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入学生代表挨拶(スタートダッシュチャンス )

良かったらブックマークとか鼻水垂らして死ぬほど喜びます

「行ってらっしゃいお兄ちゃん! 高校生になったんだから変人扱いされないようにね。最初が肝心なんだよ!最初が!」



「あぁ分かってるさマイシスター。俺は今日からモテまくりヤリまくりなリア充クソ野郎を目指す。いざ戦場へ行って参る。」



「……行っちゃったよお兄ちゃん大丈夫かなぁ。妹の私にあんな事言うなんて多分高校生活もダメだね……」



妹の真菜(まな)に見送られ家を後にする俺は成神(なるかみ) 陽介(ようすけ)だ。

今日は俺の人生において間違いなく1番重要な日である。そう、入学式だ。今までの人生振り返ればもう散々なくらい変人扱いされてきた。自分では何が変人なのか分からないが、これだけ言われるという事はもう俺の根っこは変人なんだろう。


だがしかし、そんな変人扱いも今日が最後。わざわざ同じ中学の奴らが少ない高校を選んで受験したのだから。 今まで勉強してな来なかったからこんな偏差値の高い高校に進学すると言った時には先生に「夢を見るな馬鹿者」と半笑いで言われたくらいだ。お前ら教師は生徒の背中を押してあげるのが仕事じゃないのか?

あの時の半笑いの面をした教師は生涯許さない。


しかし、そんな下馬評を覆し俺はこの学園にやってきた。しかも入試のテストではなんと受験生の中で1位だったらしい。そんな俺はこれから首席として全校生徒の前で挨拶をすることになっている。


学園に着いた俺はまず用を足す。これをしなければ漏らしては大変だからな。そしてネクタイを締め直し、ブレザーのホコリを確認。よし問題無しだ。

こんな重大なスタートダッシュチャンス今までの人生に無かったからな。これさえ成功出来れば俺は晴れてリア充になりヤリまくるぜ!

そんな108あると言われている煩悩を限度額いっぱいに引っさげ俺は会場へ向かった。



◇◇◇◇◇



会場へ向かう途中色々な生徒に見られている。何故だ? もしかして首席という事が皆に知られている?もしくは俺がイケメンすぎる為か? どちらにせよこれからの学園生活は期待できそうだ。そんなことを考えていると後ろから先生に話しかけられた。


「ちょっと君っ!!」



先生は何故か頬を赤らめ焦っている。ははぁーん。先生、さては独身で将来有望な首席様に唾つけておこうって考えだな。うーん。確かに大人の色気が素晴らしい先生だ。よし、要検討で!!


「なんですか先生? そんなに焦らなくてもちゃんと考えてあげますので。まずお互いをよく知ってから……」



「はぁ? 何言ってるの? お互いを知る?自分の状況を知りなさい!なんで下のズボン履いてないの?」



「……」



俺は何故か昔からズボンを脱がないと用が足せない体になっていた為、さっきのトイレにズボンを忘れたのであろう。俺の欲まみれな学園生活は音もなく崩れ始めるのだった。



◇◇◇◇◇




やってしまった。盛大にやってしまった。千載一遇のチャンスを棒に振ってしまった。


今頃おれは、全生徒の前で首席として挨拶をしている所だったはず。しかし今は保健室のベットの上で体育座りをしている。パンツ姿の俺は先生にとりあえず保健室に連れてこられた。首席の挨拶は次席が代理ですることになったらしい。


はぁ〜、小学生の入園式でもこんな事があった気がする。 あの時はフルチンだったな……

俺もあの頃よりは成長している。今回はパンツを履いていたからな。


これからは気を付けないとな。トイレ外来とかあるのかな?

まぁいい。大事なのはこれからどうするかだ。

幸い全生徒にはまだこの事実は周知されていないだろう。



……まだ挽回の余地はある。



◇◇◇◇◇




「えっ、私が代理で入学生代表挨拶するんですか?」




「そうなのよぉ。首席の子が何でもズボン履いてこなかったみたいで流石にこのまま出てもらうわけには行かないからとりあえず保健室に連れっていったの。」




「……ちょっと意味がわからないですけど代表挨拶の件はわかりました。」




私、姫川(ひめかわ) 莉奈(りな)はよく分からないが次席として全校生徒の前で挨拶をしなければなくなってしまった。聞いた話によると首席様はズボンを履いてなくて保健室へ連行されたらしい。


……意味が分かるだろうか?私には分からない。


こんなことが高校生になろうかとしている人間として有り得るのだろうか?


しかし私は昔にもこんな事があった。それは小学生の入園式の時、遊びと称された事前の知能テスト、私は2番目に成績が良かったらしいけど1位の子が入園式で一言なにか目標やしたいことなどを保護者の前で挨拶として発表する行事があったのだが、その1位の子、まぁあいつは一生忘れる事のない男、その話はまた後日。


その子はなんと壇上の上へ上半身は制服、下半身は何も身に付けず出てきて速攻先生に下げられた。保護者は全員度肝を抜かれていた。

あとから知ったのだが彼は用を足す時に下半身は全て脱がないと用をたせないようだった。


今回のケースと似すぎている。まぁパンツは履いてたみたいだけど。

こんなこと人生で2回も起こるなんて……

しかし、私はあのフルチン事件のおかげで、もしかしたら今回もとどこかで考えていたため、挨拶の内容は予め考えてきている。


しかし、どこのどいつか知らないけど首席ってのは変なやつが多いのかしらね?

案外あいつだったりして。まぁ流石に高校生なってまでそんな事してたら流石に引くわ。あいつでないことを祈る事にしましょう。

だってあいつは私の初恋なのだから。



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