六十話 いたずらしたくなるよね。
予約投稿その19
ちょっと短いかも。
サブタイトルの意味は後半で…わかるかも。
令和だぁぁぁぁ!
「やーっ!ご主人しゃま!」
………えぇ…
目の前の精霊が突然魔力を吸った後、幼稚園児みたいな姿になったよ…
とりあえず一言。
「ツリスよ、フラグ回収しました…」
「ん?フラグってなに?」
とにかく、まだ来ないと思うので、背中に乗せてパルクールを再開する。
「うわっわっ!きゅーにどうしたのさっ!」
それにしても、精霊の姿の時はあんなに大人っぽい言葉遣いだったのに、この姿だと口調が…えーと、舌足らずって言えばいいのかな?
「動いてるだけだけど…」
「それにしちぇは、はげしく動きすぎだよぉ!」
いや本当に口調変わりすぎでは?
あんまり動き過ぎてもこの子が困るだけだろうし、止まってあげる。
「ふえぇ…やっと止まったぁ…」
「んでさ、知らぬ間に君の主人になったわけだけど、名前教えてくれないかな?」
「ん?なまえぇ?」
名前を聞いたらその子は黙り込んでしまった。無いのかな?名前。
「名前ないの?」
「思い出した!オリィ!わたしの名前はオリィだよ!」
「オリィちゃん、ね。わかった。」
改めて言おう。私はオリィちゃんの主人になったようです。
「オリィちゃんって生まれたばっかりって言ってたよね?」
「ん?そーだけど?」
「なんで自分の名前わかるの?」
自然発生した精霊では名前は存在しないはず…と思っていたが、
「しゅじんー、精霊を司る神って知ってる?」
「初耳なんだけど。」
「わたしたちの間では『全ての精霊の母』と言われてるんだけど、その神が生まれたわたしたちひとりひとりに名前をつけてるんだって!」
見事に違った。
てかそんな神もいるんだ。後でツリスに詳しいことを聞いてみるか。
「ハァイ、ひぃあぁ。」
「え!?あぁ、ツリスね。」
紛らわしい呼び方をされたような気がする。どこぞの排水溝にいるピエロみたいなやつ。
「ん?その子は?」
「ツリスが言ってた事本当だったよ…」
「ということは精霊なの?」
「おぉいえす。」
「ねぇ君、名前なんて言うの?」
「しゅじんー、この人だれー?」
「私の姉兼神だから警戒しなくていいよー。」
「え!神!?まさか全ての精霊の母なの!?」
「んー、名前は聞いた事あるけど、違うなぁ…私は地球の神、オスゴーだよ。」
「オスゴーさま、かぁ。私のなまえはオリィだよ!」
「オリィちゃんかー。この子を宜しくね。」
「わかりやしたー!あねさぁん!」
なぜかノリノリになっているオリィちゃん。
「私姉さんって言われたんだけど…」
「私の姉って言ったからじゃね?」
「それもそーかー。」
ツリスはそれで納得したようだ。
「帰るよー。」
「ういっす。」
「え?帰るってどこに?」
「ツリ…あー、オスゴーの家に。後、ツリスはオスゴーの略称だからきいせんといてなー。」
「我が妹に名前呼びされて悲しい…」
「すまん。」
「よろし。」
「息ぴったりだねー。」
ラストはオリィちゃんが占めたとして、私達はツリスの部屋に戻る。
「ただいまー。」
「おかえりー。」
「ツリスは私と一緒に帰ってきたでしょ…」
「別にいいじゃん。同じ同じ。」
まー、ツリスの妹だから、私もこの空間が家なのかな?
自分で言ってて訳分からなくなるのは日常茶飯事だと思う。
「しゅじんの耳すっごくモフモフー!」
「さっきから耳くすぐったいと思ったらオリィかー。」
「懐かれてるねぇ。」
「まだ出会って時間も経ってないのにね。」
「ふー…」
「ふにゃぁ!?」
耳に息を吹きかけられ、体勢を崩してしまった。オリィちゃんは大丈夫かと思ったが、とっくにミニサイズになっていた。
「ふひゃひゃひゃ!おもしろーい!」
「こんにゃろぉー…まぁ、こんくらいでキレてたら人でなしって呼ばれるからなぁ…」
「本当に懐かれてるねぇ。」
「あはは…」
そうこうしているうちに、ラデルちゃんが起きた。
「んー?しゅじんと同じ耳がついてるけどー、尻尾がちがーう。」
「えっえっ?なになに?」
オリィちゃんはラデルちゃんを一回りした後、私の尻尾に飛び込んできた。
「ねーちゃん、さっきお姉ちゃんの尻尾に飛び込んでいった小さな子って誰ー?」
「んー、オリィって言って精霊らしい。どうやら懐かれたみたいでさぁ…」
「わーい!綺麗な毛のぷーるぅ!」
表現どうにかならんのかと思ったけど、突っ込んでもめんどくさいのでやめる。
この後、オリィが非雨の尻尾の付け根をこちょこちょして、非雨が悶えたのはまた別のお話。
ちょっとオリィについて説明をば。
オリィは基本的、20センチくらいの体長だが、主人の魔力によって成長することができる。
本編では描写してないけど、魔力が切れてミニサイズになったようです。
最近忙しい癖に絵の練習をしている矛盾。
無理せず皆さんに見せれるくらいには上手くなりたいです。