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魔王転生~勇者を求めて、魔王は旅をする~  作者: 壱田一
第2章 文明発掘鉱山/カイニ
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第2章第10話 切れた


シカが音を立てて崩れていく。

道半ばではあるが、

べオはインディゴを背負いながら、エシュタリエの手を引いて地面に降りた。


「スミマセン・・・私二『王ノ力』ガアレバ、メリッササンヲ殿ニシナクテ済ミマシタ…。」


先の戦いで撤退を余儀なくされたのを申し訳なく思ってか、

エシュタリエは何度も謝っている。


べオはそのたんびに「大丈夫」と、心ここにあらずといった顔で返すのだ。


師匠は大丈夫だろうか、その思いだけが脳裏を駆け巡っている。

焦りと不安と、汗が頬を流れる度に時間の速さを感じている。


「コノサキデス、モシ私以外ノドワーフガ生キ延ビテイタノナラ…」


エシュタリエが指さしたのは地下に続く洞穴だった。

じめじめとしており、足跡はおろかなんの生物の気配すらしない。


足元がおぼつかないまま先へ進もうとするエシュタリエをべオは制した。

インディゴを腹部に縄で固定して、エシュタリエを背負う。


「べ、べオサン?!王女トシテ、コレハチョット…恥ズカシイノデスガ…」


エシュタリエはべオの背から少し浮こうとしたが、

「さっき目覚めたばかりで足先がおぼつかないのでしょう?

今は休憩してください。」

べオが足を押さえ、エシュタリエがリラックスできるように姿勢を整えた。


「僕も師匠もこの場所について全く分からないので、

エシュタリエさんが頼りなんです。

あの処刑人もまだ僕たちを狙っていそうですし、

メリッサさんも…満身創痍のはずですから。

…そういえば、あの時食べたスープ美味しかったですか?」


「エ?スゴク美味シカッタデスケド…」


「実はあれ、とんでもなく未完成なんですよ。

調味料も最低限だし、食材もあり合わせのもので、あまり相性も良くなかった。

ですので、この騒ぎがまるっと収まったなら、その時はもう一回ふるまわせてください。

全力で作らせていただきますから」


「フフッ、ソウデスネ。楽シミニシマス!」









洞窟に声が微かに響き、少ししたら反射して跳ね返ってくる。

近くに川があるのか、せせらぎが耳に掠める。

どうにも、ドワーフたちの隠れ家にはまだ着かなさそうだ。


「休憩しましょうか。師匠の包帯も取り替えたいですし」


「ワカリマシタ。アノ…ソロソロ降ロシテイタダケマセンカ…?

実ハ、オ花ヲ摘ミニイキタクテ…」


「あっ、す、すみません!配慮が足りていませんでした!

は、はやく、お願いします…」


エシュタリエは恥ずかしそうに少し離れた物陰へ走っていった。

インディゴは包帯を変えられたことにも気づかずに眠り続けている。

べオはいましがたの会話に浮ついた気持ちを自省しようと、正座をする。


ちゃき。


べオの首に鈍い感触が触れた。


「ヴ!!デヤ・ゴスッヴィダ、ザンキ?グレファッジ、ジ、ディスゲー!」


理解できない言葉だ、べオは生唾を飲み込む。

この気配はドワーフ?エシュタリエと同じ、土と金属の匂いがする。


「すまない、アナタたちの言葉は分からないんだ。

だけど、貴方たちの姫君は無事だ。

もうすぐ来ーーー


ゴッ!


べオの返事を待たず、斧の柄で頭を殴られる。


「ザリ、グレファッジ、ジ、ディスゲー、ヨーンドフン・ザフティショナッカダ、ボエス!?」


怒声が遠くに聞こえる。

目元を赤い血が流れていく。

頭がふらふらして気持ちが悪い。

何かが切れた、意識よりは浅い何かが。

ただ、言いたいことが一つ。


「…人の話は、最後まで聞けよォ!!!」


べオは渾身の力でドワーフを殴り飛ばした。そこで意識も切れた。


今思ったんだけど、メリッサ生きてんのもっと後にカミングアウトとした方が良かったな。

反省して、次回作に生かします。

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