表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
科学と魔法の魂探究  作者: ryurenn
第1章 科学と魔法の交わり
6/25

第6理論 いたずらと仕返し

 周りの風景が完全に崩れ落ちると僕と王女様はどこかの部屋の中にいた。そしてあたりを見ているとさきほどまでいた山と同じだと思われる模型がガラスケースの中に入っていた。

 それから推察するとここは王女様の使っている部屋なのだろうけどいきなり移動させるのはひどいんじゃあないだろうか。そう思って王女様の方を見るとなぜか彼女はニヤニヤと笑っていた。


「どうだびっくりしたか?」


「まあ、いきなりあんな光景を見せられればね。それでこれからどうするんだい?」


「まずは父上たちに貴様を紹介しようと思う。とはいえここからでは父上たちのいるメイブンから馬車で10日ほどかかってしまうのだがまあその10日でいろいろ見て廻るのもいいだろう」


 確かに急ぐ理由はないから時間をかけてもいいけれど未来のお父様(予定)に会うのならば早いほうがいいのではないだろうか?そんな思いから僕は王女様に1つの提案をしたのだった。






「これはすごいな!」


 王女様が目を輝かせて喜んでいる理由。それは僕が《再現》を使って小型の飛行機を作ってそれに乗って飛んでいるからだ。最新の技術を使って造られたこの飛行機には様々な機能があり、その1つである『透明化』によって外からは見えないようになっているので空を飛ぶ魔物(魔物とはこの世界固有の怪物のこと)に間違えられることはない。


「これが飛行機という物なのか。昔訪れた迷い子たちが便利だと話していたと記録にあったがこんなに早ければそう思うのも当然であるな」


「この世界では乗り物っていうと馬が主流なんだっけ?」


「うむ、実力の高いものは魔物を手なずけたりもするが基本は馬だな。だから1時間も経たずにこの距離を移動するなどありえんことなのだ」


「それじゃあ次の初体験をしてみようか」


 ついにアリスト王国の首都であるメイブンについたのだった。






「この馬鹿者が!!あんなところから飛び降りるなどと何かあったらどうするつもりだったのだ!」


 メイブンにある王城へと空から侵入した僕は王女様に怒られていた。1時間前のいたずらの仕返しをしようと思って不意討ちで飛行機を消し、自由落下の楽しみを知ってもらおうと思ったのだけどどうも失敗したようだった。


「まあまあ。僕を国王陛下のところへ連れて行ってくれるんだろう?そんなに怒っていたら僕のことを婚約者候補だと言っても信じてもらえないよ」


「あとで覚えておけよ。それと我のことはフィーナと呼べ」


「僕のことも雪と名前で呼んだ方がいいのかな?まあそれはフィーナに任せるとしようかな」


 2人で話をしながら国王が待っているらしい謁見の間と呼ばれる場所に向かっていた僕たちはやけに豪華な扉の前にたどり着いた。

 国王陛下に謁見するという人生初の体験に少し緊張しているとそれを見抜いたのかフィーナが笑顔を見せながら挑発してきた。


「父上の威圧に心を折られるような軟弱な男ではないと信じさせてもらうぞ」


「逆に僕が威圧してしまわないか心配だね」


「それはそれで見ものだがな。………行くぞ」


 そうして彼女は扉を開けたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ