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8話 <アトモスという世界は>

説明書きが多々あります

『ゴォン...ゴォン...ゴォン...』


 今朝は鐘の音で起きた。

 あまり大きくもない音だけどベッド固いし眠り浅かったから...。


「うぎぃ...ぃ、っつつ~」



 あいたた...

 背骨が楽器みたいだよ...。


「おはようチロル」


「アウッ!」


 うん。今日もチロルはかわいいね、プルプルしてるし。


 ん?プルプル...?...あっ------



 チロル、トイレ我慢してない?!




「あわわわ、忘れてた!!チロルあと少し辛抱してね!」


 外に行かせてもらわないとっ!


 部屋から出て一番に見つけた従者の人に駆け寄る。


「あのっ!外に行かせてもらっていいですか?!」


「うわっ!?あ、はい、あちらの階段をくだって右に中庭がありますが...」


「ありがとうございますっ!」


 幸いなことに親切な人だった。

 すぐに踵を返す。


 待ってねチロルっ!今いくよっ!


 ダッシュで部屋に戻って扉を開ける。



「チロルっ!行こう!...あぁっ!そんなに微妙な表情になっちゃって!抱っこしてあげるからね!」


 人間より催す回数の多い犬にとってはかなりギリギリなのであろう、凄まじい表情をしていた。


「お利口だなチロル!」


「クゥ...」


 チロルを抱えて中庭までダッシュしていく。

 途中途中目を見開く城の人間がいたりする。


 不愉快な顔をする人が多い気がした。

 やはりペットという概念がないんだろうか?



 すると間もなくして整えられた芝生に花、噴水などがある中庭らしき場所についた。


 観賞は後回しにしてチロルを草の茂っているところでおろした。


「よっしチロルミッション完了だっ!どうぞっ!」


「アゥ…フ」


 チョロロ~っとチロルが用を足した。


 うんうん、スッキリしたかチロル。


 ちなみに大のほうは丁度通りすがった人に袋を貰って捨てた。

 小声でこれからは中庭でなくて裏方の森でお願いします...といわれた。

 もしかしなくてもまずかったんかな...



 チロルのお花摘みからしばらくすると勇者一行に招集がかかった。

 本格的な説明があるんだっけ。


 最初に行った王室のような場所にまた案内された。

 勇者のクラスメイト達、王様、エリーザ様、それから初めにもいた騎士にローブの人。

 指導もあるんだったか、ついていけるんだろうか、all5。


 エリーザ様がこちらに向け説明を始めた。


「勇者様方、今日はこのアトモスについて、それから魔法と剣術の指導を致します。担当するのはこちらのお二方です」


 エリーザ様が騎士とローブの二人を指し示すと、ローブが深いフードを払って前に出た。


「私は宮廷魔法師の、イェーガーです。勇者様には異世界についてのおおまかな説明と、魔法を指導させて頂きます。」


 深々と礼をするイェーガーさん。

 見た目は面長気味で黒い長髪の男性だった。


 肌が青白く、全体的にひょろりとしたこともあって少し不気味な感じだ。



 続いて騎士も前に出た。

「私は宮廷騎士団隊長、アランである。勇者殿には剣術を学んで貰うのである」

 イェーガーさんとは逆に胸を張りドンと構えるアランさん。


 アランさんはしゃべりかたに似合わず金髪で長身のイケメンだ。

 体つきは精悍って感じでゴツく、とても真面目そう。


「それでは私の授業からはじめましょう。ついてきてください」


 どうやらイェーガーさんのアトモス講座から始まるようだ。


 場所を移すらしいイェーガーさんについていくと、図書館についた。

 蔵書数が凄まじい。


 透とかがすげえ!と本を取ろうとしている。


「書物は丁寧に扱ってください。一冊で町が買える規模のものもありますからね」


 本に手を出そうとした数名が手を引っ込めた。

 活版技術はないんだろうか。


 イェーガーさんが一冊の書物を手に取ると近くの椅子に座るように指示が出た。


 透と青木さんが手招きしたので其方のほうへと座る。


「それではアトモスについておおまかに説明させて頂きます。質問は最後に。では、-----」


 話を纏めるとこんな感じだ。


 この世界(天体?)の名はアトモス、 巨大な大陸が一続きに1つだけあり、ほかは孤島がぼちぼちあるくらい(把握できない場所もある。)


 あと、ここでいきなりカルチャーショックを受けたが、アトモスは球体ではなく平面らしい!


 果てに行けた人間はいないのだが。


 大陸はデロス山脈という山脈で分断されていて、このディオン王国がある側がゼオス大陸 あちら側がデロス大陸という。


 ゼオス大陸には人族、亜人族が主に住んでいて、デロス大陸には魔族なるものが住んでいる。


 他に、龍族なるものや、希少な種族もいるらしいが。


 亜人族は人族が環境に合わせて変化した個体で、見た目は様々だ。

 そして魔族だが、魔族は魔物と言ういわばモンスターの上位個体で、魔物にはない知性があるらしい。そして魔族の中でも最上の個体が魔王で、魔族に君臨している。


 魔物は世界中に漂う魔素という気体に近いものが、溜まったりして変異するとその魔素溜まりから湧き出てくる。魔素の塊なので食事はとらず、人や亜人以外の動物が居ても襲わない、だが人や亜人になると確実に本能で襲いかかる。そして体を構成した魔素が濃いと魔族になり、知性を持つ。知性のある魔族は本能で襲ったりはしない。



 魔物や魔族は生命活動が止まると体が魔素と、経験値にかわり、経験値は自らの依り代を倒した生物に吸収されて、自然死した場合は周囲に霧散したあと消えるらしい。


 この経験値を人や亜人、動物が吸収するとステータスに変動が起きたり、スキルが増えたりするらしい。


 レベルアップといったところだろうか。


 動物にもあるのか、スキル。と思ったら魔族もスキルがあるらしい。


 ちなみに魔素が人族の体内に入ると魔力となり、魔法の燃料になるらしく、魔力の限界値以上に魔素を取り込んでも意味はない。


 魔素はどこにでもあるため、ゼオス大陸でも魔物は発生するが、魔族は発生しない。


 しかしデロス大陸では、魔素が濃いために魔族が生まれたり魔物が強力だったりするらしい。


 宗教は大陸ごとに統一されていて、人や亜人はゼオス教、魔族はデロス教を信仰しているらしい。


 それというのもこのアトモスではゼオス神とデロス神が確実に実在するらしく、デロス山脈をつくり、魔素の流れを操るのがデロス。そして人族を作り、自然を作るのがゼオスだ。


 そして魔王や魔族が人に敵対する理由はここにあって、デロス教では人や亜人を支配するのが魔族だと記されており、魔族は魔族こそ至上と考えているらしい。はためいわくな話だ。




 ゼオス大陸の国々は大きな国が5つとほかの小国で成り立っていて、大国はディオン王国、ローザ王国、アレス帝国、オレゴン共和国、マーナ皇国がある。

 小国は知らなくても大丈夫らしい。


 技術的には、中世時代みたいな感じか、車とか電子機器はもちろん。銃さえもないらしい。魔法にかまかけてるんじゃないだろうか?


 通貨の単位はZゼオスで、10Zが屑鉄貨 100Zが銅貨 1000Zが銀貨 10000Zで大銀貨 100000Zで金貨 1000000Zでミスリル貨 一般的に大銀貨一枚で1ヶ月すごせるらしい。

 1Z=5円くらいかな?


 冒険者や魔法師、鍛冶師はギルドがあって依頼や派遣を管理している。


 魔法は生活面に特化した生活魔法、治癒や付与に特化した神聖魔法、攻撃や自然を操ることに特化した四元魔法、それに民族によっては特殊なものを使う魔法師もいるらしい。


 魔法はスキルの一つで魔力を媒体として事象を変化させることができて、事象が大規模なほど魔力を消費する。


 例として今回の召喚魔法なんかは何人もの魔法師のエキスパートが毎日召喚魔法陣に魔力をそそいでいて、国の歴史書によると前回の召喚から300年たった昨日ついに発動したらしい。


 魔法は素質云々の関係で使えない魔法はいくら修業しても無理らしく、財に余裕があるか、魔法についてよく知れる環境でなければなかなか魔法習得は難しいとか。


 スキルはある条件下の元で発現するらしく、例えば四元魔法の一つのファイアーボールのスキルを習得するには ファイアーボールを使える素質+技術の享受を受ける それでやっとファイアーボールが使える。


 剣術なんかは素質+体つくり+反復練習とかで剣術が使えるらしい。スキルで放つ剣術とただの剣術じゃ天と地の差が出る。


 このアトモスのルールはこんな感じで、細かな歴史などはおいおい話すと言われた。


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