1-7 採集クエスト
ログインすると、そこはログアウトしたのと同じ冒険者ギルド前の広場でした。
▶配信を開始しました
はい配信開始。
『おっ、配信再開した』
『初見です』
『アリーシアちゃんはお昼ご飯何食べたの?』
「お昼はほうれん草とベーコンの和風パスタでしたよ」
『いいなー。美味しそう』
『俺カップ麺』
『アリーシアちゃんの手料理Fooooooo!』
『コンビニおにぎりと野菜ジュース』
『ファミレスでチキン南蛮定食食ってきた』
『白米と鯖缶こそ至高』
私が作ったわけじゃないんですけどねー。
なんだかコメントが今日の昼食発表会になってきたので、ぼちぼち話を進めましょうか。
「さて、午後は予定通り採取クエストですね。内容的に多分地味な絵面になるとは思いますけど、そこはご了承ください」
カメラに向かってそう告げ、さくっとフィールドへ移動。
相変わらず私以外のプレイヤーがいない草原に出ると、まずはメニューのクエスト一覧で採取クエストの内容を確認します。
「まずは1番ポピュラーっぽい薬草からですかね」
手前に表示したウインドウで採取物の詳細をチェックしつつ、ぐるりと周囲の地面を見回して――
「あ、発見」
あっさり目的の物を発見。
『早っ』
『探索開始から10秒も経ってないww』
……うん。思った以上に簡単に見つかりましたね。
一応プチッと回収した後、〈鑑定〉スキルで確認してみます。
[素材]薬草
癒やしの力を持った野草。ただし苦い。回復薬の原料。
薬草で間違いないですね。
依頼の達成にはまだ本数が必要なので、この調子で採取していきましょう。
▶スキル〈採取〉がアンロックされました
数本薬草を回収した時点でピコンとアナウンスが流れました。
種族的に適正があったのか割と簡単に解放されましたね。
早速習得可能スキル一覧を開いて、さっきアンロックされたばかりの〈採取〉を選択。有効化に必要なSPは1ポイントですか。まぁ初期スキルですしね。
ちなみにこのゲームのスキルはプレイヤーの行動やレベルアップなどで習得可能な状態になり、レベルアップ等で手に入るSPを使って有効化することで効果を発揮するようになるというシステムになってます。
高ランクのスキルになるほど有効化に必要なSPが多くなるらしいので、無闇矢鱈とスキルを取っていくと後で必要なポイントが足らずに困ることになりそうですね。
とりあえず〈採取〉については元々覚える予定でしたし、さくっと有効化して、っと。
「おお……なるほど。こんな感じになるんですか」
『???』
『何か変わった?』
ああ、配信だと伝わらないんですね。
「えーっと、スキルを取ったおかげで、採取物がありそうな場所が何となく分かるようになりました。具体的には木の根元や地面に視線を向けた時に、採取可能な物があると『あ、あそこに何かあるな』っていうのが分かる感じですね」
前にテレビの番組で四つ葉のクローバーを見つけるのがやたらと上手い人が出てましたけど、ひょっとしたらあの人もこんな感覚を持ってるのかもしれません。
『へー』
『スキルすげー』
というわけでフィールド上の気になるポイントを中心に探索して回った結果……まぁ出るわ出るわ。薬草や鳥の羽といった採取依頼が出ていた物をはじめ、キノコ、石、野草といった諸々まで。中には何に使うのかよく分からないアイテムもありましたが、気にせずインベントリに放り込んでおきます。
「ふぅ。とりあえずこんなところですかね」
平原で採れるアイテムをあらかた回収したところで探索終了。
もっと〈採取〉のスキルレベルが上がれば採れる物が変わってくるかもしれませんが、その辺りはボチボチやっていけばいいでしょう。
「…………ん?」
『うん?』
『なんか暗くなってきてね?』
採取物を確認して視線を上げると、確かに周囲が暗くなってきてますね?
「これは……ああ、もう夜ですか」
メニューからゲーム内時間を確認すると、もうすぐ夜になることが分かりました。
一般的なRPGだと夜間は敵が強くなったりすることが多いですけど、このゲームだとどうなってるんでしょうね?
ちょっとヘルプを開いてみましょう。
※夜について
このゲームには昼夜の概念があり、時間帯によってNPCの行動が変わります。
また、フィールドでは出現するモンスターが変わったり、行動パターンが変化したりすることがあります。
昼に比べて夜は視界が悪化するため、〈暗視〉などの暗闇を見通すスキルを持っていない場合は松明やランタンといった照明用の道具を用意した方が良いでしょう。
なるほど。
出現するモンスターの種類と行動パターンの変化、暗さによる視界の悪化ですか。
前者はともかく後者は怖いですね。被弾するリスクも増えますし、素直に集落に帰って明かりを準備するとしましょうか。




