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武装魔神レネルガン

作者: メカマニ

ロボットが好きなのでアイデアを形にしました

第一回始まりの時

■暗闇

姿が見えない謎の声「えらばれし者よ」

主人公・早見牧人「誰だ?」

謎の声「お前が使命を果たす時が来る。その時恐れるでないぞ」

牧人「だから誰なんだあんたは!」

謎の声「もうすぐわかる時が来るぞ、選ばれし者よ」


■主人公の自室

スマホの目覚ましのアラームが鳴る

それを止める主人公

牧人「ったく変な夢みせやがってクソ脳ミソ」

牧人が学生服に着替えていく。

牧人の母「早くしないと遅刻しちゃうわよー」

台所から母の声が聴こえてくる

牧人が制服に着替え終わり玄関へ向かう。

牧人の母の声「朝ごはんは? 食べないの?」

牧人「急いでるから今日はいいや。行ってきます」

主人公が家から元気よく出ていく。


■犯罪者のアジト

謎の男「人類なんてこの世に要らぬ。この光線銃で全員武器にしてやるのだ」

暗闇の中で巨大ロボットの眼が光る。

謎の男「さあ、闘いの始まりだ」


■中学校・玄関

牧人「やっと着いた。遅刻しないですんでよかった」

担任の中島先生が待ち構えていた

中島先生「ギリギリだけどな。もうちょい早く来れないのか?」

牧人「しょうがないでしょ。変な夢みたから」

先生「そうか。もう授業が始まるぞ。早く教室に入れ」


■放課後・商店街

牧人の友人・浅野雪彦「あーあ、なんか面白い事ないかな」

牧人「面白くはないけど変な夢みたんだよ、俺」

雪彦「なになに? どんな夢?」

電車の通った音で一時聴こえなくなる。

雪彦「へー、そんな夢みたのか」

牧人「変な夢だろ」

雪彦「これから始まる事件の前触れじゃね?」

牧人「そうかなぁ」

謎のしゃがれ男の声(巨大すぎる音の大きさ)「ご近所の皆さん、このドクター・バードが皆さんを武器にして差し上げますよ」

牧人・雪彦「?」

巨大な足音と共に牧人と雪彦の前にいかついずんぐりむっくりした巨大ロボットが現れた。ロボットの肩には黒ひげを生やし眼鏡をかけた男が乗っている。

雪彦「な、なんだよこれ? アニメの世界?」

バード「お、そこの少年たち。今から君たちを武器にしてやるからな」

ドクター・バードが持っていた銃を雪彦に向け発砲した。弾丸ではなく、光線が雪彦を貫く。

雪彦「うわぁぁぁぁ!」

雪彦が一瞬でオートマチックの銃へと「変身」した。人間サイズの巨大な銃だ。

牧人「雪彦!?」

バード「はい回収回収っと。やはり人間は信用できないからな。武器になった方が幸せなのよ」

 バードは雪彦の変身した銃をロボットに持たせた。牧人は腰を抜かして立てなくなった。

 それを見てバードが牧人に銃口を向けた。

バード「君も武器になーれ」

牧人「わぁぁ!」

バードの光線銃が牧人を貫く。しかし、何も起きない。

牧人「あ、あれ?」

バード「おかしい? なぜ効かない?」

謎の声「牧人よ」

牧人の夢に出てきた謎の声が牧人の頭に直接語りかけてきた。

謎の声「牧人よ。今が目覚める時だ」

牧人「え!?」

謎の声「炎の剣となれ、牧人よ!」

牧人の体が一瞬で渦巻く炎を纏った。やはり人間サイズの巨大な武器に「変身」したのだ。それは炎を纏った剣だった。

バード「なーんだ。今ごろ効いたか」

バードが安心したように呟いた。

謎の声「牧人、今迎えに行くぞ」

バード「え?」

空中から高速で近づいてきたそれは牧人が「変身」した炎の剣をしっかりと握りしめた。それはずんぐりしたバードが乗ったロボとは違うスマートな体型のロボットだった。背中に翼を生やし、牧人の変身ソードを持って構える。

謎のロボット「ドクター・バードよ! 私が相手だ!」

バード「えぇい。何者だ。名を名乗れ!」

謎のロボット「私はレネルガン。武装魔神レネルガンだ! お前を倒しに来た!」

バード「えぇい、ちょこざいな。この少年銃で倒してやる。ちょうどいい試し撃ちができる」

レネルガン「銃? これの事か?」

いつの間にかレネルガンが雪彦の変身した銃を持っていた。

バード「な、なんだと!?」

レネルガン「牧人、聞こえるか」

牧人「聞こえるよレネルガン。使命ってこれだったんだな」

レネルガン「ああ。君だけはあの光線銃が効かない『選ばれし者』なんだ。代わりに私の武器になってもらうが」

牧人「他の人じゃダメなのか。警察とか自衛隊とか」

レネルガン「しかたないのだ。ドクター・バードの操るロボには通常兵器ではかすり傷にもならないからな」

牧人「わかったよ。それなら協力する。俺の切れ味見せてやるからな」

レネルガン「その意気だ牧人、行くぞ!」

牧人「ああ、行こう。レネルガン!」

バード「えぇい、お前らやっつけてやる!」

バードの乗るロボがレネルガンに向けてつかみかかってきた。

 攻撃をかわしてレネルガンが牧人の変身したソードで敵ロボットを一刀両断する。

バード「うわーっ!」

 敵ロボットは真っ二つになり、明らかに戦闘不能になった。

バード「く、くそ。おぼえてろよ」

 ボロボロになったドクター・バードはどぶねずみのように素早く逃げていった。

レネルガン「さて、後始末しなくては」

牧人「後始末?」

レネルガン「警察や自衛隊がこの闘いに加わっても足手纏いなだけだからな。証拠隠滅をするのさ」

レネルガンが壊れたロボットに額から光線を浴びせた。するとロボットは光と共に消滅していった。

牧人「よかった」

レネルガン「次は私だが、姿を消すよ」

牧人「え? 何で?」

レネルガン「普通のヒーロー作品なら君がピンチの時私が助けるのだが、私達は逆なんだ」

牧人「そうかな」

レネルガン「君がいないと私は力を半分も出せない。誰が決めたかそういう仕組みだからな」

牧人「待ってくれ。別に側にいたって構わないよ。こういう闘いの時いつも一緒の方が都合がいいだろ」

レネルガン「……私は小型化できないんだ。車や飛行機や電車等に擬態もできない。子ども向けアニメのロボットとは違うんだよ。君の側にいる場所がないんだ」

牧人「そうなんだ……残念だけどしょうがないか」

レネルガン「ああ、……それと相談があった」

牧人「なんだよ」

レネルガン「牧人ソードでは名前がかっこよくない気がしてな。君に自分が変身した時の命名を自分自身でしてもらいたいんだ」

牧人「マキトソードじゃ確かにかっこよくないか」

牧人は頭をひねった。

牧人「フレイムソードはどうだろう」

レネルガン「フレイムソードか。気に入った! 今後ともよろしくな牧人よ」

 人間の姿に戻った牧人とレネルガンが握手を交わす。

レネルガン「そうだ。君の友人だが無事だよ」

 いつの間にか人間の姿に戻った雪彦だが気絶してるのか意識を失っていた。

 呼吸音からは危険な兆候は見られなかった。

レネルガン「長い闘いになるかもしれない。それでも一緒に闘ってくれるか」

牧人「ああ、もちろんだよ」

レネルガン「ではまた会おう。さらばだ」

レネルガンは高速で飛び立っていった。

雪彦「あ、あれ?」

目が覚めた雪彦が目をぱちくりさせている。

雪彦「あの変なロボットは?」

牧人「ああ逃げてったよ。なんか知らないけどすぐにな」

雪彦「そうか。ならいいんだけど」

牧人「これからだ。これからこそが勝負なんだ」

雪彦「何の話だよ」

牧人「い、いやこっちの話だよ」

雪彦「ふーん。まいっか。そろそろ帰ろうぜ」

牧人「ああ、そうだな」

第一回了

第二回狙われた中学校

■夢の中

姿の見えない悪魔の声「牧人よ、牧人」

牧人「誰だお前……」

悪魔「本当にレネルガンを信用していいのか? 奴はお前が変わった剣がなければ真価を発揮できない半端者だぞ」

牧人「それは……」

悪魔「私の方がレネルガンより上手くお前を『使える』ぞ」

牧人がそれを聞いてカチンときた。

牧人「人間は道具じゃない! お前みたいな奴に『使われ』たくないぞ!」

 そこで牧人の夢が醒めた。ベッドの上で汗で体がびっしょりだった。

牧人「くそ、今度は悪夢かよ」

 牧人はシャワーを浴びに風呂に行った。


■中学校・昼休み

牧人「(くそ、レネルガンにこちらからは連絡取れないのか。相談したいのに)」

昼休み給食の時間。みんなわいわい騒いでいる。

牧人が給食を食べながら一つため息をつく。

雪彦「おいどうしたんだよ牧人。元気ないぞ」

牧人「いや、悪夢見てさへこんでんだ」

雪彦「へーどんな悪夢?」

牧人「俺を『使う』んだってさ。人間を道具みたいに『使う』って言葉失礼な気がしないか?」

雪彦「そっか。でも社会人は平気でそういうらしいけどな」

牧人「大人は信用できないって事か」

牧人がまたため息をつく。

牧人「(こんな時レネルガンならなんて言うんだろうな)」

やがて給食の時間が終わった。


■放課後・教室

牧人「なあ、雪彦」

雪彦「なんだよ」

牧人「精神を強化するにはどうしたらいいと思う?」

雪彦「何の話だよ」

牧人「いや事情があって俺強くなりたいんだよ」

雪彦「なんかおかしいぞ。前にロボットが出てきてからお前変わったぞ」

牧人「そ、そうかな」

雪彦「ま、いい方にだけどな」

牧人「それは……」

しゃがれた大音量のドクター・バードの声「中学校全校生徒の皆さん。このドクター・バードが皆さんを武器にして差し上げますぞ!」

牧人「来たのか!」

牧人は急いで校庭に向かおうとした。

が、雪彦が肩を掴んだ。

雪彦「お前やっぱり隠してるだろ、何か」

牧人は躊躇した。全てを話していいものか。

牧人が決心する。

牧人「ついてきてくれ。全てがわかるから」


■中学校・校庭

ドクター・バード「さあいらっしゃい。次から次へと武器にしてあげますぞ」

しかし校舎からは誰も校庭に降りてこない。

教室の窓から皆様子を伺っている。

バード「きいっ、なんで来ないんだよ」

この前と違いバードはロボットに乗ってなかった。拡声器で話しかけてきたのだ。

牧人「(これなら生身でも対抗できるかもしれない)」

牧人は校庭の中央に陣取ったバードの前に立った。雪彦も一緒だ。

牧人「そこまでだ、バード野郎」

バード「お前はあの時の……レネルガンの武器野郎か!」

牧人「ああ、早見牧人だ。よろしく」

バード「名前などどうでもいい! 私の武器にならないのなら死ね!」

 光線銃ではなく実弾の入った銃を向けたバードだった。

 しかし発砲直前に牧人はフレイムソードに変身していた。燃え盛る炎の剣に実弾は効かなかった。

「来てくれ、レネルガン!」

叫ぶ牧人。しかしレネルガンは現れない。

「レネルガン……なぜ来てくれない」

 今朝の悪夢が頭をよぎる。やはりあの悪魔が正しいというのか。

バード「なぜだ。なぜこの銃無しで変身できるのだ!?」

炎の剣となった牧人に怖じけづいたのかバードは逃げようと走り出した。

牧人「(追うべきか? いや今はまだ深追いすべきじゃない)」

逡巡する牧人の炎の剣の姿に雪彦は目を爛々と輝かせた。

雪彦「スゲーじゃん! なんでそんな凄い変身できんだよ!」

牧人「変身といっても真価を発揮できるにはレネルガンの力が必要なんだよ」

雪彦「レネルガン……?」

牧人「(そうだ。レネルガン。なぜ君は来てくれないんだ)」

レネルガンを信用できかねなくなった時、空中から校庭に高速でシャープなデザインの黒い大きなロボットが現れた。レネルガンとは違い禍々しさに満ち溢れた見た目だが。

ロボットに乗っている者の声「ドクター・バードは弱い。私ドクター・ドラゴンこそが最強なのだ!」

レネルガンの声「それはどうかな!」

空中の空間からレネルガンが突如として現れた。

牧人「レネルガン! やっと来てくれたのか!」

レネルガン「牧人、すまない。自分より明らかに戦闘力が低い相手には戦闘してはいけないメカ生命体の掟があるんだ。だからロボのいないバード相手には手を出せなかった」

牧人「(そうか、裏切りじゃなかったか。よかった)」

レネルガン「フレイムソード、君の力貸してもらうからな」

牧人「ああ、力貸すぜ!」

ドラゴン「何をごちゃごちゃと……私のドラゴンライダーに叶う訳がないぞ!」

レネルガン「それはどうかな……一刀両断フレイムソード!」

ドラゴン「そんなバカなあ!?」

ドラゴンライダーが真っ二つにされる。

爆発せずに校庭にドラゴンライダーが落ちる。地震が起きたかのような揺れが生じた。

レネルガンが証拠隠滅の為のビームを放ち、またロボは消滅した。

レネルガン「また、君のおかげで救われたなありがとう牧人」

牧人「いいよそんなの。それより聞きたい事があるんだ」

レネルガン「なんだ?」

牧人「レネルガンは俺を、フレイムソードを『使っている』と思っているのか?」

レネルガン「違うぞ。一緒に闘う仲間を『使う』なんて思う訳ないだろ。協力する、かな」

牧人「……ありがとう、レネルガン」

その様子をぽかんと見ていた雪彦が話しかけてきた。

雪彦「牧人が炎の剣でロボットの武器な訳?」

牧人「ああ、そうだよ」

雪彦「普通逆な気がするんだけど」

牧人「しょうがないよ。運命なんだから」

レネルガン「そうだ。牧人、今回の事で戦闘力が低い相手には相手できない私に変わってフレイムソード以外の変身バリエーションを増やして欲しいんだ。白兵戦ができるように」

牧人「そうか。やってみるよ。これもまた修行だな」

レネルガン「で、今回の騒ぎだが……」

牧人「いっぱい校舎に人残ってたよ。どうするの?」

レネルガン「記憶消去ガスを使うから大丈夫だ」

雪彦「ちょっ、ちょっと待ってよ。俺の記憶も消すの? 仲間入りしようと思ってたのに」

牧人「レネルガン。勘弁してあげたら」

レネルガン「牧人がそういうなら」

雪彦「仲間に入れてくれるのか!?」

牧人「ああ、いいよ。俺の修行の相手もしてくれるだろうし」

雪彦「ああ、任せとけ。俺はこう見えてもスポーツマンなんだぜ」

雪彦との会話が一段落したところで

牧人「レネルガン……疑ってごめんな」

レネルガン「こちらこそ、しきたりをまず最初に話すべきだったかな」

牧人「これからも闘いが続くのかな」

レネルガン「ああ、ドクター・バードにドクター・ドラゴンまだまだ、敵は絶えないかもしれない。それでも闘おう。牧人」

牧人「ああ、レネルガンと一緒なら怖くないよ」

第二回了




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