五十三話 二度目とラスト
予約投稿その10
今回も短い…かな?
巨大蛇の討伐依頼が出された場所はどこかの森。
私はそこに向かう。いつも(?)通りにゴブリンが出てきたので首に蹴りを入れたらそのまま倒したっぽい。
さてと…いるかな…
…1時間後…
うん、ゴブリンやオークとかがうじゃうじゃ出てくるだけで目的のやつはいないじゃないかよぉ…
っと、ちょっと強めな気配。そこに向かってみると…
居たーーーー!
やっと見つけた…って私が倒した死体を食べてるし…まるでの○○のバイオ○ザー○のゾンビみたいだね…
さて、私の存在には気づいてないようなので、前回みたく氷魔法で頭を砕こうかと思ったら、
「うわッ!痺れッ…!」
突如痺れを感じ、嫌な予感がしたので無理矢理体を動かすと、少し前に私が立っていた場所に刃物の雨が降っていた。
「痺れた体を無理矢理動かすとは…やるじゃないか。たが、その命刈り取らせてもらうがな」
あー、えーとえーと、誰だっけ…
ああそうだった、ザウスだザウス、あの時レーザー当ててトドメを刺さずにどっかいったやつ。
「えーと、どちらさんですか?」
私は名前だけしか知らない男に向かって問いてみた。
「名前?これから死ぬやつに教える義務はない…だがこっちもお前に一回殺された身。この恨みは晴らわせてもらうぞ。」
…はい?
「私、貴方のこと殺しました?会うの2回目だし、攻撃もしてないし…」
「惚けるな!一回私を殺したじゃないか!そのために魔王様から授かった力を大幅に使う羽目になったんだぞ!」
…ぬ?魔王?ティラちゃんの父さんの?
えー…こいつ、もしかして魔王の手下系ってやつ…?色々と面倒だな…
「とにかく、我が力、お前の魔力で回復しようではないか。」
そう言うと私の痺れがもっと酷くなった…
「ち…ちぉぃとひちぃ…」
なんか呂律が回らなくなってるのは気のせい…?
「そして…オラよぉ!」
「いっ!?」
私は痺れる体に鞭打って体を動かして投げられた物を躱した…と思っていたら、
「ふぎゃゃゃゃ!!!!」
おもいっきり地面に体を打ってしまい、体が痺れているのでその痛みでさらに痺れが増して痛くなったのだ。そして次の瞬間、
「あっ!があああああああああああああ!!!!!!」
なんと私の首筋が切れて、大事な血管に傷が付いてしまった。
「お?避けられたが首に掠って切れたようだな…しかも結構なダメージじゃねぇか。」
「うぐぐぐぐ…はぁ……はぁ……」
痛みは我慢したが視界が段々と黒く染まる。ソフランちゃんに治してもらいたいがもし出したら殺されてしまうだろう。
「お、立ち上がったな。じゃあ仕上げの魔力吸収と洒落込むか。」
「ぐぅぅぅ…くそぉぉ…」
もはや痺れによる痛みか首の痛みかはわからないが、多分私は死ぬだろう。ツリス&ぺルさんの保険があるから生き返るだろうが、やられっぱなしでは納得いかないので、せめて一泡吹かせてやろうと思った。
「く、あああああああ!!!!」
私はMPを全開放して魔法を放つ。使う魔法は炎の拡散系。
「あ?諦めたか?」
もう半分諦めてるけどね!さて、発射準備完了!
「オラァァァ!ぶっ放てぇぇぇ!!!!」
「おわっ!拡散した!あちぇぇぇぇぇ!!」
これで終わった…はぁ…二度目の死、か…
「いくら保険があるからって…この痛みはなんとかなんねぇのかよ…」
1回目の死と同様、血液が沢山流れているため体が冷えてきて、首は痛いし、身体中の痺れはまだ収まってない。
「まぁ、一泡吹かせたし…い…い…か………」
そこで私の意識が途切れた。
「あっちぃ…なんなんだよあいつ…まさか炎が拡散してくるとは…」
…
「んで、あの小娘は…っと見つけた…って死んでるじゃねぇか。」
…
「魔力は…ちっ、微々たる物じゃねぇか…せっかく」
…
「無限復活で自分の魔力を大幅消費して蘇ったってのによ…そして、こいつ、どうやら人違いだったな…」
その男は魔力を補充するために、再び森を彷徨う…
「あーー…私、いき」
「ひぃぃぃぃぃあぁぁぁぁぁ!」
「ごふぅ!!!」
誰かの頭が私の頭にクリーンヒットした…
「いちち…ってそれどころじゃない!大丈夫!?怪我はない!?ちゃんと元通りに治ってる!?」
あ、ツリスか…えーと、確か首と同時に血管も切られて痺れて魔法ぶっぱした後に死んだんだっけ?
私は切られた首筋をなでてみる…うん、傷一つない首の触り心地があった。
「ん、治ってる。ありがとう。」
「はぁぁぁよかったぁぁぁぁやっぱり異世界に飛ばすんじゃなかったぁぁぁーー…」
いや結構楽しかったから良かったけどね!料理とか絡んでくる男をボコボコにしたりウォナテさんと話したりとかさ。
「あのざうすって言うやつ、こんどペルさんと協力してボッコボコのけちょんけちょんにしてやりゅー!」
…この人酔っ払って…ないね。興奮しただけか。
「ん、私があの依頼受けたから死ぬ事になったんだって。気にしないでツリス。」
「非雨が気にしなくても私が気にするのー!とにかく後でボコボコにするかんね!」
…ザウスさん、ご冥福をお祈り…しないでおこ…
「そいやラデルちゃんは?」
「いつも通りに私のベッドで寝かせてる。」
「そりゃ良かった。」
あの世界でラデルちゃん一人ぼっちだったら…考えるだけで恐ろしいね…
「非雨!とにかく私を心配させた罰として私のわがまま聞いてもらうよ!!」
「お…おう。」
後で聞いた話だが、私は三日間寝続けたらしい…そりゃ心配するわな…
異世界編は終わり…ではないです。
ツリスのやつが終わって番外挟んだら多分異世界編は終わると思います。
ザウスのスキル、無限復活はキャラ紹介にて。