表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 異世界転移「GMコールは届きません!」   作者: すめらぎ
第I部 第二章 1節   <4話>
31/200

<4話>  「亡国の戦乙女」   =Bパート=


キュリアは王に謁見した後、兵たちに指導をした。

通常、王国軍の兵は対人戦闘に特化している。

だが今後相手にするのは、人ではない。

武器や防具の改良を急速に行ってはいるが、数が多く、間に合わないであろう。

そこで対人装備で戦う為の集団戦闘を訓練させているのだ。


その訓練が終わり、皆で軽食を採っていると、ある噂を耳にしたのだ。


「雷撃の後、隣国より逃げ延びた者が、フリードの街に滞在している」と。


キュリアは訓練指導の後、王国軍幹部達と会議をした。


その後、城内の迎賓館げいひんかんでお風呂に入った。

毎回滞在中、迎賓館をあてがって貰っている。


ブロンドの髪でショートへアのメイドが言う。

「キュリア様が羨ましいですわ。いつまでもお若くて……」


シルバーの髪でショートヘアのメイドが続けて言う。

「この透けるような肌、そしてこの腕……羨ましいですわ」


二人のメイドにより身体を洗われていた。


「キュリア様にお仕えできて嬉しいですわ。こうやってお世話ができて……」


「この艶のある髪、傷みのない長い髪の毛……お世話できて嬉しいですわ」


メイドに弄ばれるキュリアであった。

髪の毛は、二人のメイドの魔術により、直ぐに乾いた。

さすが王国の迎賓館配属メイドである。

普通の国であれば、宮廷魔術師として招かれるであろう者が、この国ではメイドなのだ。


メイド達の遊びは続く。

キュリアを使った着せ替えが始まった。

メイド達が一通り満足した辺りで、キュリアが伝えた。

「この後、フリードで調査をするので、目立たぬ格好で頼む」


「まぁ、お忍びですのね。お忍び用の衣服を御用意いたします」

「まぁ、そうするとあれが宜しくてよ。あれもあったわね」


キュリアは濃紺色のワンピース、革のベルトを使い左右に1本ずつ佩刀し、顔を隠す為に白いマントを羽織った。

魔術師を装う為に、金属製の錫杖しゃくじょうまで渡された。

もっとも、装っているだけでなく本当に魔術を扱える。


メイド達から解放された頃には、日が落ち掛けていた。



キュリアはフリードの街へと着ている。

軽食中に聞いた兵達の話しを思い出しながら、逃げ延びた者の滞在している宿を探しているのだ。


「この辺りの筈だが」


路地の方から、2人やってきた。

姉妹であろうか、2人は買い出しの帰りのようで、仲良く各々荷物を持っていた。


「すまないが、ここら辺に冒険者の宿があると聞いたのだが、ご存知であろうか?」

そう訪ねると、キュリアは失礼の無いようにとフードを脱いだ。


姉妹のうち小さい方が答えた。

「それでしたら、私どもの宿の事でしょう。冒険者の方向けの宿は、あまり在りませんので」


「そうであったか」


「我々も宿へ戻っているところですので、宜しければ、ご案内いたしますが」


「かたじけない、ではそうさせて貰おう」


案内されて宿に着いた。


「ここが『グリフォンの翼』か」


荷物をもう一人に渡し、女の子は、かしこまって言う。

「ようこそ、宿屋『グリフォンの翼』へ。私はこの宿屋の者で、ルイダと申します」



Cパートへ つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ