六十九話 非雨は虫嫌い
タイトルはネタバレ防止…まぁ、今回だけ。
「ん…ふぁぁぁぁ…」
朝日の光が窓から差し込み私は起きる。どうやら、私が一番に起きたらしい。
そういえばツリスが牛乳を買ってたような気がして、冷蔵庫を開けてみると、牛乳があった。
まだ眠気が完全に冷めきってないので、ホットミルクを作ろうかと思う。
多分ツリスが持ってきたであろう小鍋を手に取りコップ一杯分の牛乳を鍋に入れ、砂糖を目分量…私は甘党なので砂糖を多めに入れて、火をかける。
ぶっちゃけ作り方合ってるかどうか分からないが、沸騰直前で火を止めて大丈夫だと思う。
小鍋に入っている牛乳をお玉ですくいコップに入れる。そして飲む。
「甘ぁぁぁ…そしてうま…」
甘党の私に充分な糖分が脳に行き渡り目もシャキッと目覚めた所で、ツリスが来た。
「どう?非雨が好き好むと思って牛乳と砂糖を冷蔵庫に入れたんだけどさ、今日買い物行く?」
「んー…行こっかな。」
「よし決まり…っとその前に、非雨が会いたいって言ってた人…神が居たよね?アポ取れたから行こ?」
「えーと、誰だっけか、あ、精霊神さんか。」
「そそ、オリィちゃんの…まー、精霊の全ての母だね。昨日仕事終わりに暇だったもんでアポを取ってみた。そしたら二つ返事で引き受けてくれたよ。」
もう少し後になるかと思ったら、意外とすぐ会えるらしい。
「じゃ、みんなを連れて精霊神さんのとこに行きますかぁ。」
意識をまた失うかなと思っていたら、急にツリスが手刀を作り、思いっきり横に薙ぎ払ったと思えば、天界なツリスの部屋が見える。
「…は?これどういうこと?」
「いちいちみんなの意識刈り取って転移させるのは楽だけど手順が多くて面倒だから、どうにか出来ないかなと思ってたら、急にこの案が思いついて試してみたらビンゴだったよ。」
「…えーと、今のこの状況はここと天界のツリスの部屋と空間的に溶接してるってこと?」
「まーそんな感じ。いつもやっていた方法より負担…特に右手の負担がヤバイけどね…アハハ。」
いつもより負担がかかるならやらなくてもいいのではと思った。
「ほ、ほら、ロマンって言うじゃん。元男の非雨だって時空を切断して時をかけてみたいと一度は思ったんじゃないの?」
「この方法はロマン技なんね…ま、それを生み出すチカラがあるのは流石神といったところだね。」
「なんでちょっと上から目線なのさ…別にいいけど。」
さて、みんなを起こして天界ツリスの部屋に行くとしますか。
「ふっ!よしこれで空間を元に戻せた。」
「右腕は大丈夫なの?」
「めっちゃジンジンしてる。すぐに治るけど痛いなぁ…」
空間を閉じ終わったツリス。しかしここから精霊神さんの所に行くんじゃなくて、ここに直接精霊神さんが来るらしい。
しばらく待つと、ツリスの部屋に突如1人の女性が現れた。瞬間移動で移動して来たのかな?と思った。
「やあオスゴー。文通では5年ぶり、実際に会うのは昨日を除くと124年ぶりだね。」
「昨日も会ったけど、元気そうで何よりだよ。」
「…!お母さん!」
「おー、オリィじゃないの、久しぶりー。」
精霊神らしき人にオリィちゃんが飛び込んでいった。そして難なく受け止める。まず、私から見た精霊神さん特徴だか…顔だ。ツリスといい、ペルさんといい、人間として見ると美人なのだが、目がめっちゃ不気味。左眼は普通の人間の目なのだが、右眼はんー…何というか…瞳孔が幾つにも別れている。
「ごめん、人間さん。この目、怖い?」
「ちょっとー。この子には名前がちゃんとあるんだけど?」
「あぁ。ごめん、そして、名前を教えてくれるかい?」
オリィちゃんと遊び…いや、構いながら名前を問われた。
「非雨ですけど…精霊神さんの名前ってなんですか?」
「名前…ねぇ…ちょっと待って。」
と言うと目を瞑り、目を開けたら瞳孔が沢山ある目じゃなく、普通の人間の目になっていた。しかし、その目は見れば吸い込まれそうな真紅の目をしている。いわゆるオッドアイつてやつだ。その気になれば私だって出来るんだけど。
「名前はロリア…ロリアと呼んで。」
「ロリアさんですね。分かりました。」
精霊神さんはロリアさんと言うらしい。そしてオリィちゃんはロリアさんにべったりだ。
「おかあしゃん…」
「おー、よしよし。」
…この子に赤ちゃんの如く胸を吸われた事はロリアさんに黙っておこうと心に決めた。
「あのー、ロリアさん、オリィちゃんに構ってるとこ悪いんですが、2つ質問があってですね…」
「ん?なんですか?非雨ちゃん。」
「まず一つ目、なんで精霊神をやってるんですか?」
全ての精霊の母と呼ばれている彼女が、どう言った経緯で神になったのか気になったのだ。これで思い出したが、後でツリスにもなんで神になったか聞いてみよう。
「なんでってねー…んー…」
「あー、話したくなかったら無理して話さなくていいんですが…」
人が話したくないことを無理して掘り出そうとする程私はゲスじゃない。ま、例外はあるけど。
「私のあの目あったでしょ?瞳孔がすごく割れて分裂してたやつ。」
「不気味なあれですね…」
「あれから想像できるか分からないけど、私、前世は蜘蛛だったみたいで。」
「ヒェッ!?」
蜘蛛…私が一番苦手とする生物じゃないか!しかし、蜘蛛ってデコらへんに沢山目が付いてるイメージがあるんだけど、どうなのだろうか。
「んで、前世の生物のやつを一部この身体になって引き継いだ…と言うよりかは、人間と言うものに私が憑依して、蜘蛛だった証が目に現れてるってことなのかな。」
「は、はぁ。」
「これをツリスの世界では擬人化って言うのかな?よく分からないけど。」
ぎ…擬人化?ロリアさんのやつはそう言うやつなのかなと思った。
「んでー…すごい端折るけど、みんなに世話を焼きまくった結果、今の私が居るんだよね。」
「ツリス、ロリアさんってどんくらいの人に世話を焼いたの?」
「私もロリアの世話を焼いてもらった人だけど、んー…数え切れないかな?」
「数え切れないって…どんくらいやったんだ…」
「まー、精霊神になるまでざっと3000年くらいかな?んでここまで約8000年くらい。」
「桁が違い過ぎる…」
「でも、私達って、1万年くらい生きてるけど、ほっんとうに長い年月生きた神からしたらこれでもまだまだ若造なんだよね。私達。」
「もはや規模が違いすぎて何も言えないよ…」
ツリス達はそんだけ生きてても若造と言われるのかと思い、もう驚きというか…何というか…文字通り、何も言えない。
「んで、2つ目の質問って何?」
「あ、瞳孔の事を聞きたかったんですが、聞いたんで大丈夫です。」
「ふーん、ま、この目の形にするのに結構時間かかったからなぁ…」
いくら時間がかかったか疑問に思ったが、どうせ私の寿命の何倍…いや、何十倍もあるんだろうと思い、聞くのをやめた。
「ツリスー、この非雨って子、気に入ったから持ち帰っていい?」
「ちょっ!?だめ!非雨は私の妹なの!勝手に攫っていかないでよ!」
「え?非雨と妹なの?」
そうロリアさんが聞くとツリスは頷いた。
「んー、じゃ、唐突だけど私のお願い聞いてくれるかな?」
「非雨をほしいって言う願いは駄目ね…って神なら姉妹関係を契約なりなんなりで結べばいいじゃん…」
「えー…駄目だったか…」
「駄目だよ?ロリアさん。」
「ふぇぇぇ非雨ちゃんに言われると余計欲しくなっちゃうー…」
…この人、ロリコン…?いや、同性愛?わからないなぁ…
「じゃー、嫌じゃないなら毎日非雨ちゃんのとこ来ていい?」
「欲しいって言われてる人に毎日来られても困るんだけど…」
「大丈夫、本気でツリスと喧嘩したら多分私が負けるから。」
そうなの?と思ったがツリスの事だし、私達に何かあったら例え上司でも歯向かっていきそうだなぁ。
「お願い!毎日顔を拝むだけだから!」
「非雨、どうする?」
ちょ、ツリス、私に振らないでよ!
うーん、どうするって言われてもなぁ…断ったら泥沼化しそうだし…
「顔を拝む程度なら毎日…まぁ大変な時はそんな来て欲しくないけど…来てもいいよ。そのかわり、オリィちゃんを存分に可愛がってあげてください。オリィちゃんの主人からのお願いです。」
「りょーしょー!」
「…ロリアさんって短時間でテンション変わりすぎでは?」
「そういう人…まぁ神だからね。」
と、なんやかんやありつつも、ロリアさんという精霊の母、精霊神が毎日来るようになりました。
ま、まぁこれからロリアさんが半レギュラー化するのかな?
キャラ設定あんまり定まってねーだろ!なのにキャラ追加するな!と思った方、結局ヒロインが増えるからいいじゃろ?実質プラス(?)
さて、アドバイスとかください。お願いします。書き方とか教えてくれると作者が狂喜乱舞します。
長くなりすいません。では、失礼しますー。




