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はい、例の如く登場人物が多くなっているのでサラッと流してください。


 ***



「鉄ちゃん、ホイちゃん。第2ミーティングルームに集合だって。」


4月も終わる頃、竜希(たつき)はそれまで名字で呼んでいた梶呂(すぐろ)と木少谷(ほいたに/※ホイ=木偏に少)を渾名で呼び始めた。


どうやらチームA内で渾名で呼ぶことになったらしい。


「オッケー。」


「竜希は?」


そして梶呂までもがそれまで名字呼びだったのに竜希を名前で呼んでいる。


「あたしはコピー室で資料コピーしてから向かう。」


「俺も行く。」


「ありがとう、鉄ちゃん。」


「木少谷、よろしく。」


梶呂と竜希が連れ立って歩いていく。


「うーん。鉄ちゃんは変わりつつあるんだねぇ。」


「やっぱり?俺も最近テツ変わってきたと思った。」


壱岐(いき)と木少谷がうんうん頷き合っている。


「じゃあ俺は先に行って、テツが遅れること伝えなくっちゃ。じゃね。」


木少谷が教室から出て行った。


「じゃあボク達も部活行く?」


「あぁ。」


快人(かいと)は荷物を持って壱岐と教室を出た。




「あと一週間だねー。」


「合宿だよな。」


一週間後サッカー部のGW合宿がある。


三泊四日で翠鳳(すいほう)の合宿施設があるY県へ行く。


富士山が望める空気が綺麗なところで、設備も充実しているらしい。


この合宿で、チーム内のメンバーの入れ替えがあったり、地区予選のメンバーに入れたり、他のチームや先輩達との距離が縮んだりするらしい。


「オレらもミーティングあるのかな?」


「ミーティングルームが空いたらボク達の番じゃない?」


「だよな。」



 ***



5月2日土曜日。


土曜でも4時間目まで授業がある翠鳳学園高等部。


チームS、A、Bは先発組ということで、昼食も食べずにバスに乗り込んだ。


途中高速道路のサービスエリアに寄るらしいので、そこで買い食いすることも楽しみの一つだ。


バスの中では、喋ったり、寝たり、携帯ゲーム機で遊んだり、音楽プレイヤーで曲を聴いたり、携帯電話を弄ったり、各々が自由に過ごしていた。


快人の隣の席では壱岐がすごい速さでメールを打っている。


「ごめんね、オミくん。」


どうやら送信したらしく携帯を閉じる。


「別にいいけど。」


「今日から合宿で会えなくなるから、時間があるときは連絡するんだ。」


「えっと…彼女?」


「そう。毎日会ってたから。明日から3日も会えなくなるでしょ?だからメール。」


「毎日会ってんの?」


「うん。毎朝一緒に登校してるから。朝会えなかったら夜会いに行くし。」


「なんか…すげーね。」


「そうかなぁ。普通だと思うよ。」


快人には普通の定義がわからない。


「そういえばさぁ、オミくんタッキーのこと避けてない?」


何故結柴(きしば)竜希の話題なんだ。


「別に。」


「そぉ?オリエンテーションのときのがまだ普通だったと思うけど…。」


あの時はまだ、栖葉(はらな)さんと結柴竜希が毎朝隠れるように会ってるって知らなかったし。


「まぁオミくんがそぉゆーんなら。」


そこから壱岐は話題を変えて話し始めた。




「おつかれーっす!」


木少谷が快人と壱岐に割り当てられた二人部屋にやってきた。


梶呂も一緒だ。


「消灯時間22時だってよ。早くね?」


「オレいつもそのくらいには寝るよ。」


「そーだったぁ!オーミは早寝だったんだ。」


「ボクは23時くらいかなぁ。」


「まっ、そんなもんか。」


「それより何しに来たんだよ。」


「あと1時間くらい自由時間があるから遊びに来ただけー。」


木少谷がニヤニヤ笑う。


「せっかくだから他の奴らの部屋行ってみねぇ?」


「わかった。」


快人は一人掛け用のソファーから立ち上がる。


「それならボクはこの部屋で電話しててもいーい?」


「いいよ。」

「なになに?チョージは彼女に電話かぁ?」


快人の発言に被ってくる木少谷。


「そうだよ。」


壱岐は笑顔で返す。


「チビッコのくせにー。やってらんねぇぜ。」


木少谷はわざと壱岐を睨みつける。


「テツ、オーミ、行こうぜ。」


木少谷が我先にと部屋から退出したので、梶呂と快人はそれに従った。




二人部屋の割り当ては、一応チーム内の同学年ということになっている。


監督やコーチは一人部屋だし、マネージャーの部屋は監督やコーチと同じフロアになっている。


部内恋愛も許されているから、カップルにとってはこの自由時間が貴重らしい。


さっきから廊下や踊り場、階段、庭などでちらほらカップルを見掛けた。


「やっぱいるんだなー、部内カップル。」


「それはいるでしょ。」


木少谷のぼやきに答えたのは芳我(はが)


ここは南向(おなかた)英多(あいた)の部屋だ。


この部屋に、南向、英多、芳我、穂高夏実ほだかなつみ浪越(なみこし)、木少谷、梶呂、快人の8人がいる。


つまりフリーの集まり。


涼太りょうたは彼女と逢い引き中だし、コウもガッツも電話してるしぃ。」


芳我がパーマがかかった少し長めの前髪を指でクルクルし絡めながら言う。


小嶺(こみね)は見掛けたかもー。階段のとこ?」


「俺も見掛けた。彼女同じクラスだし。」


木少谷と浪越は見掛けたらしい。


「そぅいえばさぁ、アイと浪越はあれからキィちゃんと仲良くなれたの?」


「キィちゃん?」


先に反応したのは木少谷。


「結柴竜希ちゃん。シマさんやリンさんがそう呼んでるから。」


芳我は竜希をキィちゃんと呼ぶことにしたらしい。


「シマさんの妹だもんなー。」


木少谷と浪越が二人でうんうん頷き合っている。


「シマさんと仲が良い栖葉さんとも親しいのかな。」


快人は今まで気になっていたことを話題にしてみた。


「シマさんとリンさんは中等部時代から知ってるけど、いつも一緒にいる感じだよな。」


「俺は地元のサッカークラブから一緒だったんだ。小4くらいまでは家族でよく応援に来たりしてたから、タキとリンさんも親交があるはずだよ。」


南向に続いて、快人と同じチームBの夏実がそんな話をした。


「どうしたんだよオーミ。タキのこと避けてたけどやっぱ気になってたの?」


木少谷がまたおかしな発言をする。


「んなわけねーだろ!…オレはただ、栖葉さんが…」


「はいはい。オーミの栖葉さん病はわかってるから。」


「オーミは栖葉さんの影響で翠鳳に入ったの?」


「うん、そう。」


「なんでホイが答えるんだよ。」


「俺の兄貴も栖葉さんの影響で翠鳳受験したんだよ。」


「ハルさんそーなの?」


ハルさんというのは穂高の兄の穂高春実ほだかはるみのことだ。


「そうだよ。」


「ナツはハルさんの影響で翠鳳入ったんだろ。」


芳我が夏実を揶揄う。


「別にそれだけじゃないよ。」


「そういえば知ってる?ユマさんとハルさんは付き合ってるんだよ。」


夏実は変な顔をしていたが、芳我は無視して話を変える。


「内部組では有名だな。」


「俺はなんとなく気づいてた。」


「まじかぁナミ。俺は全く気づかなかったぁ。」


木少谷が残念がっている。


「木少谷ってさぁ…前から思ってたけど、部内恋愛がしたいの?」


「芳我…バカにしてる?」


木少谷は一瞬ムッとしてみせる。


「別にそーゆーわけじゃないけど…憧れるってゆーか…翠鳳サッカー部のマネさんって美人多くない?」


「確かに綺麗どころ集まってるねぇ。僕は手を出さないけどー。」


「なんで?」


「えー!?部活でまでドロドロしたくないだけー。」


「チエの悪行が有名なだけじゃん。」


「その前にサッカー部のマネージャーでフリー率はかなり低いぞ。」


英多のナイスツッコミのあとに南向が話す。


「そうなの?」


「マネージャーが全部で22人居て、そのうち1年が7人だけど、内部組が4人。つまりフリーかもしれないのは外部組の3人だけ。」


南向が指を3本立てる。


「先輩はみんな他人のものなのかー。」


「木少谷は年上がいいの?」


「やっぱ憧れはあるよー。」


「憧れてばっかじゃなく現実見なよ。」


芳我はキレイな顔でやや毒舌だったりする。


「木少谷のせいで話逸れちゃったけど、アイと浪越はキィちゃんと進展あったの?」


「俺は部活中に話するだけで、特に…。」


「アイは?」


「タキが帰国子女だからイギリスの話とか。俺の祖父母がロンドンにいるからさ。」


「えーっ。2人とも話しただけかぁ。まぁお喋りも大事だけどもっとこーガツガツとさー。」


芳我は浪越と英多の進展の無さに文句を垂れる。


「わかってる。」


「でもうちの部のマネって綺麗どころ揃ってるからすぐ誰かのものになっちゃうよ。」


「ライバルは部内だけじゃないしな。」


芳我に続いて南向が英多と浪越を脅す。


「先輩達も狙ってんのかなぁ。」


浪越は落ち気味だ。


「そりゃあ狙うでしょ。うちの学校は男のが多いしね。」


「それにタキの場合はシマさんの妹だからっていうのもあって、近付き易くも近付き難くもあると思う。」


「携帯とかは?訊いたの?」


「それはチーム同じだから最初の頃に交換した。」


英多が答えたが、浪越も同意している。


「じゃあメールでも電話でもすればいいじゃん。」


「いいのかな?」


「交換したんなら有効活用しなよ。」


「じゃあさー、今からタキに電話したら?」


「木少谷たまにはいいこと言うじゃん。」


「うるせー芳我。」


「呼び出してみたら?」


「どっちが?」


「どっちでもー。2人一緒に会いに行くとか?それともこの部屋呼ぶ?」


「流石にこの大所帯に女の子1人はまずくないか?」


南向がまともな意見を言う。


「じゃあマネさん仲間で来てもらうとか?ふふっ、それいい。」


「チエがいるから却下ー。」


「ひっどぉーい。」




「もしもしタキ?」


代表で同じクラスの木少谷が電話することになった。


「うん。今大丈夫?」


英多と浪越が見守る中、芳我はニヤニヤしていた。


「今アラ達の部屋に集まってんだけど、タキは何してんの?」


快人はこの状況にイライラしていた。


話題に出してみたものの、結局凜斗(りんと)と竜希の関係がよくわからなかったからだ。


「あっ、そうなんだー。――えっ?ううん。こっちでワイワイ話さないかなーって思ったんだけど。」


どうやら雲行きが怪しい。

快人にとっては喜ばしい流れだ。


「わかった。じゃあ明日とかは?交流深めたがってるし。――うん。じゃあ、おやすみー。」


通話が終わり、木少谷が終話ボタンを押す。


「残念だったねぇ。」


全然残念そうではなく芳我が言う。


「何て?」


「今シマさん達と一緒なんだって。」


「達って?」


「そこまではわかんないけど、シマさんの部屋に先輩達が何人かいるみたい。」


「3年だよ絶対。紹介してくれとか言ってそうだもん。」


「シマさんが簡単に紹介するかな。」


「だから同じ空間に居て目を光らせてるんだよ。」


「一時期シマさんの彼女=キィ説あったよな。」


「結局キィ=妹で彼女は別だったみたいだけどぉ。」


「シマさんの彼女って?」


「木少谷気になっちゃうの〜?」


「ただの興味本位じゃん。」


「シマさんの彼女って今いる?」


英多が訊く。


「シマさんは謎ー。」


芳我の情報網にも引っ掛かってないらしい。


「シマさんって遠恋かなぁ?」


「有り得る。」


「ナッちゃんは何か知ってる?」


「さぁ。」


「何か知ってそぅだねぇ。……………まぁ詮索しないでおくかな。」


芳我が夏実に対してニヤニヤする。


「シマさんにはファンクラブがあるしね。」



そんな感じでダラダラと喋って解散となった。


梶呂はほとんど話さなかったので聞き役に徹していた。

読んでくださりありがとうございます。


やっと5月に入りました。

登場人物の多さに比例して台詞だらけです…(..;)

会話してくれないので他の人に任せるばかりです。

そしてあの方はまだ出番が…。

R15設定を申し訳なく思う今日この頃。

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