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登場人物がまた増えてますがサラッと流してください。
あと、人物名の漢字が読みにくいかと思いますが、漢字辞典にハマっていた頃の名残です(^^;;
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チームBの練習に参加させてもらって3日経ち、今日は4月5日。
先輩達は明日始業式らしく今日は35分ハーフの対抗戦をした。
ピッチA〜Dまで使用しての大掛かりなものになったけど、この学校では特に珍しくはないらしい。
この試合が終わって、チーム仮所属は特に異動もなく本所属になった。
「オーミ、お疲れっすー。Bは明日どうすんの?」
部室棟の階段のところに木少谷(ほいたに/※ホイ=木偏に少)と梶呂が待っていた。
「午後一で少しだけ練習するみたいだけど。」
「俺らもー。なっ、テツ。」
「おぅ。」
相変わらず梶呂は口数が少ない。
「先輩達は明後日テストらしくて部中止なんだけど、アラがフットサル場予約したらしくてさ、明後日の午前中行かない?」
「行く。メンバーは?」
「アラ達Sの1年と、俺らAの1年と、オーミとチョージの10人。」
そこまで言ってから、木少谷が快人の後ろを覗き見てキョロキョロする。
「何?」
「あれ?チョージは?あいつ何してんの?」
「急いでたみたいで、先に帰った。」
「まじでー。今日これからアラ達とマックで合流だったのに。」
「ホイ、澄志朗は恐らくデートだと思う。」
梶呂が口を挟む。
「まぁじで!?あいつチビッコなのに彼女いんの!?」
木少谷が驚きを隠せない様子で頭を抱えて喚く。
「ホイ、うるさい。南向たちマックで待ってんだろ。早く行こうぜ。」
快人は木少谷をスルーして歩き出す。
梶呂も並んで歩き出す。
「待てよ、お前ら。反応薄すぎんだよ!」
木少谷が後ろで喚いていたけど、勿論スルーして部室棟の出入り口に向かった。
マックに10人とか多い気がする。
男子高生が10人も集まるとサッカー話ばかりではなくなってしまい…
「ホイとテツとはもう話したんだけど、外部組の人らは彼女とかいんの?」
切り出したのはチームA所属で内部組の鴻池隆志。
コウと呼ばれていて、外見が木少谷と同じ系統でチャラそうに見える。
「俺はいるけど、他校。」
答えたのは、快人と同じチームB所属で外部組の平得輝政。
因みにテルと呼ばれている。
「俺はこの前別れたばっか。」
もう気にしてないといった感じで明るく言ったのはチームA所属で外部組の浪越大輔。
因みに浪越と平得は同中出身らしい。
「まじかぁ。じゃっアイと一緒だな。アイも春休みに別れたばっからしいし。」
「コウ、勝手にバラすなよ!」
今アイと呼ばれたのはチームA所属の英多久遠。
クォーターらしく身長も高くキレイな顔立ちをしている。
「壱岐はデートってさっき聞いたし…蒼海は?」
「コウ、そんなデリケートなこと聞いちゃダメだってー。」
木少谷はなんなんだ。
「オレは…別に。」
声が小さくなってしまう快人。
「コウ。オーミは今時珍しい女嫌いなんだって。」
木少谷が余計なことを言う。
「まじ?お前勿体ないよ、それ。」
南向が心配そうに快人を見る。
「とかいってー、新だって今彼女いないじゃん。」
「コウ、うるさいよ。」
急に会話に入ってきたのはチームS所属の芳我智慧。
女にモテそうな中性的な顔をしてる。
「チエちゃんについてはコメントを差し控えたいと思います。」
鴻池が急に改まった話し方をする。
「コウはどうせ自分の話したいんだろ。」
英多が呆れたように流す。
どうやら鴻池の彼女は3年の先輩で、めちゃくちゃ美人らしい。
「そういやさぁ、部内恋愛って有りなの?」
木少谷がバカみたいな質問をする。
「禁止はされてないけど、部活中に公私混同し過ぎるとチーム担当外されたりすることもある…なっ?」
南向が鴻池に同意を求める。
「だなっ。」
鴻池が恥じいるように同意する。
南向と鴻池は中等部時代に部内恋愛をしたことがあるらしい。
「さっすが内部組は詳しいんだなー。」
結局このメンバーで彼女持ちは、チームS所属の楊津梁太郎と鴻池、平得、壱岐の4人だけだった。
芳我については謎が残ったが、特定の彼女がいないだけ、らしい。
「そーいえばAにいるマネっぽい女のコって誰?ちっちゃいふわふわ。偶にSにも来たりするけど。」
芳我が思い出したように話す。
「チエ、話し掛けない割にはよく見てるなぁ。」
「アラ、うるさいよ。一応チェックしただけだもん。」
「なになに?タキのこと?」
タキ?
以前聞いたような…。
「結柴竜希。シマさんの妹。Aマネ決定!」
英多が芳我に教える。
「シマさんの妹かぁ。じゃあ手ぇ出せないねぇ。」
芳我が残念そうに唇を尖らす。
「出すなよ。」
楊津が芳我の頭を軽く小突く。
「えっ?出したらダメなの?」
浪越がびっくりしたようにポテトから顔をあげる。
「ナミ、急に入ってくるのな。なに?狙ってたの?」
木少谷がすかさず突っ込む。
「傷心には新しい恋かなーと。」
「ナミもかよ。」
「えっ!?アイも?」
「なになに?アイもナミもタキがタイプなの?」
木少谷はなぜかノリノリだ。
「俺結構タイプ。」
浪越がポテトを食べながら答える。
「俺は小さい子って壊しそうで付き合ったことないけど、タキは雰囲気とか合いそうなんだよね。」
英多がニコッと笑う。
「壊しそうとかこんな場所で言うなよ。エロいな。」
南向がすかさずツッコミを入れる。
「アイ、いつもそんな目で見てたの?」
木少谷が少しびっくりしている。
中学の時エロ系担当だったくせに。
「えっ?いつもじゃないけど…タキ背小さい割に胸有ると思う。」
「俺そんなつもりないのに…次タキに会ったら胸に目がいきそう…。」
木少谷がガックリしている。
「木少谷って絶対一度も女のコと付き合ったことないでしょ。」
芳我が木少谷をからかいにかかる。
「そ…んなわけないじゃん?なぁ、オーミ。」
木少谷が快人の肩に手を置いて必死に目配せしてくる。
けど、さっき余計なこと言ってたし。
「オレ、ホイに彼女ができた話一度も聞いたことない。」
「オーミ、ばらすなよ!」
木少谷がふざけてオレの首をしめようとする。
「まっ、高一だしぃ、これから入学式だし?新しい出逢いもあるんじゃない?」
芳我が他人事のように言う。
まさか女の話…っていうか所謂恋バナ?に発展するとは…。
やっぱり高校生ってそうゆうものなのか?
木少谷は相変わらず阿呆だったけど。
南向、芳我、楊津、英多、鴻池は中等部時代チームSジュニアに所属していたらしい。
中学時代、翠鳳の試合を観たり、会場で擦れ違うことはあっても、対戦はしたことが無かった。
浪越と平得の中学は翠鳳中等部と対戦したことがあるらしい。
部内には他にもチームSジュニア出身の内部組がいるのに、そいつらを押しのけて浪越、木少谷、梶呂、平得、壱岐、オレが上位チームに入れたのは意味があると思っていいはずだ。
尊敬する栖葉さんは勿論、先輩達だっているし、上には上がいる。
俄然やる気が湧いた。
読んでくださりありがとうございます。
少し短いですが、文字数とキリの良さでここまでにします。
それにしても…登場人物多いですね(ーー;)
主要人物はあの辺りなのでサラッと流してください。