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初めまして。
見付けてくださってありがとうございますm(_ _)m
拙い文章ですが、生温かく長い目で見守ってください。
※この第1話は初投稿してから少し加筆修正をしています。次話からも少し加筆修正をする予定です。公開中の話を全て編集完了致しましたら、このコメントは削除します。
◆ ◆ ◆
桜の舞い散る中
あいつは笑ったんだ。
オレに向かって。
***
オレには嫌いなやつがいる。
同じクラスの結柴竜希(きしばたつき)。
女なんてどーせ、背が高くて、優しくて、頭が良くて、顔が良い男が好きなんだろうさ。
オレはまだまだ成長期だし、これからあと20㎝は伸びる予定だし!
それにやっと尊敬する栖葉さんと同じチームでプレーできるし!
すっげー楽しみだ!!
「おい、オーミ聞いてんの?」
教室の自分の席から窓の外を眺めていた蒼海快人(おうみかいと)は杪谷樹羅(ほいたにきら)に呼び掛けられた。
「おう。」
快人の前の席の椅子に跨がるように座って、快人の方を向いている杪谷は小学生の頃からの腐れ縁だ。
「てか、窓の外何かあんの?もしかして美人でもいる?」
「はあ?」
突拍子も無い発言に思わず大声になる。
「ずっと見てたじゃん。真剣に見つめちゃってー。」
「ちげーよ。」
「ほんとかあ?」
杪谷は快人をからかい半分で揶揄する。
杪谷は快人が女嫌いだと知っているから。
「ただ、栖葉さん見つけただけ。」
「へっ?」
杪谷には予想外だったのか間抜けな顔をする。
「何か言えよ。」
「まぁ栖葉さんはすげー先輩だけど、俺は男に興味ないから。」
「はあ?」
快人は少しムッとする。
「オレだってねーよ。」
「ほほぅ。じゃあ合コン行こうぜ。やっぱ高校生は恋愛しなきゃだろ。中坊より大人の恋愛。」
「はあ?」
杪谷の発言にますます顔を歪める快人。
「オレサッカーあるし。女とかどーでもいい。」
なんか面倒臭そうじゃん。
「まぁ確かに。俺だってサッカーある。しかしだ。」
杪谷は拳を握って熱く語ろうとする。
「世の中にゃ部活に励み、彼女とよろしくしてる男もいっぱいいるんだよ。」
よろしくって…。
「ホイさぁ…」
「俺だって高校生活満喫したいんだよ!」
「サッカーで満喫すりゃいいじゃん。」
「オーミ…それじゃあ中学ん時と変わんねぇよ。」
杪谷の肩が落ちて力みが取れた。
「変わるって。すっげー奴がいっぱい集まってるぞ。まずはSに入ってレギュラーにならなきゃ!」
「わかったって蒼海君。」
「楽しみだな。」
「ああ。」
快人と杪谷は互いにニヤッと笑った。
窓の外には、さっきまで快人に見えていた、凜斗と並んで歩くもう一人の姿が見えなくなっていた。
***
あれ?
あれって栖葉さんじゃん。
栖葉さん家ってこの辺なのかな。
快人が尊敬する憧れの存在である栖葉凜斗(はらなりんと)が、向かいの通りの本屋から出てきた。
入学式はまだだけど、部活は明日から始まるし、挨拶とかしても大丈夫かな。
横断歩道の信号機がもうすぐ青に変わる。
凜斗が後ろを振り向いて立ち止まる。
誰かと一緒なのか?
本屋の自動ドアから白いワンピースを着た少女が姿を現す。
髪の毛が太陽の光を反射して色素が少し薄く見える。
ふわふわの髪の毛が彼女が歩く度に揺れる。
快人は首を傾げた。
栖葉さんに妹はいなかったはずだけど…。
凜斗が左手を差し出すと彼女が右手で掴む。
うわっ。栖葉さんの彼女とか?
だったら挨拶とかできないし。
凜斗が優しそうに笑う。
普段の強面からは想像できない顔だ。
凜斗は180㎝超えの長身だから、彼女と並ぶと頭1つ分以上差がある。
信号機が青に変わった。
快人は横断歩道を渡り始める。
凜斗と彼女は交差点を左折したので横断歩道は使わなかった。
少しだけ近付いた時に、凜斗の身体に隠れていた彼女の顔がチラッと見えた。
快人は彼女を知っていた。
あの時の女だ。
***
私立翠鳳(すいほう)学園高等部受験者合格発表当日。
快人の地元であるここ緑ヶ丘に、堂々とした存在感を放って設立されている翠鳳学園。
中高一貫教育の進学校だが、高等部からの外部受験者も募集している。
また、文武両道で部活動にも力を入れており、特にサッカー部は国立競技場の常連校なので、かなり優遇されている。
卒業生には海外で活躍している有名人もいるらしい。
元は男子校として創立され、快人が生まれる何十年も前に共学になっている。
数年前に校舎や設備が一新されてから、さらに入学希望者が年々増加している。
現在は、最寄りの緑ヶ丘駅から徒歩約10分の広い敷地に、中等部と高等部が隣接していて、さらに道路を挟んで向かい側に講堂やスタジアムまで完備している。
創立者の理念なのか、何代か後の理事が大の蹴球贔屓で築いたのか、嘘か真か地元では有名な噂だ。
合格発表はインターネットでも調べられるらしいけど、やっぱり自分の目で掲示板と睨み合って受験番号を見つけるのが醍醐味かな…とか。
受験勉強は必死にやったから受かってる自信はあるけど…万が一ってこともあるし。
快人は午後4時にここに来た。
張出しは午前8時からだったので、この時間に見に来る受験生はほぼいない。
余程結果に自信が無い者か、人混みが嫌いな者か、寝坊した者か。
張出しは午後5時までなので、時間内と言えば時間内になる。
快人は翠鳳学園の東側にある正門を通って、合格者が発表されている掲示板がある、正面玄関前へ歩を進めた。
掲示板の前には一人の後ろ姿があった。
3月でも少し肌寒いからか白いコートが揺れていた。
肩口より少し下まである髪の毛はふわふわで、太陽の光に反射して少し栗色の髪の毛がキラキラ輝いていた。
彼女が向かって右側に立っていたので、快人は左側に並んだ。
翠鳳学園高等部は、生徒数が中等部の倍になっており、高等部からの外部受験者は競争率約7倍。記念受験をする物好きもいたりする。
この掲示板には外部受験組の合格者しか張り出されておらず、約120名分の為、時間もあまり掛からずに確認できそうだ。
快人の受験番号は『214』だったので、取り敢えず2列目から探す。
2列目の1番上が『137』だったからだ。
……『178』『199』『210』『214』……
よっし!
オレの番号はあった。
快人はもう一度受験票の受験番号と照らし合わせて確認する。
『214』間違いない!
よっしゃあ!!!
やはり競争率7倍突破は嬉しいものなので、快人は心の中でガッツポーズをしまくる。
心に余裕の出来た快人は後ろの番号を確認する。
快人が通っていた緑ヶ丘(みどりがおか)中学校から、翠鳳学園高等部を受験した者は50人くらいいたらしいので、どのくらい受かっているか確かめたいのだ。
……『214』『226』『255』『259』『281』『282』『298』……
オレが『蒼海』で始めの方だから、結構悲惨だな。多分同中で受かった奴4~5人だ。
補欠合格者なども張り出してあるのか気になった快人は、右側に目を向けてみる。
すると、右側に居た白いコートの少女と、快人の目が合ってしまった。
そういえばこの女ずっと右端を見ていたし、まさか補欠合格者とかか?
補欠合格者だとしたら微妙だな-。
快人は自分が合格しているので心に余裕が出来ているが、彼女のことまではわからない。
まぁ目が合ったとしても逸らせばいい話だし、普段のオレだって女とわざわざ関わらないし。
「Congratulations on passing the entrance exam.」
流暢な英語だった。
「あぁ、Thank you.」
快人は釣られて英語で答えてしまった。
「あなたが嬉しそうな顔をしたのを見てしまったんです。だからおめでとうございます。」
彼女が笑った。可憐な声だった。
「えっと…あなたは?」
あまりにも流暢な英語の発音だったので、快人は相手が補欠合格者かも、という懸念を忘れてしまった。
「あたしはここです。『1002』」
彼女が掲示板の数字を指差す。
4桁の受験番号とかあったのか。
彼女が指した場所を見ると、上に『帰国子女枠』と記載されていた。
因みにその下に『補欠合格者枠』があった。
「おめでとうございます。」
快人は素直に言えた。
「Thank you.あなたの番号は?どこにあったの?」
快人は今し方見ていた、左から2列目の『214』を指差した。
「214番?本当に!?Wow!Marvelous!」
彼女は突然テンションが上がったようだ。
「My birthday is February 14.」
また英語になってるし。
誕生日とか興味ないんだけど。
「すごぉい!偶然!214なんて。」
彼女は相変わらずテンションが高い。
「ここで会ったのも何かの縁かも。あたしは―――やっぱりやめる。また会えるから。その時にお互い自己紹介しましょう。その時まで。」
彼女は右手を差し出した。
どうやら握手のようだ。
流石は帰国子女と言うべきか。
普段の快人なら絶対そんなことをしなかっただろうが、快人も右手を出して彼女の手を取った。
「Good-bye till we meet again. Good luck.」
彼女はそう言いながら握手した快人の右手を引っ張って、快人の右頬にキスをした。
快人は驚きすぎて思考が停止してしまった。
彼女は手を放して駆け出すと、校門に続く桜並木の中で立ち止まって、振り返った。
桜が舞い散る中、彼女は笑っていた。
快人に大きく手を振りながら。
快人は呆けた頭でそれをぼーっと眺めていた。
「帰国子女だから頬にキスは挨拶だよな、うん。」とか考えながら。
彼女は校門前に待たせていたらしいタクシーに乗って去って行った。
取り残された快人は「何者だ?あの帰国子女の女は。」とか、まだ回らない頭で考えていた。
午後4時のここを訪れた快人だったが、時計を見るとまだ10分も経っていなかった。
それが、オレとあいつとの初めての出逢い。
名前も知らない出逢いだった。
読んでくださってありがとうございましたヽ(≧▽≦)/
一応気を付けてはいますが、誤字、脱字、ミス変換やおかしな日本語などお見苦しい点の数々申し訳ないですm(_ _)m
マイペースに更新していければ良いのですが。。。
実はこのお話の原案ができたのはもう5年以上も前でして…( ̄。 ̄;)
その後年単位でブランクがあったりなんだりで、少しずつ書き溜めていたものを加筆修正して投稿致しました。
5年もあればその間に世の中も変化する訳で…(O.O;)(o。o;)
作成した資料や設定を見直しまして、初投稿してから編集致しました。
読み直さなくても特に問題は無いかと思います…多分(^^;;
少し説明が増えていたり、表現が変わっているくらいです。
それにしてもこの編集作業…要領を得ていなくてかなり悪戦苦闘しました。
改行とか改行とか改行とか。ルビ機能とか。
改稿にあたりましては、改めて日本語の難しさを痛感致しました。
皆様すごいですね!尊敬します!
長々と後書きを読んでくださった方、本当にありがとうございました_(_^_)_