表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 異世界転移「GMコールは届きません!」   作者: すめらぎ
第I部 第三章 1節   <9話>
73/200

<9話>  「最後のドルイダス」   =Fパート=


「お姉様、おはようございます」


私はイリーナの声で目を覚ました。


「おはよう、イリーナ」


朝の挨拶を交わし、部屋で朝食を済ませた。

商会が用意してくれた部屋は、寝室の他にダイニングと書斎があった。


街の外に出る事になるので、それまでの私服から、冒険者らしい格好に着替える事とした。


私はイリーナに≪風の鎧≫を貸しているので、所有している数少ない本気ガチ装備を取り出し、試着した。


黒いコートと鎧が融合したデザインの装備だ。

(うわー。相変わらず中二病デザインだなぁ)


「まぁ、お姉様。素敵ですわ」


「そうかなー?」


「格好いいですよ。赤い髪に良くお似合いで」


「んー。じゃあこの格好なら、魔法の杖にするか」


私はオシャレ装備の杖を取り出した。

杖の先に宝石の付いている、いかにもといったデザインだ。


「はぁ……」


「どうしたのイリーナ?」


「お姉様は、なんでお姉様なのでしょう?」


「へ?」


「お姉様が、もしお兄様でしたら……」


「おいおい……」


「あと、私も格好いいの、欲しいですッ!」


(最近、イリーナが私しか居ないと幼児化する件について……)


イリーナは羨ましそうに私を見つめる。


(姪っ子って感じに思っていたんだけれど、こりゃあ、娘だわ。私もついにお母さんか!)


「はいはい。格好いいの、格好いいの、っと」


私は自分の所持アイテムを思い起こす。


「じゃあさ、盾とかどお?」


「盾、ですか」


「うん、多分……ほぼ最強の盾」


「最強の盾!」


(お。食いついた。本当はあと数段階強化する必要があるんだけれどね)


「イリーナの着ているローブと同じ≪アテーナーの盾≫」


「盾もあるのですね!」


「アイジスの盾、イージスの盾、なんて名前でも呼ばれているわ」


私は何もない空間から、盾を取り出した。


「結構、大きいですね」


盾は男性用の鎧と同じ位の大きさだ。


私は左手を盾に添えた。

取っ手も留め具もベルトも無いのに腕にくっ付いた。

(謎の吸着力。MMOあるあるだ……)


「これ確か、変形するんだよ」


「最強の盾! 変形!」


「こうやって……っと」


盾の側面から収納されていた部分が、腕を広げたように伸びた。


「おおぉーー」


「ねっ」


私はイリーナに渡した。

イリーナは直ぐに装備し、クリスマスプレゼントを貰った子供の様にはしゃぎ、ずっと眺めている。

そして暫くすると、異空間収納にしまった。


「装備しないんかい!」


「だってお姉様に貰った大切な物ですもの! 大事にしまっておきます。傷付かないように」


(盾なのに傷付かないように心配だとぉー!?)

「あぁ、そう……」

私は諦め気味に答えた。



間もなくして、商会の馬車が着いたとの知らせを受けた。



Gパートへ つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ