表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/39

1話 <異変>

 ここは愛護町、どこにでもありそうな中の下くらいに発展した場所だ。


 その愛護町の住宅街に、これまた中の下くらいのグレードと思われる多少年季の入った家があった。


 その庭では今、綺麗なグレーの毛並みのハスキーと、制服を着た少年が戯れていた。




 -----




「だーっしゃっしゃっしゃ!よーしよぉし!」


「ワウ!ワフッ」




 あ、いきなり涎まみれで申し訳ない。


 僕は無津(むつ) 五郎(ごろう)、 しがない高校生です。


 毎朝登校前の愛犬チロル(ハスキー、毛並みはグレー)とのスキンシップがかかせません。


 あーよちよちチロルはかわいいのうかわいいのう、だけど僕は学校行かなきゃだから制服を食むのは勘弁してね。


「ヘッヘッヘッ、 ワウッ!」


「おうっ、いってきまーすチロル」


 チロルに外出をつげ、家を出た。


 いってらっしゃいの声は去年からない。一人暮らしだから。


 僕に両親はいない。


 僕が1歳の誕生日に事故死したらしい、幸い家には既におじいちゃんが同居していたので年金と生活保護、それからそこそこあった両親の貯金で二人暮らしには事欠かなかった


 でもおじいちゃんは去年、高校の入学あとすぐ亡くなったんだ。


 その時は落ち込みに落ち込んだ、だけどおじいちゃんが床に伏す数週間前に連れてきたチロルが僕の支えになってくれた。


 高校を卒業したら、動物好きな性格をいかしてアニマルテラピーの勉強をしたい。



 僕の通う高校はここから徒歩15分くらいのベストな立地にある愛護高校だ。


 就職に進学、広い範囲に手を出してる高校だ。だからいろんな人がくる。


 実際うちのクラスはかなり個性的なひとが数人いたりする。


 実は今日は休日だけどうちのクラスだけ清掃らしい、まあ綺麗になるのはいいことだし、全8クラスある学年でローテーションだから仕方がない。サボるやつはサボるのだけど。




 しばらく住宅街辺りの通学路を歩いてると、見慣れたやつが後ろから現れた。


「よーっ!ゴロウじいちゃん!」


「じいちゃんはやめろっていってんじゃん!!」


「今更っしょー!もうクラスで浸透してんじゃん?」


「だれかさんのせいでね?」


 この金髪にピアス、だてメガネというちゃらい外見の男は中学からの親友で如月(きさらぎ) とおる

 おじいちゃん等という忌々しいあだ名の名付け親?だ。


 由来は僕が例のム○ゴロウさんに似て動物好きなこと。

 それから、おじいちゃんに育てられたせいか動作や好物が老人っぽいかららしい。おいしいじゃん、かりんとう...


 正直不本意もいいとこだ。もうクラスに馴染んでるから諦めたけど。


 そしてなんだかんだ馬鹿話してたらもう学校についた。


 うーんやっぱ校舎ってなんか特別な感じがするなぁ。

 等と思っているとねっとりといやらしい視線をかんじた。


(うわ、まったやっちゃった...)


「あー、黄昏てやんの!ゴロウじいちゃん」


「ばっ、ちょ、黄昏てないし」


「校舎っていいなぁ、、、って顔してたぞ?」


 こいつは勘が良すぎる。女子か。


「顔に出過ぎなんだよ」


「つっこまないよ、僕はつっこまない」


 クラスにつくと中を見る。


「あー、やっぱ半分も来てないよ」


 中には6人程度しかまだいなかった。


「まーそんなもんだろ、うちのクラス自由なやつ多いしな」


「透がなんでまじめに来てるのか不思議だね。」


「家いても暇だしな、あー、彼女ほしい...」


 そうやって廊下から教室を眺めて話していると、唐突に肩に衝撃が走った。


(うわっ!誰だよ!)


 ぱっと後ろを振り返る。


「おっはよー!ゴロウおじいちゃん!」


「青木さん...おじいちゃんはやめようか」


「俺にあいさつはぁ!向日葵ちゃん!」


「あぁ、透くんいたんだね」


「ひどぃ......」


 真後ろで手をひらひらさせていたのは、ショートボブの淡い栗色の髪をした女の子。


 彼女は青木(あおき) 向日葵(ひまわり)、幼く見えるが僕の同級生でクラスメートだ。


 あれ、てか高校生じゃもう女の子じゃないよな。


「、、、ゴロウくぅん?」


 なんか凄まれた、女の子ですばっちりですピチピチです。


 そんな顔にでてるかなぁ?


 ちょっとショックを受ける。


「向日葵ちゃん!どう?放課後あたりデートでもぶへっ!」


「はいはい馬鹿言ってないで教室入る入るー」


 ぐいぐいと青木さんが教室へ僕らを押し込む。


「わっ、ちょ、押さないでよー」


 無理矢理教室に捻じ込まれた、ちょっと勢い余ってこけそうになる。


「うわっっと!?危ないよ青木さ...うわぁ」


 隣で透はばっちり頭からこけていた。


「あー、ごめんね透くん?倒すつもりはなかったんだよ」


 青木さんが平謝りする。


 透はほっといて席に着いちゃおう「ワン!!!」っと...


(は?ワン?)


 凄まじくいやな予感がしたので廊下のほうを見ると...


「ねえ、ゴロウくん、あれチロルちゃんだよね...?」


「なんできてんだよ」


 チロルが向こうから嬉しそうに走ってきていた。


「いや、僕が知りたいよ...」


 教室に一直線にチロルが入ってくる。


「うわ、なんだ!?」


「おじいちゃんが動物連れ込んでるぞ!」


 教室がにわかにざわつく、あたりまえか。


「ちょっとチロル、ちゃんと家にいなきゃ、いたっ」


 走りこんできたチロルが僕の差し出した腕の袖をひっぱった。


(こんなにかむなんて珍しい...興奮してるのかな?)


 疑問に思いながら宥めようとするとひときわ教室がざわめいた。


「な、なんだこれ!」


「床に文字が!?」


「な、なによこれ??」


(え?床?)



 なおも袖をぐいぐい引っ張るチロルから意識をはずして声のほうをみると確かに教室の中心辺りの床から放射状になにか文字のような、絵のようなものがこちらに伸びてくる。


 ちょっとびびるが足元まで文字がきても異常はとくにはなかった。


 チロルがビビったのかさらにひっぱったくらいだ。


 そして教室の端のほうまで模様が到達すると異変は収まった、恐怖していたような人も『これなんだろ』などと落ち着きを僅かに取り戻したようだ。



 だが






 ......そこで床が眩いばかりの光を発して意識が途切れた

付け足しが今回も多くあります。

間違いなどはずんずん指摘してください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ