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 異世界転移「GMコールは届きません!」   作者: すめらぎ
第I部 第一章 3節   <3話>
19/200

<3話>  「聖女と邪神と」   =Aパート=



=============================================

<<Ирина(イリーナ)Walhalla(ヴァルハラ)>>

称号†邪神に憑依されし巫女†

種族:人間

年齢:115歳

職業:聖女

状態:拘束/混沌/憑依/祟り/魅了


装備:

|≪神々の封鎖≫

|神をも封じし緋色金(ヒイロガネ)の鎖

=============================================


暗黒竜に乗った邪神に憑依されし巫女が、私を殺しにやって来た。


青白い肌には鎖以外、布などは何もまとっていない。

鎖は手枷(てかせ)足枷(あしかせ)から、小さな胸をつたい、首輪へと繋がっている。お腹の辺りに施錠の様な物もあり、繋がっている。


私は巫女と、いや邪神と対峙している。


巫女の左手には、先ほど私を貫いた武器がもう1本あった。


(あれはまずい。私に確実にダメージを与えられる武器)


私は足元に刺さっている、もう1本を手に取ろうとした。

しかし、隙は作れない。


剣を左手のみで持ち、目線を巫女から逸らさず、左膝を地面に着いた。

兄から昔教えてもらった、古武術の構えの1つが原型だ。


私は右手で、刺さっている物を引き抜いた。


次に立ち上がろうとしたが、止めた。

巫女に近寄る飛竜が2体、どちらも背に暗黒騎士が乗っていたのだ。


(先にこれを調べねば)

右手の物をGM権限で調べた。


|≪麒麟(きりん)ひげ


「ぬしよ、それが気になるか。我が教えてしんぜよう」

巫女の口を通し、邪神が語る。


「東の大陸に居る神獣の物よ。生意気だったので、へし折ってやったわ。おかげで大規模転移が容易になってのう。クククク。ぬしを一撃で沈められなんだのは、我の誤算だ」


無表情であった巫女の顔。

わずかにだが、口元が緩んだ。


「さあ、その右手の物を返して貰おうか!」


邪神は得体の知れない私を前に、警戒するどころか、高揚こうよう饒舌じょうぜつだ。



邪神からすれば、巫女は憑依しているアバターで、さながら自分はゲームのプレイヤーといった感覚なのであろう。


邪神は巫女が倒されたとしても、例えるならゲームで髭オヤジが1機穴に落ちてやられた、その程度にしか感じないのであろう。


穴に落ち、「あー、この先は、こうなってたのか」と分かればそれで良しと。


邪神が語り終えると、暗黒騎士が巫女の前に立ちはだかった。


私は右手にある「麒麟の髭」に人差し指を添え、中指を引っ掛け、親指とで挟んだ。


私は殺気を押さえ、ゆっくり立ち上がる。

その自然な動作に、遠投のモーションを上重ねした。


私は槍投げの要領で、髭を暗黒騎士目掛けて投げつけた。

赤い髪がなびく。



Bパートへ つづく

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