1-19 現実世界にて ~リザルト~
「ふぅむ……」
ログアウト後、部屋を出てリビングへとやってきた私は、エナジードリンク片手に携帯端末でマーダーラビット戦のリザルトを確認していました。
まずシークレットクエスト達成の報酬。
クエスト欄には『???』と書いてましたが、これはマーダーラビットの魔石でした。
魔石は結構なレアドロップっぽいのでラッキーでしたね。
次に称号の〈格上殺し〉。
これは自分より格上の相手を倒したら手に入る称号らしく、効果に関しては以下の通り。
※格上殺し
自分よりレベルが5以上のモンスターをソロで討伐した者に贈られる称号。
効果:プレイヤーのレベル以上のモンスターに対しての与ダメージが5%増加する。
プレイヤーのレベル以上のモンスターからのヘイトを集めやすくなる。
一部NPCとの会話で補正がかかる。
格上の敵に対してダメージが増える代わりに狙われやすくなるという、メリットとデメリットがある称号ですね。タンク系のキャラだとどっちもメリットですけど。
レベルが一気に2つ上がったことに関しては、まぁ相手が格上だったからでしょう。〈格上殺し〉の説明によると最低でも5レベル以上は上だったみたいですし。
新しく解放された〈集中〉については、マーダーラビット戦でずっと集中状態でしたからね。役に立ちそうな予感がするので有効化しておきます。
そして最後にマーダーラビットのドロップ品について。
1つは『高品質な兎の毛皮』。
Gラビットより防御力が高いマーダーラビットの毛皮ですし、これで防具を作ったら性能の良い物ができると予想できます。
で、今私を悩ませているのはそれとは別のもう1つのドロップ品。
[武器]首切り包丁
マーダーラビットが使っていた包丁。
攻撃力+20
特殊効果:首に対する攻撃の際、ダメージに補正が入る。
マーダーラビットが使っていた包丁。
カテゴリ的には短剣になるみたいなんですけど……攻撃力といい特殊能力といい、双剣から短剣使いに鞍替えしてもいいかな、と思ってしまう程度には性能が良いんですよね。
とはいえ、ここで装備を短剣に変えると《ウエポンパリィ》が使えなくなりますし……うーん悩ましい。
「とりあえずギルド長に相談してみましょうか」
◆◇◆◇◆◇◆
というわけでログインして冒険者ギルドへ。
「こんにちはー」
挨拶しながら冒険者ギルドに入ると、相変わらず誰もいない室内でギルド長が――なんか妙な顔でこっちを見てますね?
「ギルド長? どうかしました?」
「ああ、集落の連中からお前がマーダーラビットについて聞いて回ってたって話を聞いてな。てっきり挑みに行ったのかと思ってたんだが……」
「行きましたよ?」
「行ったのかよ!?」
え? なんで驚かれるんですかね? 行くって言いましたよね私?
「いや……そもそも行ったからってアイツが出て来るとは…………出てきたのか?」
「ええ。ある程度出現条件を予想できたので。あ、それについては後で説明しますよ」
周知徹底しておけば集落での犠牲者が減りますからね。
「それは有り難いんだが……。じゃあお前マジでアイツと戦って…………無事だったん、だよな?」
ああ、そういえば前回は首切られたって報告したんでしたっけ。
「ええ。ちゃんとウッサウサにしてやりましたよ」
親指を立てて笑顔で答える私。
そしてそれを見て何故か呆れた表情を浮かべるギルド長。
なんなんでしょうねその反応?
「まぁ、それはともかくちょっと相談したいことがありまして」
というわけで、かくかくしかじかと悩んでいることを説明します。
「なるほど。これがマーダーラビットが使ってたっていう短剣か。確かに業物だな」
「ええ。性能的に見れば短剣使いに鞍替えしてもいいかなっていうくらいに強いんですけど、個人的には今の双剣を使ったスタイルが良い感じなのでどうしたものかと」
「どっちかっつーと俺らは短剣の方が相性が良いんだが……まぁ、どうしても双剣がいいってんなら方法が無くもない」
「おお、本当ですか?」
流石困った時のギルド長。頼りになりますね。
「つっても話自体は難しくない。片手剣カテゴリでまったく同じ武器が2本あれば、それを〈鍛冶〉スキルで加工して双剣にすることができるんだ」
「ほほう」
つまり短剣でありカテゴリ的には片手剣の1種でもある首刈り包丁がもう1本あれば、双剣としてリメイクできるというわけですね?
「ホントに分かってんのか? もう1本この武器を手に入れなきゃいけないってことだぞ?」
「え? マジでやんの?」って顔でギルド長がこっちを見てますけど、もちろんやりますよ。やるに決まってるじゃないですか。
首切り包丁のドロップ率がどれくらいかは不明ですが、幸いマーダーラビットの出現条件はある程度分かってますからね。あとは数をこなせばいいだけですし。
よーし、そうと決まれば早速行きましょう。
ウサギ狩りの時間ですよ!!




