茶番十五話 三人と自分の甘え
学校の体力テストで目標を達成出来たのでご褒美回。
性転換してから3日、後2日もこれが続く。この体になってからは結構不自由だ。家事をいっつも非雨にやらせてるようで罪悪感がすごい。
そして何故か、この体になってからは、非雨のスキンシップが過激になってきた。そして今日起きたら非雨が目の前にいた。
「お、やっと目を覚ましたか雪餅。」
「ほんと起きたら目の前に非雨が居るって…心臓に悪いよ本当に…」
「でもほんとは嬉しいでしょ?この変態め〜。」
「こういうものは今の姿じゃなくて元に戻った時にやってほしいよ…」
「やーだ。男の時の雪餅って何するかわからないもん。」
「俺にとっちゃーこの姿になった時の非雨が怖いよ…」
何気ない会話を終わらせ、毎日飽きずに食べているミントチョコアイスを食べようとしたら
「ん?」
突如、服を掴まれた感じがした。
「お…お兄ちゃん…一緒にお姉ちゃんと寝よ…?」
非雨の裏人格であるソフランちゃんが服を掴んでた。なお俺は性転換して背が小さくなってるのでソフランちゃんと身長は同じか微妙に高い。
「…なんで?」
「最近ずっとお姉ちゃんの精神にいて、ずっとお姉ちゃんの思念体と話していたから、実際に…この現実世界のお姉ちゃんより関わってないって思って…」
え?し、思念体?作者の俺ですら初耳だぞ…?
「な、なぁ非雨、ソフランちゃんが思念体どーのこーのって言ってるけど、どういう事?」
「んー…私も詳しくは知らないんだよな…」
えー…非雨ですら知らないって、どうすることも出来ないじゃん…いやたぁ、ここは作者である俺が解決しなきゃいけないんだけどなぁ…
「んー…ソフランちゃんが困ってるらしいから、裏人格じゃなくて、1人の人間としてソフランちゃんを誕生させようかな…」
「え!ほんと!?」
「昔自分が作った設定をことごとくぶっ壊してるような気がするけど…まぁ仕方ないよね…」
今度、自分で裏人格を作ってみて、思念体と言うものを探してみよう。
「だけど、この姿じゃ無理なんだよね…せめて、性転換が終わる2日後でないとなぁ…」
「1人の人間としてこれから生きていくのかー…楽しみ…」
「ほんとは今すぐにもやりたいけど、誰かの猫耳狐尻尾の女の子のせいで出来ないんだよなー…」
「ダ…ダレナンダローナー…ハハ…」
「じー…」
「いやほんと、ごめんソフランちゃん…」
んで結局…
「どうしてこうなる…」
みんな、ほぼ下着姿でしかいなくなってしまったのだ。てか、ちゃっかりラデルちゃんも参加してる。
「非雨とソフランちゃんはちゃんと薄いけど服を着てるからまだ…百歩譲ってセーフだ…だが、ラデルちゃん…それはない…」
ラデルちゃんはまるでプールでも行くような格好でいる。しかも、スクール水着ではなく、腹が出てる方の、その…胸とかを隠すやつのタイプのやつ。
「いいじゃん兄ちゃん。今は兄ちゃんだって私たちと同じ女性なんだし。」
「だからってそれはない…非雨だって服を着てるんだし…」
「いっそのこと、脱いだっていいのよ?」
「やめて、いや真面目に。」
とは言ったものの、ちょっと気になるが、これを言ったら殺されてしまうので、胸にしまっておく。
「じゃー雪餅ー、この前触らせたけど、まだ私の尻尾触る?」
「あ!兄ちゃん私の尻尾も撫で回してよぉ!お姉ちゃんが気持ちいいって言って羨ましかったんだよ!」
「お兄ちゃんと一緒に寝たいー…」
非雨とラデルちゃんとソフランちゃんが俺を取り合う(または誘惑…してる?)感じてちょっとビリビリしている。
「俺は誰からでも良いから、じゃんけんで勝った人から順番で願うことをしてあげるよ。」
「お、まじ?まー私は下の娘達に譲りたいけど、尻尾モフモフからの毛づくろいは気持ちよかったからなー…」
「姉ちゃんは一度体験してるから良いでしょ!私が絶対勝つ!」
「お兄ちゃんと早く一緒に寝たいから、1位を取る…」
若干ソフランちゃんのテンションが低い気もするが、みんな張り切っている。
てか、俺じゃなくてみんなでやれば良いじゃんと言ったが、
「雪餅がやるやつは癖になるからね…」
「お兄ちゃんにはお兄ちゃん特有の優しさがある…」
「姉ちゃんがハマったんなら私がハマらないわけがない!という事でやってちょーだい?」
と、一蹴りされてしまった。
そして3人でじゃんけんをして、結果が出た。
「やった!私が一番!」
「ちぇー…まぁソフランちゃんを楽しませてあげな雪餅。」
「これは神の運命操作が原因だ!これはノーカンだ!ノーカン!ノーカン!という事で兄ちゃんが悪い!」
ソフラン→非雨→ラデルの順番になった。てかラデルよ…運命操作て…俺何もやってないよ?最後ちょっと訳わかんなくなったし…
「ということで…私と一緒に寝よ…?お兄ちゃん…」
早速ソフランちゃんが俺に抱きついて来た。男だったらなんか絶対やばそうな感じなのだが、今は肉体的には女性…なはず。
ソフランちゃんが俺の服に顔をすりすりしてきた。
「んー…ふぅ…お兄ちゃん…」
俺としてはなんとも言いづらい事をしているなぁソフランちゃんよ。
「お兄ちゃん…腕枕して…?」
多分人生で初めてかもしれない。腕枕を頼まれたの。俺もよく小さい頃腕枕わさせてもらったが、なんか安心感があるのだ。
が…しかし、大事な事を忘れていた。性転換によって身体が小さくなり、腕も当然短くなっていたことを。
だが、問題無くソフランちゃんの頭を乗っけられた。良かった。
「俺も昔はこうだったんかなぁ…」
と呟きつつ、ソフランちゃんと一緒に眠りについた。
「 「おはよう。」」
「起きた。」
「んー…満足…」
さて、ソフランちゃんは満足したようだし、次は非雨だ。と言っても、ただ毛づくろいするだけなんだけどね。
「んじゃ、よろしく頼むよー。」
「はいはい…」
「終わったら私の尻尾気がすむまで触っていいからさ。」
「マジ?気合い湧いたわ。」
という事で、非雨の尻尾の毛づくろいをする。前に言ったかどうか忘れたが、非雨の尻尾は狐みたく凄く大きい。
「あ〜…気持ちいい…そこをもーちょい…サイコー…」
毛づくろいされてる本人曰く、凄い気持ちいいらしい。てかむしろ言葉に漏れ出てるね。うん。
「気持ちいいのうこの小娘はぁ!抱かせろォ!」
「ちょ、非雨、どうした…っぶっ!?」
毛づくろいをしてたら急に抱かれた。しかも、年相応の胸に顔を押し込まれるもんで、息苦しくなった。
「いきなりは辞めてよ!びっくりするじゃないか!」
「うひひ…でも、非雨からのご褒美だよ?」
「いやまぁたしかに柔らか…いやなんでもない…」
「今は自分でも付いてるじゃん?」
「自分の物を触るのは抵抗がある…ってなに言わせんじゃ!」
「あはは、やっぱりこの状態の雪餅をいじると面白いよ。さて、尻尾に思う存分楽しんでな?」
「なんか納得行かないけど、触らせてもらうよ…」
非雨の尻尾を差し出したので、この前みたくまたモフる。
「もふぅ…いやぁ…気持ちいいなぁこういうのは。」
「自分も作者権限で尻尾つければいいじゃん。」
「自分に付いてないものを触るから気持ちいいんだよ。」
「じゃ、毎日触らせてあげる?」
「非雨がいいなら。」
「いいよー?」
「やったー」
なんか非雨の尻尾を毎日触っていいって許可が出たので、これからは毎日触らせてもらおうじゃないか。
「「ふー…満足満足…」」
非雨は毛づくろいが終わり、俺は非雨の尻尾を存分に楽しんで、次のラデルちゃんの毛づくろいをする事にする。
する事にする…うん。おかしいね。うん。
「兄ちゃん!待たせ過ぎだよ!」
「ごめんごめん、さて、やるよ。」
「わーい!」
なんか、いつにも増してラデルちゃんがハイテンションな気がするが、気のせいだろうか。
という事で、非雨と同じことをやり、無事終わったが、何故かラデルちゃんが不服らしい。
「兄ちゃーん、私の尻尾だけで終わると思ってないよね?」
「と、言うと?またなんかやれって事?」
「そうだよ?」
「わかった。何やればいいの?」
「私の頭を撫でて欲しいッ!」
…なんとなく、本当になんとなくだが、この子ツリスさんに似てきてるような気がする。
まあ、撫でなきゃ拗ねそうなので、やってあげる。
「むふぅ…」
幸せそうな声をラデルちゃんが出した。こんな俺でも撫でられる事に幸福を感じてくれるって嬉しいよ。
なんやかんやあって、非雨、ソフランちゃん、ラデルちゃんの甘えに応じることが出来た。まぁ一部俺も甘えてたが…
3人とも満足した様な目で俺を見ている。良かった。
という事で、まだまだ残っているミントチョコアイスをつまみ、いつの間に夕方になってる事に驚きつつ、夜ごはんをみんなで作ったのだった。
ちなみに書き始めてから4日経ってるっていう()