七十二話 やらかしは続く(後編)
今回もツリスさん主体。
ほぼロリアさんとの会話です。
止まない非雨さんのキャラ崩壊…
少し遅れてすいません…
「さぁーて、どうすっかなぁ、あんな非雨は可愛いっちゃ可愛いのだけどもねぇ…」
と言っても1日過ぎないと神の私でもどうすることもできないので、待つしかないんよなぁ。
「やぁ、オスゴー、非雨と会っていいか?」
…なんとも微妙なタイミングでロリアが来たもんだ。
「ごめん、多分私のせいでこの前会った非雨じゃなくなった」
「ん?どゆこと?」
ツリスさん説明中…
「あー、あの子は元男で、その性格を維持するストッパーが外れたってことね。」
「やらかしたせいで見事に私に甘々なんだよね…接しても良いけどどうなっても知らんよ?」
「非雨ちゃん可愛いから大丈夫よー。人間が好みそうなお土産も買ってきたし。」
「…非雨を洗脳する土産じゃないよね?」
「なんで自分から首を絞めるようなことしなきゃいけないのさ…そんなことしたらしばかれる事はわかってるっの…」
「わかってるならよろし。」
でも、折角来たのに帰すのは同じ神としても頂けないし、なんかつまみでも振る舞うか。てかお土産持ってきてたし、その中身も何か聞こう。
「非雨は今寝てるから、なんか食べてく?」
「ちょうど小腹が空いてたからなぁ。頂いてもいいか?」
「いいよー、てかなんのお土産持ってきたの?」
「ほれ、見な。」
ロリアが持ってきたお土産を見せてくる。えーと、櫛と、多分魔力石と、ん…?何だこれ?
「ロリア、これ何?」
「私が生み出した精霊が持ってきたものなんよね。飲んでみたら案外美味しかったから喜ぶかなと思って持ってきた。」
「…媚薬とか入ってないよな?」
「私が飲んでも何にも異常ないから問題ないと思うよ。」
「それ耐性あるからじゃ…とにかく、何本くらいあるの?」
「んー、100本くらい持ってきたんよね。飲む?」
「非雨に何かしらの事があると困るから一応飲んどく。」
これで異常が出たらロリアをはっ倒すか。
「………微妙に甘くて喉奥がなんかすーっとするんだよな…なんて言えば良いんだ?」
「ほらね?異常はないって言ったでしょ?」
「あー、そだね。んー、栄養ドリンクみたいな感じか?少なくとも人間には害は無いものだけど、これ好み別れると思うな…」
「栄養ドリンクに好き嫌い無いと思うのだが…」
「いやーね、うちん所の人間達は好き嫌いの判断が独特なんだよな…案外非雨も好まないかもしれない。」
「それは困った…非雨が苦痛に満ちた顔を想像するだけでなんと心が締め付けられることか…」
「…ロリア、お前ほんと非雨好きなんやな…」
「あったり前じゃん!むしろなんで便通とかでこんな可愛い子を妹にしたなんて言わなかったのさ!?」
「最近姉妹関係結んだばっかりだからね…てか、ロリアも可愛い子と姉妹関係結べばいいのでは?」
「なんで人間を一から作らなきゃいけないのさ!猿から人間に進化させるの難過ぎて一度挫折したんだよ!?」
…どうやら、ロリアは非雨が好きな事が改めてわかった。ていうか一つ気になった点がある。
「人間作ってないの?人間に偏見持ってない神は多分どこでも作ってると思うよ?」
「今まで精霊しか生み出してこなかった私に一から人間作れって言われても無理な話なんだよ…」
「…今度、人間の進化の過程を渡す…てか、そのドリンク、どっから持ってきたやつなのよ…」
「精霊曰く、魔人からだってさ。」
「え!?魔人!?あれほぼ人間の体の仕組みと似てるよ!?」
「その細かな違いがわからないんだよ…人間作るくらいなら魔人を作った方がいいよもう…」
「は、はぁ、ロリアもロリアで苦労してるんだね…」
「でも、他の神の人間達を見てきたけど、何処も彼処も争い事ばっかりでさ…魔人はトチ狂った奴以外なら争い事は起きないから、管理も簡単なんだよね。」
それはわかる気もしなくも無い。一回、魔人だけの世界も作ってみたが、争い事は全然起きなかったからだ。
だが、人間達もその世界に加えてみると、やれ領土だの食料だのの理由で戦争とか争い事が絶えなくなり、その世界は滅びてしまったんだけどね。
「100年ぶりに会った際にも人間の世界見たけど、人間達、争い事してたねぇ。もう収まったの?」
「まー、ある程度は。非雨の国は争い事を捨てたみたいだけど、世界全体で見るとまだ完全に争い事は辞めてないんだよね…」
「あれなんなの?あの…空を縦横無尽に飛びまくって、触れただけでもがき苦しむ霧みたいな物は。」
「それはー、飛行機と毒霧だね。人間達は私達と比べて軟弱だからねー。」
「今度人間を作る時に、耐性とかバリバリ付けようかな?」
「やめといた方がいいよー?『俺が新たな神になる!』とか馬鹿げた考えを持つ人間が現れるかもしれないし。」
「それもそだね。」
と、兵器やら人間の話題とかでロリアとの会話に花を咲かせていたら、非雨が起きたみたいだ。
「んー、非雨が起きたみたいだね。見に行く?」
「行きますかぁ。面と向かってお土産を渡して、喜ぶ顔を見てみたいしね。」
若干不安になりつつ、非雨を見に行く。
「あ!お姉ちゃん!何処言ってたのさ!?起きた時に居なくて悲しかったんだよ!?」
「あ、ごめんごめん、」
「やぁ非雨。オリィちゃんは元気かい?お土産持ってきたけど、見る?」
「!?」
何故か非雨は驚愕したような顔を浮かべ、その後有無を言わず狐火をロリアに向かって放った。
「うわっ!?どうしたのさ!?」
「ちょっ、非雨落ち着いて!?」
「お姉ちゃんに軽々しく接するなぁぁぁぁ!お姉ちゃんは私の物だぁぁぁぁ!!!!」
「はぇ…?」
「ちょっ、オスゴー!困惑してないで非雨を止めてよ!?痛くはないけど熱いんだから!?」
「ひ、非雨、ロリアは何も、非雨にお土産を渡そうと…」
「姉ちゃんからはなれろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「流石にこれは回避出来ないってあちちち!まじで熱い!えーと、えーと、水球!」
あー…自業自得だけど、本当に面倒くさい…
「本当に懐かれてるねオスゴー…私もこういう妹とか欲しいよ…」
「すまんねうちの非雨が…ストッパーかけ忘れた私の責任もあるんやけど…」
ロリアは濡れた服を風魔法で乾かしている。その為か全身風に包まれているように見えるのだ。
「zzz…お姉ちゃん…大好きぃ…♪」
非雨は暴れて疲れたのか寝ている。可愛いんだけどね…うん。
「今度、可愛い魔人連れて来てよ。ちょっと見てみたい。」
「ん?魔人?というと…ちっちゃな女の子?」
「まー、そんな感じ。多分非雨の事だし、すぐに懐くと思うけどね。」
「…本当に治るの?あの状態から。」
「治って欲しいと思ってるよ…こういうのは自然治癒ってのが大切なんだよ。まー、それでも無理だったら介入するしかないんだけどね。」
「常日頃から介入してると思うけどね。」
「それもそうだな。」
「「ハッハッハ!」」
と、明日の事をロリアと打ち合わせした後、仕事があるからロリアは帰っていった。
そして、仕事やら人間の進化の過程のレポートをまとめていたら一日が終わっていた。
さて、非雨は治ってるといいのだが…
もし治ってなかったら、あまり気が進まないが、介入するか。
ある意味ごり押しです。
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