プロローグ
欠けた月が大地を照らした。夏至の中でも一際暑い夜だった。
エルドラド帝国第3皇子アッシュ率いる勇者パーティーによって、
魔族を統べ、人類を追い詰め続けた魔王、インディゴは討ち取られた。
頭を失った魔王軍、魔族は一瞬のうちに崩壊し、その多くは奴隷として一生を終わらせる事となった。
まばゆき朝日が王城を照らす、人類歴払暁の日。
アッシュら一行は皇帝に名誉を称えられ、”英雄”となった。
…それから50年後、ある湖の中で彼女は目覚めた。
湖岸に手をついて、ゆっくりと体を起こす。
月光が彼女の姿を鮮明に映した。
見た目は8歳ぐらいの少女だろうか。
だが、その銀の髪は月と見間違うほどに輝き、
その指先は埃一つさえ相応しくないかのように思わされる。
彼女の藍色の瞳には、揺るぎようのない誇りが垣間見えた。
静かに、ゆっくりと口を開く。
「あぁ…美しい月だ、この上なく私が目覚めに相応しい。…
ーーーどこだ?…貴様はどこにいる、
この私を殺した男…勇者アンバーよ…貴様はどこにいるのだ…?」
艶やかに息を吐いた後、彼女…いや、魔王インディゴは森へと歩き始めた。
裸のままで…。
『魔王転生』を読んで頂きありがとうございます!
初心者なため、いろいろと拙いところがあるかと思いますが、
見ていただければ幸いです。
泣いて喜びます。
この物語を読んで、「面白そう」「続きが気になる」と少しでも感じていただけましたら、
ブックマークと↓の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!
読者様方の応援が作者自身の何よりのモチベーションとなりますので、
是非ともよろしくお願いいたします!