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 異世界転移「GMコールは届きません!」   作者: すめらぎ
第I部 第六章 1節   <23話>
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<23話> 「強襲! 魔粘性白金生命体 ~ホワイトメタルスライム~」 =Aパート=

異世界GMは本日、連載2周年を迎えました。

これまで、そしてこれからも、皆さまに楽しんでいただけるよう連載していきます。



  あらゆる物を溶かす

    白き粘液ねんえきは心までも溶かす

      唯一希望の光だった不破ふわの呪い




「お姉様、こちらの服など……どうでしょう?」


「うわっ……。ダメダメ。こんな露出の多いの」


「では、このフリフリは?」


「かわいいッ!! でも、こういうのってキュリアのが似合うんじゃ……」


私はチラリと、プラチナゴールドに輝く髪のキュリアを見つめる。


「なっ。何でしょうか、リル殿」

キュリアは急に視線を向けられたからか、私に凝視されて、落ち着きがない。


「いいからいいから。着てみて」

そう私が告げると、控えていた店の侍女たちが、一瞬にしてその場でキュリアを着替えさせる。


「さすがに、ちょっと大きいわねぇ」


「お姉様、大きさはお直しをして貰えるので、大丈夫ですよ」

そう答えたのは、邪神を宿しし聖女イリーナだ。


「じゃあ、それは確定で。あとコレなんかどうかしら? イリーナ」


「おぉ、さすがはお姉様!

 実は私も、何着かキュリアさんに似合いそうなのをと、見繕みつくろっていましたッ」


キュリアは次々に着替えさせられていく。

ロングワンピースから、肩が露出しているドレス、全身がフリルで覆われている服、果てはメイド服までと様々に。


私は童心どうしんに返り、着せ替え人形と化したキュリア()遊ぶ。

キュリアもそれにあらがう事はなく、これはこれで楽しんでいるのかも知れない。


-----------------------------------------------------------------------------------


  総本山での死闘を終えた私は、乙女道という困難な道を歩んでいる。

  終わりの見えないこの戦いに、果たして勝者は存在するのであろうか?


-----------------------------------------------------------------------------------


キュリアは、超ド派手なドレスに決まった。

――というより、私が決めた。

白い生地が一部に使われている真っ赤なドレスだ。

たぎるマグマが歩むかの如し……。(うん。良い色だ)」


「こんなの……。街中を歩けませんよ……。リル殿ぉぉぉ」


「私の赤髪に近い色なのだから……。

 恥ずかしいなどという理由では、異論は認められません!」


「よくお似合いですよ」

間髪入れず、イリーナは手を合わせてポンと鳴らす。


「イリーナ様まで。そんなぁ……」



そして私は、次なる新たなターゲットへと視線をやる。

視線の先に居るのは、金髪の幼女マリンちゃんだ。

私はおいっ子を見る様で、とにかく可愛いくて仕方が無いのだ。


マリンちゃんは天然パーマでくるくるになっている髪に、指を差し入れている。

照れ隠しの為になのか、ぐるぐると自分の髪を指にからめているのだ。

その姿は実に愛らしい。


「あのぉ……、宜しいのでしょうか? 私まで」


「イイのイイの。飛来物・・・の話を知る事が出来たし。

 付き合って貰ったお礼でもあるのだから」


着ているのは、白と言うよりも銀色に近いシンプルなデザインのドレスだった。

薔薇の様な花弁はなびらくきの刺繍があり、マリンちゃんのくるくる金髪ともマッチしている。実にグッドだ。


  かぁー。どうしよう、可愛い。

  ヤバい私、今日、ご飯いらないかもしれない。

  胸がいっぱいで。

  うー。胃が痛くなってきた……。

  恐るべし、マリンちゃんの破壊力。


「お姉様?」

イリーナは不思議そうな顔で、私を見つめるのだった。



「そういえば、アーケロンの乗組員は全員上陸許可が下りたんだってね」


「はい。父、シーゲイルにも許可が下りました。聖母教のお力ですね。

 大司教様にも感謝をお伝えしなくては。こうして皆さまとご一緒できましたし」


「そうね。おかげで、私も飛来物の噂を知れたし。服も選べたし!」


私は夜空の様に深い藍色あいいろのロングドレス。

イリーナはふりふりした漆黒しっこくに紫があしらわれたロリータ系ドレス。

みんな普段着ない様な物を選び、着ている。

買い物を粗方あらかた終えて、これから教会へと戻る。



風により、イリーナの青く長い髪はなびいている。


時より漂ういその香り。

それがなければ、港街である事を忘れてしまう程に大きな街並み。

ここは聖母教総本山近くの港街スミュール。



Bパートへ つつづく

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