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第8話 過去と未来⑤


「では、目的を整理しましょう。」


そう言って、グレースは馬車の中で地図を広げた。


「ほお…すごいな。

私のころはこんなものなど無かったぞ…。」


インディゴは感嘆する。


地図には、エルドラド帝国の領土が書いてあり、

王都を囲むようにして巨大な城壁がそびえている。


東には、山脈がそびえておりそこから流れる河の周りに

集落が点在している。そこら一帯に国はないらしい。


西には、広大な草原が広がり、いくつかの遊牧民族が暮らしているようだ。


南には巨大な崖が大陸を隔てており、その先には砂漠が広がっている。

どうやらまだ探索できてないらしい。


北はエルドラド帝国の国境沿いに森が広がり、

森の中には大小さまざまな廃墟が見える。

北の最果てには、ダンジョンが大量に密接してる地帯があるらしい。

その危険度故に立ち入りは禁じられている。


「今回私たちがインディゴ様を探していたのは、

此度の反乱に魔王が一枚噛んでいる可能性が高かったからです。」


「まあ、私の軍勢を使っている時点で

私と同じぐらいの力を持つ魔王ぐらいしかありえないだろうな。

魔王は同時に3人しか存在を許されないが、今は誰がいるんだ?」


「まず、狼王シュバルツ。

A級モンスターであるダイアモンドウルフやブラックウルフを配下に持ち、

西の草原を牛耳ってます。」


「ん~あいつは直接対決を好むから、こんな回りくどいやり方はしないと思うけどな。」


「次に金壺マクフィーン。

エルドラドのカジノの支配人であり、

彼が物を買うだけで物価が揺れ動くほど。

一説によればカジノのコインは負けた人々ではないかと…。」


「あいつは典型的な保守主義だ。

反乱なんてあやふやなものに手は出さん。

金こそがすべてだからな。」


「そして数年前に魔王になった…大臣スカーレット。」


「ハァ!?」


「どうしました師匠?」


「いや…なんでもない…。」


「…これがまた不思議なものでしてな、魔王として台頭した直後に

エルドラドの大臣になり、ありえない速度で権力を握ったのです。

最も怪しいのはスカーレットですが、大臣という立場ゆえに手は出せず…

とりあえずシュバルツとマクフィーンの2人から先に調べようと考えております。」


「なるほど、だから私なのか。」


「なるほどって、何がですか?」


「いいかべオよ、魔王というのは大きな共通の目的こそあれど

基本的には自分のためにしか動かん。

人付き合いなんてものはほとんどないのが当たり前だ。

だが魔王といえども、もとは人間、

情というのは少なからずある。

つまり…。」


「インディゴ様の名前が必要だったのです。

それに、先ほどインディゴ様の運命魔法を解析してみたのですが、

その能力は多岐にわたります。

おそらく、他人が持つ運命を奪うことができるのでしょう。

毒で殺される運命なら、「毒で殺された」という部分だけを奪い

他人に付与できる…これで合ってますよね?」


「ああ見事だ。

だけど、今の私が使える運命は数少ない。

まあ後は、運命というか…縁をたどることでそいつの位置を知れたりする。

それと回復魔法(ランク1だけ)に、基礎魔法に、決闘の式と…それぐらいだな」


「いえ、それだけあれば十分です。

シュバルツとマクフィーンの位置はわかりますか?」


「うむ。シュバルツは…ここだな。」


そう言ってインディゴは、西の草原の端を指した。


「ここで爆睡しとるな。呑気なものめ…。

マクフィーンはエルドラドの…うわぁ女囲ってら…。

うへぇ、知り合いのこんなところは見たくなかった…。」


「なるほど…感謝します。」


そう言ってグレースは窓を開ける。


「ご覧ください。」


グレースが指さした先には、雄大な街並みが広がっていた。

夕焼けを反射し、城も、街も、黄金色に輝いている。


「ここが、エルドラド帝国首都オーヴァルです!」


窓から身を乗り出しインディゴは息をのむ。


「…これが、アッシュの…。」


彼女は思い出していた。

自分が死ぬ間際にアッシュが言った言葉を。


「…インディゴよ、貴様がよみがえったときは俺の国に来い!

お前は驚くだろう、今までの数千年間あり得なかった、

絶対に見ることができなかった光景!それを見せてやる!」


「…あの小僧が…まさか本当に、やるとは…。」


そんな言葉を残して、馬車は城門を通過し、町の中に溶け込んでいった…。



























ここまでがプロローグの予定です。

長くて本当にすみません!

ここからも結末に向けて進む予定です!

これからもお願いします!

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