〜プロローグ〜
ちょっと気分転換に創ってみましたw
中3の冬――――。
「ここは、入試に出題されるからきちんと覚えておくように!」
教師の声がけたたましく鳴り響く。
それから数日後――――。
「とうとうこの日が来たね・・・。」
「あ、ああ、そうだね・・・。」
一人の少女と一人の少年の会話が続く。
「では、試験上の注意では・・・・」
試験員の人の他愛のない説明が聞こえる。
「では、以上を持って――――始め!!」
試験員の合図ちと共に、受験生の必死な戦闘が始まった。
会場内では、ペンを書く音、シャーペンのシンを出す音を鳴らす音、紙をめくる音など一人一人の気持ちが外部に出ている風にも見える。
「・・・はい、終了!」
この言葉と共にチーターが走るような手が一斉に止まった―――――。
ザワザワザワザワ・・・・。
まるで、今からにも大スターの人が現れるとでも言える程の歓喜と、地獄の果てに突き落とされたような悲哀の表情も浮かべている者もいる。
その中でも未だに合否結果の紙と睨めっこしているヤツもいる。
「え〜と、596番・・・596・・・ 59・・6! あ! あったあった!!」
「お! 翔ちゃんや〜る〜! 私もあったよ〜〜。」
「おお〜、 愛美もあったんだ〜。 いや〜さすが!!」
「ま〜ね〜〜♪♪ えっへん☆」
冬の終わりを締めくくるような、この二人の会話、いつもの出会いが生暖かいようにも見える。
「新学期から、ウチらここにお世話になるんだねぇ・・・。」
一人の少女の表情は期待に満ち溢れていたが、次第に不安という表情に変わっていった。
「なんだよ〜そんな血相な顔しちゃってさ〜。 ブサイクだぞ。」
「だ、誰がブサイクよ!? これでも私、結構告られてるんだからね!?」
「でも、せっかくのチャンスを台無しにしてるのは、どこのドイツかなぁ〜?」
「な、なによ〜〜!! 毎年バレンタインデー0個のオンパレードのアンタに言われたくないわよ!」
「な、な、な、ここでそれを言うか〜!!」
「あ〜言いますとも。 少なくとも、アンタよりアタシの方がモテてるっていう現実を思い知らないとね〜〜。」
「それは・・・、はい、確かにそうですね・・・。 ブサイクって言ってすいませんでした。」
「分かれば宜しい☆ でも、アンタの言う「チャンスを台無しにしてる」は、誰のせいと思ってんのよ〜?」
「誰っ・・・て・・・? そのコトに理由でも?」
「ひょっとしたら・・・アンタのせいよ・・・。」
「え・・・?」
「なぁ〜んてね☆ あはっ! 翔ちゃんの顔ったら〜 おっかしぃ〜〜!」
「ねぇ、今の話って・・・?」
「さあさ、合格の文字見たんだからさ〜、 とっとと、塾の打ち上げに行っちゃいましょ♪♪ 早くしないと遅れちゃうよ〜。」
「あ、ちょっと待って・・・」
一人の少年は手を差し伸ばしたが、もう少女は走り出していた――――。
――――新学期から始まる新たなる学園(学校)生活。 果たして、この先に待ち受けている二人の運命は・・・?
次回も宜しく☆