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わたくし悪役令嬢ですから  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

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 卒業生を代表し、また今日この瞬間まで生徒会長でもあるオリオン王太子が、挨拶のためステージに向かう。表向きはこの舞踏会の開幕を告げる挨拶。だが真の意図は、悪役令嬢への断罪&婚約破棄、そしてヒロインとのゴールインなのだ。


 こうなると分かっていた。心の武装だってしている。それでも……。


(心臓がまさに早鐘を打っているわ。まさかこんなに緊張するなんて)


 息苦しく感じる。深呼吸をしないといけない。


「まずは今日、王立オリオン学園を卒業する生徒の皆さん。卒業、おめでとう。この学園で三年間学んだこと。築いた友情。様々な経験。それらはきっと、卒業後も役立つだろう。君たちのますますの活躍を願わずにはいられない」


 心臓が一際ドクンと大きく脈打つ。


(いよいよだわ。この次に『ところで――』ということで、わたくしの悪事が明かされる……!)


「ところで」

「ちょっと待った!」


 声をあげたのは、ちょい悪な騎士団長の息子のフィレオ・エヴァン。着崩したワイン色のテールコートを着たフィレオが場違いに声をあげる。これを見た生徒も教師陣も「またか」という表情で、止めたり咎めたりする者はいない。つまりこの学園では問題児で不良扱いのフィレオが何かしたところで、するならさっさとどうぞ――という対応だった。


 これに焦るのはわたくし!


(なっ……なんでここで「ちょっと待った!」なんですの!? 昭和懐かしい恋愛バラエティ番組ではないのですわよ! ここで待ったをかけて、何をするおつもり!? ここは正しいシナリオの流れで、オリオン王太子が断罪をスタートさせないと、とんでもないことが起きますわよ!)


 キッとフィレオを睨むと、なんとフィレオもわたくしを睨んだのだ。


 これにはもう、ビックリ!


「卒業。セレモニーとしては最高だよな。学園での三年間は綺麗な思い出として胸にしまい、卒業後は新たな気持ちで生きていきましょうって」


 フィレオが語り出し、わたくしは何が何だか分からない。しかもわたくしを見たまま語り出したのだ。生徒たちもそれに気が付き、フィレオとわたくしを交互に見ている。


「だがな、この三年間に起きていた悪事に目をつむるわけにはいかねぇ。ここにはお天道さまに顔向けできない生き方をしている性悪令嬢がいるんだ! 表向きは品行方正で薔薇姫なんて呼ばれているが、その正体は意地の悪い悪女!」


 これには「えっ……」とわたくしから呟きが漏れてしまう。


(どうやらフィレオはわたくしの断罪を始めるらしい。でもなぜ? 攻略対象の一人ではあるが、ヒロインに選ばれたのはオリオン王太子だ。この場で断罪するのは彼であり、フィレオではないのに……)


 突然語り出したフィレオはそのままオリオン王太子が明かすべきことを口にする。


「この国の王太子の婚約者であり、公爵令嬢でありながら、ウェンディ・シェイ・アメリカーナは王立オリオン学園唯一の平民であるフェルチェ・ポメリー・マクドナルト嬢に対して、嫌がらせを重ねている!」


 この突然の指摘に生徒はもちろん、教師陣もざわめく。


「俺が知っている公爵令嬢の嫌がらせ、それはお茶会だ!」


 チュロ子爵令嬢らわたくしの取り巻き令嬢たちが「ええっ」と驚きの声をあげる。


「この女は、薔薇姫会なるお茶会を毎週水曜、ガゼボで開催している。常連組の令嬢に加えて、毎週ゲストで数名の令嬢を招いているんだ。だがマクドナルト嬢だけが、一度も招待されていない! ただの一度も、招待していないんだ! マクドナルト嬢は転校してきた。それでも約二年はこの学園にいる。誘えるチャンスはあったはずなのに。他の令嬢は二度三度招かれている者もいるのに。マクドナルト嬢だけが一度も招待されずにこの日を迎えた。ひどいと思わないですか、殿下?」


 これには生徒たちも教師たちも「そうなの?」という感じでざわついている。半信半疑、という感じだ。


 オリオン王太子は表情を変えずにフィレオの話を聞いていた。驚かないということは、やはり事前にわたくしのヒロインへの嫌がらせの数々を聞かされていたように思える。


「それを言うなら、アメリカーナ公爵令嬢はもっと酷いことをしているな」


 フィレオに続いて声をあげたのは、宰相の息子の頭脳派スロー・エリアス・リング!


「アメリカーナ公爵令嬢は、マクドナルト嬢の教科書をこともあろうに取り上げた。そして代わりに庶民が読むようなレベルの低い本を渡したんだ。アメリカーナ公爵令嬢は王太子妃教育を受けているような才女。まるでマクドナルト嬢を馬鹿にするような行動だ!」


 これには「もし事実なら勉強の邪魔をしたということ?」「教科書を取り上げるなんて酷いわ」とささやきが起き、教師陣からは「これが事実なら由々しき事態」という声が出ている。


 わたくしとしては、フィレオに続き、スローにまで断罪されて、正直心の防御が揺らぐ。


 前世でプレイしていた乙女ゲームのシナリオでは、悪役令嬢の罪を問うのは、どのルートでも一人だった! 王太子攻略ルートなら、オリオン王太子がヒロインへの嫌がらせを問い、婚約破棄を告げる。フィレオ、スロー、マック、それぞれの攻略ルートでも、罪を問うのは、そのルートで男主人公となる令息一人のみ! オリオン王太子は罪を問う声を踏まえ、ただ「残念だよ、アメリカーナ公爵令嬢。君との婚約は破棄させてもらう」と淡々と告げるだけだった。


(まさかの二人から罪を問われるなんて……!)


 まったくの想定外だった。


お読みいただきありがとうございます!

ついに断罪が始まりましたよー!

想定外で大ピンチ!

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