第2章第5話 純白よ、わが手を引け②
ドゴォン!
ゴーレムの一撃が地面に叩きつけられた。
衝撃と同時に地面を蹴って後方へ離脱する。
ゴーレムは全身が硬く、剣が効かない。
魔法も反射するうえ、鋼鉄型特有の可動域の狭さも無い様だ。
「少々厄介だな。こういう時は…『炎球』!」
ドン!ドン!
ゴーレムの足元に向けて打ち込むが。やはり迷宮。
床が崩れるなんてことは無く、純白が輝くばかりだ。
四方八方の全てが白、だんだんと目が痛くなってきた。
加えて攻撃が通用しないのが相手…このまま行けばいずれは潰されることだろう。
「なあ~んか最近苦戦するのが多くなってきたなあ。昔は、向かうものなしの魔王インディゴとして恐れられていたんだが。」
…使えるものは使うしかない。一か八か…「光魔法『贖罪の灯火』。」
刹那。眩い光が天から降り注ぎ、ゴーレムはドロドロに融解して消えた。その後には人影が一つたたずむばかり。
「光に寄せられてきたが、まさかお前がいるとはな。魔王インディゴ。」
黒いマントを纏い、インディゴの倍以上ある大太刀を構えた長身の女魔族がそこにいた。
その目からは紫色の魔力光が迸っており、インディゴに向かって静かに燃えている。
「…ぐ…」
「…魔法の反動で喋れないか。もう、この魔法は使うな。これはお前自身を蝕む、禁忌の魔法。最後に後悔するのはお前だぞ。…ああ、それと、カイニには近づくな。これは命令である。」
その言葉を最後に、女魔族は迷宮に開いた大穴から外に飛び出した。
「…ま、待て。フジ・ミヤトムラ、インディゴ軍第4連隊長にして、我が剣術の師匠、死んだはずのお前が、何故生きている…?」




