<6話> 「不敗の魔剣師」 =Eパート=
お待たせ致しました。
体調もだいぶ良くなってきました。
明日より、毎日更新を再開致します。
「こいつら、良い連携ね。生前はさぞ仲の良い仲間だったのでしょうね」
人数的に有利になったからなのか、ソフィアが居て強気になったからなのか、
ソフィアの後ろに居たエルフの二人が前に出てこようとした。
「止めなさい」
「大丈夫ですよ! ソフィア様。やられた借りを私たちも返したいのです!」
二人はソフィアの制止を聞かず、鎌持ちに斬り掛かった。
「愚かな……」
ソフィアはそう口ずさむが、目の前の盾持ちから目を離せず、助けには行けないでいた。
そして鎌持ちへ斬り掛かったはずの二人のエルフが、逆に地面に倒れ込んでしまった。
先ほど張られた氷系魔術の効果だ。
攻撃したエルフ側にカウンターダメージと麻痺の状態異常を与えた。
「イリーナ!」
私は強い口調で呼ぶ。
イリーナは直ぐ回復魔術を詠唱し、発動させた。
「中位回復」
魔法対象は、エルフでも鎌持ちでもなく、ソフィアの対峙している盾持ちだった。
(良い判断だよ。イリーナ)
盾持ちを少しだが怯ませた。
その隙をついて、ソフィアが麻痺し倒れているエルフ二人の元へ近寄る。
そして片手でエルフを次々と通路の奥に放り投げた。
(うわ、痛そう……)
「全く、世話が焼ける。そもそも、私やお姉様の初撃を防ぐ程の相手。敵の力量を読めないのはダメ。後でお説教」
放り投げられていない方のエルフ2人は、後での説教される場面を想像して、顔をしかめていた。
(そりゃそうだ、仲間があんな放り投げ方されたらビビるわ)
今度は私が対峙している斧持ちが仕掛けて来た。
私は斬り掛って来る斧持ちにカウンターを放った。
しかし私の剣は空を斬る。
(ん?)
斧持ちは攻撃を止め、別の方向へと突撃する。
どうやら、回復魔術を使ったイリーナを先に仕留める気の様だ。
「しっ、しまった!!」
(……なーんてね)
私は斧持ちをイリーナに任せて、盾持ちの背後をつく事とした。
斧持ちは後衛で細身のイリーナが相手であった為、強引に仕掛けた。
イリーナは、薙刀を短めに構えた。
そして斧持ちをグレーヴ先端の両刃部分で突く。
斧持ちは、得意の斧の側面での受け流してきた。
「その受け流し技は、もう見ましたわ」
イリーナは上方へ弾かれたグレーヴを自身の体重移動により重心を変え、勢いを乗せて斬り付ける。
遠心力の乗った斬撃が斧持ちの肩口に炸裂した。
斧を持っていた骨の腕は、無惨にも斧を握ったまま地面へ落ちる。
だが、イリーナの連撃は止まらない。
狭い通路内で巧くグレーヴを回転させ、破壊した肩口であった所を柄で強打した。
「やー!」
私は盾持ちの背後から「アルマス」を仕掛けた。
一撃目は盾により防がれたが想定内だ。
二撃目、三撃目が完全に入った。
イリーナの魔術ダメージとの累積で、オーバーキルとなり一瞬で消滅した。
イリーナは何故か、柄の部分で何回も殴り付けて、スケルトンを粉々に打ち砕いていた。
「えいえい、えいえい」
そしてイリーナは、足で残骸を踏みつけ、冷めた口調で言う。
「死んでまで、お姉様に害をなす人類なんて、本当に滅びてしまえば良いのに……」
(イリーナ激しいな……。それにしても……、もしかして私より強いんじゃない?)
Fパートへ つづく




