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タイトル未定2025/10/07 19:23

 彼の名は宮浦三貴。身長175cm、体重はひ・み・つな乙女ではない、しがない高校二年生である。ちゃんとネクタイを緩めに戻して、朝の通学路を欠伸しながら歩く、ちょっとチャラい? 17歳である。

 もちろんこんな高校生はどこにでもいるので、このような文章の朝は曲がり角で美少女にぶつかるのであった。


 「ご、ごめんなさい!」きゅるきゅる上目遣いの女子高校生。制服の色が違うので、明るいので、別の学校の女の子のようだ。

 「ちゃんと前見て歩けよ」と言ったのは三貴ではない。そこら辺のサラリーマンである。


 では肝心の三貴は?――無視。なるほど、この小説のジャンルはラブコメではなかったらしい。その女子高校生はぷくっとしてどっかに行ってしまった。


 「くだらね。朝は白米だろ」

 「なら茶碗持った女の子だったら優しくしたのか?」

 「しねえよ」

 「だろうな!」


 とやってきたのは三貴のたった一人の友達、渡部信二である。胸元がちゃんと開いた、屈強な185cmの坊主である。今日も仲良く肩を組む。が、三貴にあしらわれる。


 「暑苦しい」

 「もう十月で涼しくなってきたろ?」

 「お前はずっと夏なんだよ」

 「お、うまいこと言うじゃん」

 「は?」

 「球児ですから。」

 「……そうか」


 到って三貴は冬である。二人合わせてガリガリ君みたいだ。

 となると通学中の小学生も赤信号より、花より団子、団子よりガリガリ君。よそ見して、横断歩道を歩いてしまった――そこに獰猛な異世界特急便のトラックが。


 「きゃ、きゃあああああ!!」


 宙を舞った赤いランドセルを信二がキャッチ

                     三貴が小学生を抱きかかえて倒れていた


 「う、うぷっ――痛い」三貴は突進のあまり、頭を電灯にぶつけたようである。

 「お兄ちゃん、ありがとう!」にっこにっこの女児。

 「礼はいいから。気を付けろよ」落ちた女児の帽子を不器用に被せた三貴であった。


 「ろーりーこーん?」信二はランドセルを渡しながら、にやにやした。

 「うるせえ」


 運転手がうようよ出てきたが、しっしと手を振って追い払う三貴の塩対応。

 ともあれ三貴は通学路を進んでいった。というか学校に付いた。


 というか担任の元気でボブカット若妻の「あれ、宮浦君、ボロボロじゃん。保健室いきな~」を無視して、眼鏡の数学教師の「おい渡部! ガリレオするな! 問題を解け!」「いや、解いてるんですけど」を秋の空、歴史の禿の「だからアマテラスが~」を眠りこけ、なんやかんやあって昼休み。


 屋上の風に吹かれながらいちごミルクをズルズルと飲むのでした。ペットボトルを、、””ストローで!!””


 「おい三貴~今日もブロッコリー残してんぞ~」

 「後で捨てる」

 「それ残してるって意味だからな?」


 ~そよ風吹く~靡く髪はさらさら、制服はボロボロであるが。野球部の野郎が下から今日は外練で、うんたらかんたらと、信二に叫んで、信二も「わかったわー」と。相も変わらずこいつらはうるさいもんだと、呆れる三貴であった。


 「お前だってやれやればっかしてんぜ~」おらおらとまた肩を組んでくる。

 「絡んでくんな」さっと振り払う。

 「いつも思うんだけどよ、振り払うの上手いよな。それに今朝だって、まるでメジャーリーガーの盗塁みたいに子供助けちゃってるよな」

 「長い」

 「つまり、野球部入ん――ぬ? あれ? どこいった?」


 やれやれと、いちごミルクのペットボトルを体育館の入り口辺りにあるゴミ箱に投げ入れたのでした、、、外しました。拾いました。入れました。わかりにくいので補足しますと、屋上から一階の体育館の外にいました。

 それでそこでまた、変な声が。


 「おいぃ、あれ持ってきたんだろうなぁ?」リーゼント。

 「まさか忘れたとは言わせんぞぉ?」モヒカン。

 「ふん、持ってねえならやるしかねえな!」ロン毛。


 「ご、ごめん! 明日持ってくるから! 殴らないで!」165cmの男子。見るからに弱そうなボンボンヘア男の娘。


 その絡まれているのをジローっと見る三貴。それに気づいた、ボンボン。でもじーっと眺めているだけ。


 「締め切りって知ってるぅ?」フランスパン。

 「守んないと社会でやってけねえの!」ウルトラセブン。

 「ふん、持ってねえならやるしかねえな!」三井。


 「うわ! うわあ! た、たすけて!!」


 ついにボンボンは三貴のほうへ。三貴は、、、逃げるのも面倒だったようだ。

 不良三人、例のごとく「ナニミテンダァ」をする。三貴はまぁ、めんどうに「カツアゲか?」と聞く。なお、聞くだけである。


 「なんだ。偉そうに。ぶっころされてえのか?」

 「カツアゲじゃねえよ。約束したんだよ、なぁ、長野?」

 「ああ――マリアたんの限定フィギュア――持ってねえなら、やるしかねえよなぁ!!!」


 三人殴りかかってくる。そして三貴は――逃げた。


 「ちょ、ちょっと! 助けてよ!」

 「嫌。だって関係ないし」

 「そんなこと言わずにさぁ!」

 「待てや!!!」追って揺れるリーゼントモヒカンロン毛。


 三貴の判断は実に合理的である。面倒ごとは避ける。逃げるのは卑怯だが、役に立つ。ので、例えば三貴がたまたまグラウンドに置いてあったハードルを飛び越えようとして、失敗して、それがつま先に引っかかって、たまたま、サッカーのオーバーヘッドのごとくハードルをニ三本、不良共に飛ばし、不良共を撃破しても、それは、、、なんなんだろうか。

 

 「く、くそ! こいつ。覚えてろよ!」

 「東条先輩に云いつけてやる!」

 「ベー!」


 「なんなんだ、あいつら」

 「た、助かったー! 助かった?」

 「じゃあもうめんどいから帰っていいか」

 「お礼させてよ――あれ? いない」


 ぷくっとせず、ほにゃっとするボンボン君でした。相変わらず逃げ足だけは速い三貴でした。盗塁王。


 つまり何があったかといえば、三貴はなんか、厄介ごとに巻き込まれやすい性格。呪い? なのでチャイムが鳴って、例のごとく担任の元気なボブカットが「あれぇ? 宮浦君、またボロボロになっちゃっててワロター!」とゲラゲラしているときに、ゴブッと扉を開けてきた195cmのゴリゴリの肉体、丁髷の東条がやってくるわけです。


 「おい、放課後、体育館裏来いよ」

 「うわー青春じゃん。じゃあすぐ帰りのホームルーム終わらせるから、待っててね!」


 となると律儀に待っている不良四人であった。

 のだが、すぐに鞄持って窓から逃走した三貴であった。


 もちろん、東条、追いかけてくる。が、三貴、もはや学校にいない。

 ではどこにいるのか?――――なるほど、ラビリンスフィールドである。


 「ああやっべ、ワープってなるとこういうとこに行くんだっけ」


 薄暗い石の通路、遺跡、ダンジョン? そこにうようよといる三、四体のスライム。まさしく、テレビでやっていたビルのラビリンスフィールドである。

 何が言いたいかというと、宮浦三貴は、つくづく厄介事とスライムに囲まれる性格の高校生ということでした。

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