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 異世界転移「GMコールは届きません!」   作者: すめらぎ
第I部 第二章 2節   <5話>
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<5話>  「主神の息子を名乗りて」   =Fパート=


私たちは城門を素通りし、真っ直ぐ城を抜け、街へと降りた。


街には石を積み上げて作られた建物と、岩を繰り抜いて作られた建物と、それらが合わさった建物とが混在していた。

中央通りから一本入った所に、ソフィアの家はあった。


「ただいま」


「失礼いたします」

「お邪魔します」


「おかえりなさい」


声のする方を見ると、ソフィアより一回り小さなエルフが居た。


(ソフィアの妹さんかな? 挨拶出来てお利口だね)


「ただいま。お母様」

「お邪魔いたします。お母様、お久しぶりです」


(へ? どこ?)


失礼のない様に、一瞬で辺りを見渡した。

(誰もいない……。ってまさか……まさか)


「はじめまして、お母様。私はリルと申します。イリーナと共に旅をしています。宜しくお願いいたします」


「あらあら。これはご丁寧にどうも。私はソフィアの母のユフィアと申します。ユフィーちゃんって呼んでね(はあと)」


(うわぁぁぁ。しかも、マジでお母さんだった)


「お母様。ちょっと、後でお説教……。恥ずかしい」


「まぁまぁ。ソフィーちゃんたら」


(気になる。すっごく気になる。いったい何歳なんだ、この見た目で。こっそりGMスキルで年齢を……)

「ちらッ」


============================================================

<<ソフィア>>

称号†不敗の女子†

種族:エルフ

年齢:213歳

職業:魔剣師

============================================================

<<ユフィア>>

称号†血染めの姫君†

種族:エルフ

年齢:431歳

職業: 皇太子妃

============================================================



(400歳越えだとー! このお母さんを愛し射止いとめた、ロ○コン変○野郎、……もとい、お父さんがどんな方なのか、すっごく気になるんですが……。)


ユフィアが続ける。

「実は今ね、ソフィアが出掛けたのとすれ違いで、森の王からの使者がいらしていてね」



奥の方から、淡い緑色の服を着た金髪のエルフが現れた。


「どうもー。皆さん、スパスでっす」


(何だ、このノリのエルフは……)


「あ、スパスだ」

ソフィアは知り合いの様だ。


(なんかアメコミに出てきそうな、お兄さんだわ。耳は長くないし)


その後、客間に案内されて、皆で紅茶を飲みながらスパさんの話しを聞いた。


「いえね、皆さんに森の王の伝令をお伝えしに、今回やって着た訳ですよ。不肖ふしょうわたくしスパスめが」


ソフィアが口を挟む。

「スパスは森エルフの英雄の一族。お兄様が、八英雄」


(八英雄って何? もしかして知らないとマズイ事?)


イリーナが口の下に人差し指を当て問う。

「何ですか、それ?」


ソフィアが答えた。

「リーナは知らないか。魔神ましん戦争の後だものね」


スパスが自身を親指で胸を指す。

「そうっすよ。自分位の年ならばまだしも、若い人間のお嬢さんには分からないと思いますよ」


ソフィアが「じーッ」とスパスを見る。

「スパス、イリーナは、あなたと同じ歳位だと思う」


「ええーッ。いやいや、いやいや。あり得ないでしょ。あり得ない」

スパスは目玉が飛び出る位驚いていた。


「まてまてまて、あり得るのか? ん? あり得るのか! くッ!」

スパスは、落ち着こうと、紅茶を口にした。

「熱ッつ!」


「あらあら、ごめんなさいね。熱かったかしら。それなら、お母さんが代わりに。八英雄っていうのはね……」


「お母様、話しに加わるとややこしくなるからお終いで。そして、話しを逸らして、ごめんなさい」



スパスは、改まって言った。

「そうだった。森エルフ引っ越したからねー。……自分、それを伝えにきたっす」


(軽っ……)


「まぁ、魔王軍の影響、なんすけどね」


(重っ……)


イリーナは、二人旅の時に森エルフに会えなかった原因が分かり、一人で納得している。



更に話は続いた。

驚いた事にソフィアの父親は森エルフの王で、母親ユフィーちゃんは洞窟エルフの王の娘だという。


(ロ○コン野郎は、言い過ぎましたね。すみません王さま。深く反省……)


なんでも、洞窟エルフの場合、純血種は灰色から薄い青い肌をしているそうだ。

また、エルフは若く見えるほど純血種の可能性が高いのだとか。

見た目の年齢変化が殆どないからだって。

いつまでも若くて羨ましい限りだ。


でもソフィアのお爺ちゃん、つまり洞窟エルフの王は、純血種だけれどお爺ちゃんなんだって。

「どんだけ生きてんねん」って話しだ。

エルフは普通、寿命が尽きる前に病気か事故で死ぬそうだ。

純血種とは言え、不老不死って訳ではないからね。



話が多岐にわたり、夕飯もご馳走になり、夜になってしまったので、お城へは明日行く事となった。

(そう言えば、八英雄の話しは途中のままだったなぁ……)


皆でソフィアの家にお泊まりした。

数日ぶりに馬車ではなく、ベッドで寝られた。



Gパートへ つづく

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