四十二話 救う手立て その2
新キャラの名前と性格がキマラナーイ…
「んー、よっとぉ!」
私は起きた。まだ奴隷…いやこの呼び方はやだな…女の子で言うか。名前を聞きたいねぇ。
さて、まだ女の子は起きてない。なんて言えばいいのか、ソフランちゃんの治癒力が高いが、副作用として深い眠りにつく的な感じか?
いや、私レーザーを直で受けた時にソフランちゃんから治癒してもらったけど、眠くはならなかったからな。結局はまだ意識が戻ってないのかな?
さて、奴隷の食生活は私が思うに、酷いものなのかもしれない。どっかの漫画で泥食わされてるとこを見たけども…ないと思いたい。
さて、奴隷が売られていた所には、『奥に行くほど弱いやつがいる』と書いてあった。
…飯をろくに食わず弱っていったのかなこの女の子は…
この考えが正しければこの子は胃が弱っている…のかな?わかんないが、風邪になった時まともなもの食えなかった時、治った直後の食事はお粥…半固形って言えばいいのかな?それを作ろうかと思う。
この世界に米はない…いや、あるかもしれないが、ただ単に私が見つけてないのかもしれない。
だがしかし、パンならある!俗に言うパン粥を作ってみようではないか!
しかし、私は作ったことはない…お粥みたいな作り方でいいのかな?
作ってみるかね…
…
…
うん、なんとかそれらしい物は出来た。鍋の中にお湯を入れ、パンを入れて、ほぐれた後にコーンと卵を入れてみた。
味は…仕方ない、これを二食くらい食べされたらご馳走を作ってあげよう。
てか、ソフランちゃん、いつの間にか人格として戻ってた。私が起きた時、可愛い顔でスヤスヤ寝てたのに…顔をもうちょい拝みたかった。
と、ここで女の子が起きた。声をかけてみようか。
「あー、こんにちは、元気?」
「!ヒェッ…」
あー、うん、そりゃこうなるわなぁ…こんな小さい女の子があんな酷い目にあったらトラウマの一つや二つくらいはあるよなぁ…
心身共にケアするとは言った。体の方は治療出来た。問題は心。私はただの女の子、学校とかのカウンセラーの人でもない。んー、優しく問いかけて行けば心は開くか?
うん、今すぐネットで『トラウマを負った女の子の心のケアの方法』って調べたい…
だがそんなものに頼らず私はこの子をなんとかしてあげたい。
「あのー、君の体を見て気付く事はないかい?」
「え?」
私は出来る限り優しい声で問う事を頑張る。ゲーセンで迷った幼稚園児の対応法みたいに…
「な…治ってる…」
「別に治ったからってどうこうするつもりはないよ。」
「わ…私をち…りょうして…また売りつける気…なの?」
あぅ、今度は泣きながらそんな事を言うか…しかも地味に心にジーンとくるッ!鼻血が出る…ヤバイ…
「そんな事はないよ。私は君を助けたくて…えーと、とにかく助けたかったんだよ。」
こんな純白無垢な女の子に『自分を購入』って言う表現は良くない…そのおかげでちょいと無理矢理感が出てしまったが。
「ご…御主人様は私を…傷つけたりはしない…?」
「当ったり前だろぉ!」
「ひぃぃ…」
「あぁぁ、ごめんよぉ〜…」
びっくりさせちゃったなぁ…しくじった…
さて、私は獣人化してみる。同じ獣人としての反応を見てみたい。
「…?御主人様、何をしてるの?」
「ん、獣人化しただけだよ?何かある?」
「…ただの人が…獣人に…」
ん?珍しいのか?私みたいな獣人化はともかく、獣人は幻覚魔法とかで耳とか尻尾とか隠して人間のふりをしてるものじゃないのかな?
てか私は獣人なのか人間なのかわかんないな…半獣人半人間的な…獣と人のクォーター的な…ってそれが獣人じゃん、何考えてんだ私…
「珍しいの?これ。」
「いえ…耳と尻尾が明らかに違う気が…」
「後で話すよ。それよりお腹空いてない?」
この子にいつかは私の秘密を明かさなきゃな…
「い、いえ!まだすいては…」
…女の子のお腹が鳴った。お茶目な子め…可愛いじゃないか。
「かああああ…」
あ…顔を赤らめてんな…なんで女子はお腹が鳴っただけで恥ずかしがるのか、別に人はお腹が空くもんだし、腹が鳴るとてそんな恥じることもないと思うが。
「空いてるね、お腹。」
「い、いやっ!別に気にしないでぇ…うぅぅ…」
「君の分のご飯作ったけど、食べるかい?」
てか食べてもらわなきゃ困る、ただでさえあそこではまともなもん食ってないだろうし…
「御主人様の手間を掛けさせる訳には…」
そう来たか…奴隷という物は難しいな…
「手間?そんな事気にしてたら私は君を助けなかったよ?」
「えっ?」
「私は奴隷と言う立場をそんなによく思ってない。私は堅苦しいのはやなんだ。御主人様とかそういうのも。」
「…はい」
「だからさ、そういうのは抜きにしてこれからは名前呼びで読んでほしんだ。」
この子は可愛い。だが奴隷と言う立場。いずれはその立場から抜け出して欲しい。私はそれを出来る限りサポートしてやりたいし。
「で、でも…御主人様が…」
…そうくるか…ではごり押しでなんとかしよう。
「私の名前はユキヒア。君を同じ獣人として助けるよッ!」
「あ、はい。」
あれ、反応うすーい…呆れられた…とかは無いよね…
「それよりご飯食べる?」
「御主人様はいいんですか?」
名前呼びじゃなーい…ま、後で矯正するとして。
「君の為に作ったご飯だから君が食べなきゃ意味がないんだよ?」
「うぅぅ…分かりました…」
あれ?この言い草はまずかったか?言い方に気をつけなきゃ…
私はパン粥もどきを持ってくる。
「君の為に柔らかい物を作ったんだ。さぁ、お食べ。」
「…毒とか入ってないですよね?」
毒ゥ!?え?そんなに奴隷売買所の飯は酷いものだったの!?
「そんな訳ないじゃない…面白いジョークだね…」
「分かりました…いただきます…」
よしよし、ちゃんと食べてくれて良かった。後はお口に合うかだけど…
「うぅぅ…美味しい…美味しいよぉ…」
泣くほど美味いのかな?それとも久々にまともなご飯が食えたことに対する喜びか?
「ねぇねぇ、初めて作ったんだけど、そんなに美味しい?お口に合って良かったけども。」
「…はい。あの頃はまともな食事が取れなかったので…気に障ったらすいません…」
後者の方だったー!そんなに酷かったのか奴隷売買所の飯は。
「大丈夫…大変だったね…」
私は女の子を抱きしめ背中をさする。
買った当初は無かった、肌の温もり。私が買わなかったらどうなったのだろうか。そのまま死んでたか、買われたが性奴隷に使われたか…
「ひぐっ…うわあああん!!!」
安心したのか大泣きし始めた。とある書に泣くことで気持ちを落ち着かせると書いてあった。今はこの子を気持ちを落ち着かせよう。
…
…
…
泣き疲れたのか、女の子は寝てしまった。
パン粥を一口しか食べずに、残りは冷めてしまった。また作ってあげよう。
こうして私は、猫耳の女の子を買い、
その子を救う事に決めたのであった。
……名前聞き忘れた…起きたら聞こうか。
大丈夫かな…私…
この回の話と終わり方変だけど気にしないでー!
もう少ししたら新メンバーの視点回も作りたい…




