表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
科学と魔法の魂探究  作者: ryurenn
第2章 異界の迷い子と勇者たち
19/25

第18理論 現れる同類(無表情)

 機械人形7型


 たった1人の強者を相手にすることを想定したこの人形たちは同型機が多ければ多いほどその性能が高くなるように造られている。

 互いに役割を決めることでより効率よく情報を収集し、相手を複数で襲いやすい状況に持っていくこの機械なら魔人種の男を倒すとまではいかなくても僕の体のしびれが取れるまでの時間が稼げるかと思ったのだがその予想は裏切られた。


「あ、ああ………」


 そこに倒れるのは僕の造りだした10体の7型と魔人種の男だった。そしてこの状況を造りだした少女はなぜかひたすら僕のほっぺをつついているのだった。


「八幡君、大丈夫ですか?………夢飼(ゆめかい)さん?」


「どうもー」


 3階の床にあいた穴から天木が顔をだし僕と少女………夢飼なじむを見た彼女は出していた顔を引っ込めるのだった。


「ああ、あ、あああああ!?(ちょ、あ、えええええ!?)」


「つんつん」


 そして変わらない僕の状況………これがしびれの取れるようになる30分後まで続くのだった。






「やっとしびれが取れたか」


「つんつん」


「いつまで僕のほっぺをつついているのさ」


 未だに目を覚まさない魔人種の男に首輪型の爆弾とおまけの開発途中の魔力吸引装置を取りつけ、僕は夢飼がどうしてここにいるのかを聞いてみた。


「八幡には借りがあるから返しに来た」


「?………何か貸してたっけ?」


 日本にいるときはそもそも接したことがなかったはずだけど気づかないうちに何かしていたのだろうか?


「うん。八幡が発見した魂の補完理論のおかげでお父さんを助けることができたから」


「………君はもしかして」


「魂の科学者だよ?」


 嘘をついている様子はないし、そもそも魂の科学者という言葉を知っている時点でタダものじゃあない。つまり僕はクラスメイトに同類がいるというのに全く気付けなかった鈍感野郎というわけだ。


「………死にたい!」


「大丈夫、八幡が救いようのない鈍感野郎でも今はアリスト王国の王女と付き合っている勝ち組だから。それはきっと八幡の鈍感分のマイナスをなんとか打ち消せるくらいのステータスだから」


「僕の鈍感さは王女と付き合うことと釣り合うほどのマイナスなのか!?」


「私だったら絶望して自分の墓をつくるレベル」


「今絶望した!そんな話は知りたくもなかったのに!」


 もしかして日本にいたころは同類を見分けられなくて馬鹿にされていたというのか?そんな事実知りたくなかった………


 そうして僕はフィーナたちに頼んでいた仕事が終わるまで夢飼と話し合っていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ