四十一話 救う手立て その1
四十過ぎたら書こうかな?
って言いましたが、今回はキャラ紹介はスルーします。
ぶっちゃけ、キャラ紹介を多くしてもなぁ…と思うんですよね。
「いらっしゃいませー、当店は奴隷を仕入れていますがっ…おっと、子供がこんな所で何の用です?」
うむ、人を仕入れてるって言う発言だけで闇が深いね。それを今買おうとしている私もどうかと思うが。
さて、馬鹿正直に話すとなれば、『声がここから聞こえたような気がするので買いに来ました』…絶対信じてもらえないな。てか帰される。
「冒険の手助けとなる奴隷を買いに来ました。」
「お?その発言、冒険者か?見た目の割に強いんだな。とりあえず、奴隷一覧を見せてそっから選んでいけ。」
見た目の割にって、失礼だな…
私は奴隷が入れられている場所に行く…
…
…
…
「お、俺を買ってクレェ!」
「お、れを助け、てぇ…」
どうやら、奴隷は簡易的だが、人間は破れそうでない檻に入れられているみたいだ。
しかしこいつらじゃない。私に助けを求めた奴らは。てか、目が欲に塗れていないかこの2人…買ったら襲われそう…色んな意味で。そして立場逆転して私が奴隷コース…ブルブル…怖…
いや、まずコイツらは買わないでおこう。間違っても買うものか。
…
…
…
色んな奴隷を見てきたが、全員違う。
どうやら、奥に行けば行くほど、弱った奴隷が入れられているみたいだが…んー、気のせいか?
「コイツで最後だが…コイツは恐らく死ぬだろう、もって1、2日だな。」
そういって指差して行った先には、黒い痣だらけで、一箇所だけだが、切り傷で、血を出し切って変色している肌、そして、横になってピクリとも動かない…多分猫の獣人。
耳も尻尾も傷だらけだし、毛が荒れている…
倒れて時間が経っているのか、少々埃も被っている。
「あ…あぁぁ…」
可愛そう…なぜこうなったか私は知りたい。それに、もしかしたらこの子が…
「コイツは両親に売られた後、様々な奴隷売買所でたらい回しにされ、のちに暴力もふるわれ始め、最終的にここに流れ着いたわけだが…これを買うのかい?」
これて…こんな幼気な傷だらけの少女を物扱いするコイツに嫌悪感を抱いた。
「…買います、この子を。」
「いいのかい?こんな奴を買うよりももっといい奴隷がいるのだよ?」
「買います。買わせて下さい。」
「はぁ…物好きだねぇ…といっても、ここで死なれても廃棄処分になるだけだし、ほぼ死体と言えるものを買い取ってくれただけで儲けたな。」
下衆が…くそ…コイツに対して何もできない事が辛い…
てかもう『もの』って言ってるー…言動どうにかならんのか、吐き気がする…
「こいつは死にかけだし、対して価値もないから銀貨1枚で売ってやるよ。」
価値…人に価値か…昔の日本も奴隷っていたのかな?もう腹が痛い…
「はい、買います。」
そして、この奴隷を買った私も、どうなるだろうか…
「よし、契約書に自分の血と名前を書け。これで買取成立だ。」
私は檻の尖った所に指を擦り付け、血を出す。痛いが、この子の痛みに比べれば…
紙に自分の血が垂れ、染みる。そして羽ペンでユキヒアと書いた後、極小の解読不可能な魔法陣が現れ、塵となって消えていく…
「よし、これであいつはお前の物だ。煮るなり焼くなり性行為に使うなりご自由に。」
…最後までこいつは私を腹立たせるのか…
私は冷たく、だが生命の息吹はまだ消えてない少女を背負い、宿に帰る。
…
…
…
主人「お帰り…久しく帰ってなかっ…どうしたその少女は!?」
ユキヒア「静かに!後で話しますんで!」
まずは常識人なら誰が見ても酷いと言えるこの傷を治す。傷が多くてちまちま治していたら時間がすぐ無くなるので、一気に治す。
…
…よし、傷は閉じた。次は我が妹であり治癒のスペリャリストのソフランちゃんを呼びたいが、ここは宿の入り口付近。周りには主人。今ここでソフランちゃんを見せると面倒なことになりそうなので、自室でやる。
ユキヒア「あと少し!」
私は宿の自室に移動する。
よし、着いた。
いでよ!我が妹ッ!ソフランちゃん!
ソフラン「はぁぁぁい!なぁにお姉ちゃ…この子まずくない?」
ユキヒア「そう、だから治してほしくて呼んだんだ。」
ソフラン「治してみるッ!」
お、ソフランちゃんやる気モード。頑張って!
…
…
ソフラン「とりあえず、足りなかった血液補充と、色々体を蝕んでる病原菌の除去、かんりぉぉぉ…疲れたぁ…」
うん、説明ありがとうソフランちゃん。
ソフラン「もう寝る…お姉ちゃんいっしょに寝よ…?」
ユキヒア「うん、私もちょいと寝るわ。この子起きたら大変だけど、心身共にケアしなきゃいけないからね。」
私はさっきより肌色が良くなったこの子を抱き、布団に寝かせる。よーく見たらこの子の肌、めっちゃ綺麗やん。なんでこんな可愛い子がねぇ…
とりあえず、少しソフランちゃんと寝よう。
起きたら、大変だろうが、頑張る。てか頑張らなきゃいけない。同じ獣人同士ね。
おやすみなさい…
せめて五十話なったら書こうかな(予定)
期待はしないでね。