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魔王転生~勇者を求めて、魔王は旅をする~  作者: 壱田一
第2章 文明発掘鉱山/カイニ
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第2章第18話 作戦前夜①


夜に洞窟を抜け出し、エシュタリエさんと星空を眺めながら僕は次の作戦について話していた。


処刑将軍ハンニバル。

かってはカイニの軍人だったが、権力争いに敗れ何処か去っていった人物だそう。

しかし、征伐で一歩兵として将軍を討ち取る戦果を挙げたことで宮中へ帰還を許されたが、

その後処刑人たちがカイニへ侵略してきた際に、真っ先に裏切って英雄たちの器へ毒を持ったと言われている。その後もカイニ各地に隠れる有力者たちを処刑し続けたことから処刑将軍と呼ばれるに至ったそうだ。


エシュタリエは何か思い当たるものがあるのか、顎に手を組んで皺を寄せて唸っている。


「…ハンニバルおじ様。私が小さい頃にはよくしてもらっていましタ。

とても優しくて、奥様と生まれたばかりの双子を大切になさっていましタ。

処刑将軍なんて…私にはイメージできませン…」


「…できれば、僕も殺したくはない。

なぜ処刑人と手を組むことにしたのか、そこさえ分かればなんとかなるかもしれないのに……」


「…べオさん。私も、着いて行っていいでしょうカ?もしも、おじ様ともう一度話すことができたのならラ…」


「…!それは駄目だ!もしエシュタリエが死んだら…駄目じゃないか!」


気が付けば僕は立ち上がっていた。

怒鳴ってしまって、エシュタリエさんを怯えさせてしまって。


「…すみません。怒鳴ってしまって…しかも呼び捨てにまで…」


くそっ、最低の男じゃないか…


「…いえ、こちらこそすみませんでしタ…私が考え足らずだったでス…」


…でも。

エシュタリエさんは一歩僕の方へ顔を寄せた。


「…呼び捨ては別にいいんですヨ?べオさえ良ければ…もう一度呼んでくれませんカ?

ーーーエシュタリエ。って」


「ーーーーーーーーーーっ!?すみません!防具の新調があるので、僕は下へっっ!」


うおおおおおおおおおおおおお!!!????ああああああああああああああああああああああああああああ!!!????


◇◇◇


あ…


「…やりすぎましタ。はあ…」


がさっ。


「な、誰ですカ!?」


「ひひひっ、いいねぇ、いいねぇ!アタシと旦那の若い頃を思い出すよ!」

「ここは私たちが手助けしようじゃないですか。おしめ替えを手伝ってくれた礼もありますしね」

「悩める乙女がいるならば、今こそ先輩の出番なのさぁ!」


「あ、先ほどの奥様方…!?い、いったい何ヲ…!?」


◇◇◇


「据え膳食わぬは男の恥。みっともない事この上ないな」


「う…何も言い返せません…」


僕は一目散に鍛冶師たちが暮らすエリアまで逃げてきた。

ヴィトラリーさんは実験をしていたのか、血塗れの割烹着を洗っている。


「女が待っていたのなら、それを取るのが男の仕事。ただでさえ俺やエシュタリエと違って、お前はいつ死んでもおかしくないんだ。やれるうちにやれることはやっておけ。

そらっ、武器も防具も異常なしだ。

エルファイン商会と共同開発した耐魔法用特殊防御マントはどうだった?まあ、お前だったら直撃することは無いだろ。フジさんからみっちりしごかれているらしいからな?

ははっ、体がすくむってどんだけだよ!

それとちょっと気になったんだが、べオお前杖を殴るのに使ったのか?ほかに方法が無かったなら仕方がないが、控えろよ。魔法なんて原理不明の物を操作するんだ、どんな誤作動起こすのかさっぱりわからねえんだぞ」


「はい…すみません」


話は終わりだ、寝るから出てけ。


ヴィトラリーさんに追い出され、僕は自室へとすごすご戻った。

はあ、明日エシュタリエさんに謝らないと…


◇◇◇


…ん?自室へ戻って、僕は強い違和感を感じる。

具体的に言えばそう、なぜかベッドが盛り上がっているような…?


…まさかっ処刑人!?僕を暗殺するために!?

ってまさか、そんな訳ないだろ。たぶんだけど。


いや、あれは何だ?

恐る恐る近づくと、ふくらみは微かに動いている。


そっと触れると、暖かい。

髪が見えた、白色。エルフとは違う、硬く大きな耳も見える。


ーーーエシュタリエさん?

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なぜ僕のベッドにエシュタリエさんが?

しかも、っ、なぜか非常にきわどい服を着ている。


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あ、そういうことか!

まえに師匠が言っていた。この世には露出魔という裸でなくば満足することが出来ない生物がいると。

そうか…エシュタリエさんもそうだったのか、

しかし彼女の背中しか見えない今ならまだしも、これ以上を僕が見ては失礼すぎるのではないか?

うん、彼女は偶然僕の部屋に避難してついうっかり眠ってしまったのだろう。

であれば、僕のすべきことは…



◇◇◇



翌朝。


「そうか、なるほどなるほど。だからお前はエシュタリエ様に厚手の毛布を掛けて、

寝るところが無かったから俺の寝室まで押し入ってきたという訳か。

ーーーこの糞ボケがああああああああああ!!!!」


「うわあああああああああああああああああ!!!????」


ぼぐっ


翌日からエシュタリエさんはしばらく口をきいてくれなかった。

まあ、あんな秘密を知られたら誰だってそうだろう。

僕も彼女の名誉を守るために、この口を固く閉じておかねば。


ヴィトラリーさんにこの決意を話したら、また殴られた。


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