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勇者誕生

リュートパレス王国の王都エルサーヌは大陸の西部 小高い丘の上にある。

王都の周辺は自然が豊かで北側には大きな森林 その森林から綺麗に透き通った川が王都の東側から南側に回り込む感じに流れている。


この王都で僕は生まれた。

父さんは子供の時に戦争に巻き込まれて瀕死の怪我を負っていたところを王国の兵士に助けられて王都に運ばれてきたらしい。

そして父さんの怪我を治療していたお医者さんの娘だった人が今の僕の母さんだ。

その時の事を母さんは「同じ歳の子がひどい怪我で運ばれてきて戦争の恐ろしさと私と生きてきた世界の違いに衝撃を受けたわ」と言っていた。

それから体調を崩したりちょっとした怪我をする度に父さんは母さんの所に行って治療してもらってて気が付くとお互いに惹かれあって結婚したとか。

父さんは今王宮で国王様の側近として働いていて母さんは王都の病院で働いている。

父さんも母さんも心から尊敬できる自慢の両親だ。


それは僕が10歳の誕生日を迎えてから数日後の事だった。

左の二の腕に黒く痣が出来て日が経つごとにその痣は鮮明になり一本の剣にドラゴンが巻き付いた様な紋様が現れた。

何かの病気なんじゃないかと心配になった僕は母さんに相談してみたけど母さんもわからなくて色々な人に聞いて周っていた。

そしてそれが勇者の力を受け継いだ者に現れる証であることがわかった。


次の日僕は国王様に呼ばれ王宮に行くことになったんだ。

国王様は僕を見るなり「生きている間に二人目の勇者に会えるとは・・・」と感嘆の声をあげていた。

そして勇者ウィルが使ってた勇者の腕輪と聖剣ホーリーアーツを渡された。

勇者の腕輪は体の潜在能力引き出す効果があるらしい。

国王様が勇者ウィルに会った事があるのは2回だけらしく、1回目は国王様が10歳の時に勇者ウィルと大魔導士グレイルが魔王軍を追い払い魔族との戦争が終わった事を先代の国王様に勇者ウィルが報告に来た時に会ったとのこと。

2回目は国王様が38歳の時で勇者ウィルがもう使うことがなくなったと勇者の腕輪と聖剣ホーリーアーツを預けに来た時らしい。

それから勇者ウィルは行方が分からなくなりその後どうなったのか誰も知らないようだった。

新しい勇者誕生の話は瞬く間に王都中に広まり、その夜はそこらじゅうでお祭り騒ぎだった。

そして次の日から僕は王国騎士団の元で剣の稽古をすることになった。



翌朝、騎士団長さんに案内されて王国騎士団の稽古場に来た僕を見るなり一人の少年が近づいてきた。

「これはこれは、勇者様ではありませんか」

少し見下すような態度でそう言ってきた少年は僕と同じくらいの歳で身長は僕よりも10cmくらい高く身長よりも長い槍を持って鋭い目付きで僕を見ていた。

突然の威圧的な態度に僕は完全に怯んでいた。

すると少年の後ろから少女の声が聞こえた。

「お兄ちゃん!勇者さんが困ってるでしょ!」

お兄ちゃんと呼ばれた少年の後ろから現れた少女は僕と同じくらいの身長で華奢な体格に似合わない大きな弓を背負っていた。

「お兄ちゃんは意地悪だから気にしないでね勇者さん」

「リリは黙ってろ」

「黙るのはお兄ちゃんでしょ!勇者さんまだ一言も声出してないもん!ほらお兄ちゃんはやく自己紹介してよ」

気の強い妹に逆らうと後が怖いのを知っている兄は既に妹の尻に敷かれていた。

「俺はレント・スタズレイド 槍使いの証を持つ者だ そしてこいつが妹のリリだ リリは弓使いの証を持っている」

「こいつって何よ!」って一瞬怒りを露わにするがすぐに「よろしくね!」と僕に微笑んできた。


勇者の証が現れるのと同時期に何かに特化した人には証が現れると言われている。

勇者ウィルと大魔導士グレイルが率いた魔王討伐軍の精鋭部隊も証を持つ者ばかりが集められていたと記録されているように証を持つ者は勇者をサポートをする役割があるのだ。


「で・・・勇者さん 名前は何て言うの?」とリリが聞いてきた。


「僕は・・・ ゼド・ファルバルクと言います よろしくお願いします!」


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