五十八話 スキンシップ?
予約投稿その16
かわいいなぁ。
ご飯が出された。
私達はそれを食べた。
美味しかった。
○○○○○○○○○○○非雨
っとどこぞの孫ラブ老人みたいなことをやってないで、素直に言おう。
O.I.SI.I、まる。
ただそれだけ。その四文字…ローマ字だと六文字…に限る。
ちなみにご飯はラーメンだった。何度食べても美味しい。
…
…
さて飯の感想をし終わったし、何しようかと思ったら、さっき起きてついでにご飯も食べたラデルちゃんが、
「ご飯食べ終わるまで言わなかったけど、お姉ちゃん、何その髪色、かっこいいよ!」
と言ったのだ。
ん、やっぱそこ思うよねー。かっこいいと褒めてくれたのは嬉しいけど。
「魔力訓練というものをツリスとやってたら急にこうなった。どうしてこうなったかは分からないや。」
「青白い髪はなんだか神秘的に感じるよね…見惚れちゃうよ。」
「そお?戻ったらこの髪色に染めてみようかな?」
ラデルちゃんと話していると皿を洗ってきたツリスが戻ってきた。
「ちょっくら神同士の会議行ってくる〜。なんかあったらレサイラに言ってね。多分7時くらいに帰ってくると思うからー。」
唐突やね…ま、神同士の会議ってありそうだからね。
っと今は午後の1時ね。6時間待ってることになるのね。暇になったら寝ればいいだけだし。
「じゃ行ってくるー。」
「「行ってらっしゃーい。」」
「行ってらっしゃいませ。マスター」
ツリスは光に包まれていき、消えてったが多分会議会場に行ったのだろう。
「さて暇になった訳だが…何やろ…」
「私は仕事に行って来るので、何か困った際にはお呼び下さい。」
「うんわかった。ありがとうレサイラ。」
「お褒めに預かり光栄です」
レサイラは仕事室に行った。私も暇なので手伝ってみたいがズブの素人が手伝うと逆に仕事を増やしそうだからやめる。
「ねーねー、お姉ちゃん。尻尾見せてー。」
ラデルちゃんが尻尾を出してと要求したが、暇なので出してあげる。ちなみにまだ髪は元に戻ってない。
尻尾を出すとラデルちゃんがすりすりしてきた。微妙にくすぐったい。
「お姉ちゃんの尻尾、ふっかふかで気持ちいいなぁ…」
「う、うん、そうだね。」
「ん?なんで顔赤らめてんの?」
「く…くすぐったい…」
顔に出てたのか…
「んー、こういう姉ちゃんも可愛いね。私が男だったら結婚を申し込んでたよ。」
そうかもしれないね。と返しておくがまだすりすりを続けており、ちょっと声に出してしまうことがあった。
「今度は私が姉ちゃんの尻尾の毛づくろいする!」
急にラデルちゃんがすりすりをやめ…てか私の尻尾に埋もれていた顔を出しそう言った。
身近にあったくしをラデルちゃんは回収し、私の尻尾の毛を整えていく。
「あー、気持ちいいー。そこそこー…」
人から毛づくろいされるのもいいものだなと思う。気持ちいいからどんどんやってほしい。
「姉ちゃん姉ちゃん、私の尻尾もやってー。」
気づくと毛づくろいは終わっており、立派になった尻尾があった。
「ほー…立派…」
「えっへん!そうでしょそうでしょ!」
さて、ラデルちゃんの尻尾を整えてあげるか。
「どう?」
「気持ちいい〜。人にやられるとこんなにも気持ちいいんだね!」
上手く出来ててよかった。といっても昔猫を飼っててブラッシングかけてたことを思い出してやってるんだけどね。
「ふみゅぅぅ…きもちいい〜…」
あくびをしながらラデルちゃんは言った。さっき起きてご飯食べたばっかなのにもう眠たいのかな?
と、もう整え終わったかな、と思いくしをしまった。するとラデルちゃんはすこし悲しそうな顔で
「もう終わりなの?」
と言った。心に響くッ!やらざるを得ないね。うん。
そして追加で10分ほどやってあげたら満足したようだ。
さて、やることはない…何やろう…
「お姉ちゃん!添い寝して!」
…やる事が今ちょうど増えたみたいだ。
すぐ近くにベッドがあったので、ラデルちゃんと一緒に寝てあげる。
正直言って、添い寝ってどうすればいいんだろうか。ただ一緒に寝て、たまにラデルちゃんを撫でてあげる、とかすればいいのだろうか。
思い立ったら即実行。一緒に寝ているラデルちゃんになでなでしてあげる。
「ふみゃっ!?ってお姉ちゃんか、 びっくりした…」
驚かせてしまったが、そのまま優しく撫でてあげる。しばらく撫でていると、ラデルが寝た姿勢のままで抱きついてきた。
「ん?どうしたの?」
「ぎゅーーー…」
ラデルちゃんは思いっきり抱きついて離れようとしない。これじゃまるで私がラデルちゃんの抱き枕じゃないか。別にいいけど。てかむしろ嬉しい。
「今はいいけど…この前は出来なかったんだよね。ご主人さま。」
「ん?今はラデルちゃんの主人じゃない。姉だからね?」
頭から抜け落ちてたけど、この子、元奴隷なんだよね。今は私を姉の様に慕ってくれてるが。嬉しいものだ。
この話で気付いたことがあった。その事をラデルちゃんに言ってみる。
「あの時を思い出す感じになっちゃうけど、ラデルちゃんに聞きたいことがあるんだ。」
「ん?なに?」
「実はラデルちゃんを助けようと思ったのはね、ラデルちゃんがまだ奴隷だった頃、ラデルちゃんがいた店を通ろうとしたらはっきりとした声で助けを求められたんだよね。それでラデルちゃんを助けて今に至るわけだけど…あれってラデルちゃん?」
「あの時は多分倒れると思うので、私が助けを求められる状況じゃなかったと思うんだけど…」
ん?じゃあ他の誰かが私に助けを求めたのか?謎が深まる。
「この事を聞いてごめんねラデルちゃん。」
「別に大丈夫…だけど…」
「だけど?」
「あの時…姉ちゃんに助けられてなかったら、私って今頃どうなってたんだろうって。」
あ、やっぱりまずかったか?この内容。
「でも、今姉ちゃんに助けられたからこそ、今があるんだよ。本当にありがとう。姉ちゃん。」
ラデルちゃんの顔を見てみると、一筋の涙が垂れていた。私はその涙を拭いてあげて、こう言う。
「こちらこそ、ありがとう。そして、これからも姉妹としてよろしくね。」
「うん!」
私はラデルちゃんをまた撫でてあげる。すこしラデルちゃんは私の話で嫌な思いが蘇ってしまったかもしれないし、落ち着かせるため撫でてあげる。
ラデルちゃんは更に強く抱きしめ、顔をすりすりしている。今私が着ている服にボタンやジッパーが無くて良かったと思う瞬間であった。
「しばらくは姉ちゃんと一緒にいたい…」
「私はこの後寝るから、好きなだけいると良いよ。」
私は目を閉じ、寝始める。そして眠りにつこうとした時に、
「お姉ちゃん…大好き…」
と聞こえた。眠りにつきかけていた私はその言葉を曖昧に受け止め、完全に寝た。
「…………」
ツリスは会議から帰ってきて、その場の雰囲気に絶句した。
自分の妹2人が、自分のベッドで抱きつき合いながら寝ていたのだ。
ツリスは無理に起こそうとせず、カメラで寝ている彼女達を撮ったのだ。
そして多分もう起きるだろうと思い、ツリスはご飯を作り始めるのだった。