第3理論 人気のない山の中での
声の聞こえた方を向くとそこには白い髪の13、14歳ほどの少女が立っていた。なぜかありえないものを見たような顔をしているのだがどうしたというのだろうか?
それに彼女はいきなり僕の背後に現れていた。それが転移の力によるものだとすればもしかすると彼女が僕を転移させた原因かもしれない。
それをはっきりさせるために僕は彼女に話しかけることにした。
「すみません。あなたはここがどこか知っていますか?僕はさきほど急に光に包まれたと思ったらここで足を縄で縛られて逆さに吊られていたのですが」
「………いや、まあ、心当たりがあると言えばあるしないと言えばないのだが、うむ。まずは互いの名前を教えぬか?我はフィーナ・フリード・アリスト。アリスト王国の第1王女だ」
「八幡雪です。アリスト王国とは残念ながら聞いたことのない国ですがいったいどこの国なんでしょうか?」
「アリスト王国はこのヴァーユ大陸の中で3大国の1つとして数えられるほどの国なのだがそれを知らないということはやはり貴様は………」
どうやら彼女は僕に何が起こったのか分かっているようだが僕に説明してくれるのだろうか?
「貴様は魔法を知っているか?」
「魔法?それって何もないところから火を出したりするあれのこと?」
「より詳しく言うなら空気中に漂っている魔素を体に取り込み魔力というエネルギーに変換し魔法式という回路を使って様々な現象を起こすのが魔法だ」
「そういう魔法は知らないね」
「やはり貴様は異世界の迷い子か。落ち着いて聞いてもらいたいのだがこの世界は貴様の暮らしていた世界ではない。貴様は魔法のあるこの世界に転移したのだ」
「はあ………なんだか僕の状況を詳しく知っているようだけど僕のほかにも同じような人がいたのかな?」
「うむ。我が国アリストの記録では5人ほど確認されている。その5人は全員が日本人という者たちであったのだが貴様もそうなのか?」
「ああそうだよ」
今までで5人か。アリスト王国が建国してからどれくらいの国なのかわからないから何とも言えないが彼女の話し方からすると珍しいもののようだ。
あとはその5人が元の世界に戻ることができたかどうかだけどあとで聞くか。
「そうか。ちなみに貴様の希望を折るのは不本意だがその5人は誰も元の世界に帰れずにこの世界でなくなっている」
「そうか………」
まあその5人は魂の力について知らなかっただろうからまだ希望がないわけではないだろう。
そう楽観的に考えていると彼女からとんでもない提案をされたのだった。
「ところでいきなりで申し訳ないのだがもしよければ我と結婚してもらえないだろうか?」
「………は?」




