五十六話 また温泉
予約投稿その14
タイトルが思いつかん…
ツリスと一緒に温泉に行く事になった訳だが、ラデルちゃんを寝かせてから行く事になった。ラデルちゃんに全ての事情を話してないからだ。
「んー、ペルさんも誘おうかなぁ…」
「別に良いんでね?」
「じゃ誘おうか。」
ツリスはペルさんの所に向かったのであろう。体が光と共に消えた。
いつもはすぐ来るのに、30秒くらいしてもツリスは来なかったので、ソフランちゃんを呼び、待機する。
ツリスが呼びに行ってから1分が経過した後に、ツリスとペルさんが現れた。
「ペルさんこんばんわっす。」
「なぜ後輩風に言う…それにしても大変なんだな非雨も。」
「まぁ、おかげさまで。精神まで女になった方が楽かもしれないですがね。」
「そうか。それで元男の非雨と一緒に温泉に行く訳だが、今更気にしたって気にしないよ。」
「むしろ気にしたら私がやばい気が…この話はやめにしよ…温泉行くか…」
「じゃ、行くよー。ソフランちゃんも一緒だから楽しもー。」
「はーい。」
私はツリスに連れられ温泉に行く。
さて、着いた。この前行った温泉宿と同じだ。ツリスとペルさんは目の色と髪の長さを変える変装をしている。
「お客様は4名様ですか?」
「あぁそうだ。」
「当店の温泉が1ヶ月無料になるフリーパスを販売してますが、お買い上げになりますか?」
「いや、いい。」
「申し訳ございません。では、当店の温泉をお楽しみください。」
前行った時には無かったフリーパスなるものが追加されていた。こういうシステムは温泉好きな人にとっていいシステムになるのではないかと思っている。
時刻は夜の11時である。温泉宿は私が知る限り午後の9時くらいに一般客が入れなくなり、温泉宿に泊まっている人だけ12時まで使えるというやつだったが、ここは24時間いつでも入れる。先程のフリーパスのやつは1ヶ月の料金がお得になる類のやつだろう。
ストッパーをかけられているため、服を脱ぐ際に胸のモヤモヤがきたが、すぐに消えた。
前来た時にも無かった備え付けのバスタオルを巻き、温泉に入るための掛け湯をして温泉に入る。
特に疲れてもないので美容にいい温泉に入る。ソフランちゃんはペルさんに着いていった。ツリスは疲労回復の効能がある温泉に入ったらしい。
だんだんと体があったかくなり、何も考えずぼーっとする。
しかし夜の11時を回っているのにもかかわらず人はまぁまぁいる。敷地が広いため人はいいように分散されているが、私が今入っている湯に誰もいないとはある意味奇跡なのではないかと思う。
これ以上入ると完全に逆上せてぷきゅ〜…となりそうなので、お湯から上がり、冷水に入る。
「ひやぁ!?」
あまりの冷たさにびっくりしたが、徐々に慣れ体を冷やしていく。ラデルちゃんはこれを使わずに完全に逆上せたのかな?
冷水に入ってから5分。逆上せた体もすっかり冷え、またあっつい温泉に入ることが出来る。んー、どこに入ろうか。
どこに入ろうかとしばらくうろちょろしていると、ソフランちゃんをおんぶしたペルさんが現れた。
「ん、非雨か。ま、見ての通りソフランちゃんは完全に逆上せている。人格として戻したらどうだ?」
「じゃ、そうします。」
ソフランちゃんを人格に戻し、どこの湯に入るかとうろちょろしようとしたらペルさんから呼び止められた。
「その様子だとどこに入るか迷っているようだな。私が気に入っている湯があるから行くか?」
「じゃ、着いていきます。」
ぺたぺたと歩いているとペルさんのお気に入りの湯に着いた。えーと効能は…アルコール鎮静(弱)と美容…か。酒好きのペルさんにはうってつけの効能やね。弱ってのが気になるけど。
「ま、入りなよ。美容にもいいからさ。」
……ここの湯に、おぼんと湯のみを浮かべてる人が居るんですが…大丈夫か?ってペルさんも置いてる…あれ?どっから出した?
「温泉で酒らしき液体を飲んでいいのか…?」
「追加料金を払えばいいらしい。もう払ってるがな。」
追加料金でいいのか…世の中金だね…
ま、私も入ってみるか。酒は飲まない…飲めないけどね。
「んでさ、少しだけ気になったんだが、ソフランちゃんを実在…実現?している時に、非雨の魔力が弱まってるように見えたんだよ。」
酒を飲みながら言ったペルさん。心なしか顔が少し紅い。逆上せてるのか、酔いが少し回り始めたのか、どっちかはわからないけど。
「まじっすか。何も感じないですけど…」
「魔力を少し持っていってるみたいだな。普通に暮らす分には問題ないが、戦う時とかは向かないだろう。」
もう戦う機会とかはないと思うが…
その後、色々と話し合い、微妙にペルさんが酔っ払って来たので私はそろそろ上がる。体がいい感じに火照て、あったかい。
使用済みバスタオルを規定の場所に置き、着替え直す。新しく買った服を持って来たが、着心地が物凄くいい。
髪の毛をドライヤーで乾かし、ツリスから貰ったお金でジュースとアイスを買い待機する。
しばらくするとツリスが上がり、その15分後にペルさんが上がった。
そして私達はツリスの部屋に帰る…
「おや、お帰りになりましたかマスター。」
…え?誰この人。見た目は20代後半の女性だが…
「ん、非雨には紹介してなかったっけか。この子はレサイラ。えーと、秘書的な立ち位置かな?」
「非雨様、マスターの妹として聞いていましたので、お目にかかり光栄です。」
秘書かー。まぁツリスにも仕事がある…よね?あるから秘書雇っているんだよね?多分。
「雇っているって言うか、なんて言えばいいんだろ、従者的な感じかな?といっても何も関係ないやつを従者にするのもなんだから、世界で重大犯罪を起こしたやつを呼び出したんだよね。」
「え?それ大丈夫なの?」
「私の能力をなめるでなぁい。心を読める能力があるじゃろ?色々と何か出来ないか模索したら記憶消去と忠誠儀式か出来るようになったんだよね。」
「マスターからは前世が重犯罪者とお聞きしており、大変申し訳なく思ってます。いずれかは自害しようかと思っていますが…」
「いやいや早まんないで…毎日反省を続けていれば神も許してくれるよ。多分。」
あんたが神じゃろっていうツッコミをしたい。
「後は書類処理だけですが、どうします?」
「完璧にお願いする。終わったら寝てもいいぞ。」
「仰せのままに。」
うまく使ってんなぁ。と思っていた。
時刻は深夜0時を指している。
「んー、私って元の世界に帰れないん?」
「あと2日は帰れないかなぁ…まだ期限が終わってなくてね…」
「別に大丈夫だけど…」
その後、少し話した後の出来事は覚えていない。多分寝落ちしたのだろう。