第2章第1話 汗をかきすぎた時には大人しく水分&塩分補給をしよう
エルドラド西部国境沿い。雄大なるヴィヴィ・アトラス湖の下部に位置する大森林の中を、
2人の旅人が進んでいた。
銀の髪をうしろに束ねたおさない少女と
荷物をせおい疲れたのか、うつむきながら滝のような汗を流す青年である。
インディゴとべオは精霊都市カローナを目指し、大陸を横断している最中であった。
「おいべオ、大丈夫か?やっぱりさっきの宿で馬を借りた方がよかったんじゃないか?」
「・・・・・・・・・・・・(首を横に振る)。」
インディゴの心配に、べオは精一杯の気力をもって答えた。
その無言の強がりに、インディゴは呆れたように肩をすくめるのだった。
そして夜。インディゴは安全のために対魔物用魔法結界を拠点の周辺に張り、急激に寒くなる夜に向け、焚火で暖を取ることにした。
「…おーい、おいー?べオ、聞いてるか?ーーー頬をつねっても反応しないとは、こりゃ重症だな。ほならのめのめ、水を飲め。飲めないなら流し込むまでよ。」
「ーーーーーーーーーー。」
「うわぁ!?目を開けたまま気絶してるだと!?・・・・・まさか、焚火の設置を終えて倒木に座ってたあの時からずっと眠っていたと言うのかーーー!?」
「…すみません、しんどいので横になります…。」
「ああ。すこし話したいことがあるから、横になりながら聞いてくれ。
この前のミナフェル戦で思ったんだが、私たちは魔法以外での遠距離攻撃手段が乏しすぎると思うのだ。
もしも魔法を使いすぎて魔力が尽きれば、動く事すらままならなくなるからな。
魔法は出来る限りとっておきたい…そこでだ。」
インディゴはにやりと笑い、鞄から地図を取り出した。
「少し寄り道をしようと思う。場所はここ、カイニ。
魔道具よりも遥か昔に造られた魔導具、すなわち遺物が取れる鉱山だ。
私たちはここで、自分に合う古来の遺物、すなわち武器を買う!」
「ーーーーッ!!!!!?」
「おい!興奮するのはわかるが、飲みかけた水を吐き出すんじゃない!安静に寝ていなさい!」
「ーーーーーー(不服の意)」
「まあ、そう焦るな。今は体を直すのに専念しとけ。ほれシチューだぞ。」
…いただきます。べオは静かにシチューを飲み始めた。
体にエネルギーが行き渡っているのが分かる。
「ごちそうさま、美味しかったです。では、先に眠りますね。」
「ああ、おやすみなさい。良い夢を。」




