ)



その後、服を着て皆で朝食を軽く食べ、出発の準備をした。


イリーナがコテージを仕舞う時、ある疑問が再現した。


「これ、中に人が居た状態で仕舞ったら、どうなるんだろう?」


「さあ、どうなのでしょう。そんな事を思うのはお姉様ぐらいですよ。試してみます?」


「生き物を入れた事はある?」


「いいえ」


「じゃあスパス、入ってみてよ」


「なる程ね。ってオイオイ! 俺は実験動物かい」


「冗談、冗談」


次の瞬間、数名の視線がフリックへ向かった。


「エ、オレか? ソコで、オレなのか?」



エルドリナが提案した。

「でしたら、まず私の傀儡かいらいで、試してみますか? あれは半分生きている様なものですから」


「よく分からないけれど、リナさんが良ければ」


エルドリナは早速、傀儡かいらいを召喚する。

地面に魔術陣が現れ、幼い男の子が出てきた。


「あ、月詠み部屋へ迎え入れてくれた少年だ。あれは、人ではなかったのか」


エルドリナが答える。

「んー。正確には、半分人間ですね」


「ん?」

その時はまだ、私はエルドリナが言っている事の意味を理解出来なかった。



そして早速、実験が始まった。

傀儡かいらいのみを多次元収納に入れてみた。


「ダメですね。中との連絡は。あと視覚共有等も出来ません」


傀儡かいらいを取り出してみた。


「問題ありませね。中での記憶はほぼありませんが」



「んー。私が入ってみるか」


「お姉様が、ですか!?」


「まぁ、大丈夫でしょう。いざとなったら転移できるし。ああ、そうだ。多次元収納のコテージで生活できるかも試してみるから、コテージごとしまってね。1日か半日経ったら、コテージごとかあるいは私だけ出してね」


「全く、お姉様は怖いもの知らずなのですから」


「じゃあ、お願いね皆! 旅路の方は任せた!」


そう言うと私は一人、コテージに入る。

そしてイリーナが多次元収納に、コテージを吸い込んでいった。


目の前が、一瞬暗くなった。


「我が友よ、全く面白い事を考えおるわ」

邪神の声が聞こえた。


それに答える前に、まず状況確認をした。

とりあえず、私は無事の様だ。

状態異常やダメージ、欠損等もない。


転移魔法は、この空間内での転移のみの様だ。

GMスキルの跳躍ジャンプは、さすがに使えそうだ。

これは世界をも跨げるスキルだからだ。

座標設定も出来そうだ。設定すればイリーナの元に飛べる。


(さて、皆には悪いが一人でゆっくりと、くつろぐか。って邪神の意識が居るから二人か?)


そう思った瞬間、光が射し込む。

(眩しッ)


コテージがイリーナによって取り出されたのだ。

(イリーナは心配症だなぁ。こんなに直ぐ取り出すなんて)


「はーい」


「お姉様、どうでした? 半日入ってみた感想は」


「はえ?」


どうやら、中と外で時間の進み方が違うようだ。


わずか数秒にしか感じなかったのだけれど、出てきたら半日経っていたわ」


私の回答に対し、イリーナは目をつぶり考え込む。


「まぁ、中に長居は無用って事よ」


「そうですね。お姉様」

イリーナは瞑っていた目をゆっくりと開けた。


外の世界が半日後であり、もう直ぐ日が暮れる。

私は一日損をした様な気になった。



Fパートへ つづく

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