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『元』少年は姉妹になったので次女になる  作者: ただの雪餅
本格的に茶番の世界で愉快なぱーりない
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茶番五十一話 旅やバイトをする雪くん

 電車の中からこんにちは、どうも雪餅ですぜ。


 今はリアル電車ぶらり旅と言う事で、高校の友達から切符を貰い、行くことにした。

その友達は電車や交通機関に詳しく、電車やバスなどの走行車の細かい違いなどや、運行ダイヤなどにより、どこで降りたら一番階段に近いかを知っている人だ。おかげて結構助かってます。


 なので、うちもなんとなく旅がしてみたいなぁ〜、と思ったので、友達に付きあい地方の景色を見にいく。

 新幹線とはまた違う、田舎の景色にはイイネ。今は稲穂が刈り取られて、さっぱりとした田んぼだが、刈り取られた稲からまた緑色の芽が生えている所がまた良き良きポイントだね。


 橋を渡り河川を越え、地方名物の峡谷を通り抜けて、眠くなったので少し睡眠を挟んだら、目の前にでっかい寺がある駅に付いた。ここにツリスさんなどの神々のいるのかなと思いつつ、通過していく。


 終点駅に近づくと徐々にコンクリ作りのアパートや民家が増えてきて、自然と都会が共存しているみたいになっている。これこそ、景色には優しいってことだね。

 

 さあ、駅についた。ここからお土産を選ぶターンなのだが…何を選ぼう。色々ありすぎて困るというパティーンに陥ってしまった。餅とか、お肉とか、生菓子などなど…どれも魅力的なものばかりだ。


 まぁまぁまぁ、ここは安牌な生菓子にしておこう。俺も非雨もちびっこ達は甘いものが大好きだからね。実際俺も食べたかった。

 次は…帰りの電車で食べる弁当なのだが…世の中には牛タンが大好きでやまない人がいて、なんでも牛タンにしてしまうほど大好きな人がいる。かく言う俺もその一人なのだが…

 今日は趣向を変えて海鮮系の弁当にしてみようかと思った。ちょうど目の前に押し寿司セットが売ってあった。少し値は貼るが…俺の嗜好のため、胃の中に入ってもらうとしよう。


 ちょうど俺を誘った友人もお土産をゲットすることができたから、また帰ることとする。夕暮れ時の電車に乗ったため、また行きとは違った景色を楽しむことができる。駅前コンビニで買った、地方限定のレモネードを片手に押し寿司を頬張る。んーーっ…うまいっ、すし飯の酸味と魚介の旨さがあって、うまぁい。


 後は元来た道を電車で戻るだけだが…夕日頃の景色もまたいい風情がある。若者なりにわかる風情だが、ところどころ木からこぼれ落ちる夕日の光がまたええんじゃ。


 …夕日を楽しんでいたらいつの間に日が落ち真っ暗闇になってしまった。今この時期はめちゃ寒い。しっぽは生えてるけど、パーカーとか持ってきててよかった。いつもいつも耳が凍え死ぬほどに冷たくなるからね。


 んで、うちが先に降りる駅に到着したので、友達にバイバイして降りることにする。おみやげよし、リュックよし、スマホや財布よし、忘れ物がないので大丈夫。


 帰ってお土産を渡したら、ちびっこーずや非雨が喜んでくれた。センスがないお土産チョイスだったが、喜んでくれて助かった。旅疲れ…というほど疲れてないが、それを癒やすためにお風呂に入って休むことにした。






…………






「雪餅〜。あんたに仕事のお依頼が来たよ。」

「え、ナニソレキイテナイ。」


 急にツリスさんにお仕事を振られた。んまぁ俺は16歳でアルバイト出来るくらいの歳ではあるが…とっても急だ。


「こうなった経緯を話そうじゃないか。この前、かなり前…とまでは行かないけど…最近だっけ…?行った温泉にね、」

「ねぇ、覚えてないの?」

「まぁいいじゃないか。いつ行ったかなんて、行った事は事実なんだから。んでね、そん時行った温泉の店主さんから、

『ツリスさんのとこの娘、挨拶も元気よくて礼儀正しいから、ぜひうちのところで来てほしいんだ。能力とかは気にしないから、長く働いてくれたら報酬も弾むよ。』って来てさ。」

「え〜…めんどくさい…けど小遣いも無くなってきたし…ツリスさん、そこの店主さんは大丈夫なの?」

「大丈夫。私はそこの常連だから。大丈夫大丈夫。いざとなったら念話で呼んで?助けてあげる。」


 ツリスさんがいるなら…大丈夫かな?と思った俺はとりあえず現地に向かってみることにした。




 お風呂洗いといっても、片手にスポンジもって必死こいてゴシゴシするものかと思ったけど、実際そうらしい。いくら神さんと言っても、個人経営で老体だからしんどいらしい。神様って言っても、老体ってあるんだなと思った。


「それじゃあ、あとはよろしく頼んだわい。」

「は、はい。説明されたとおりに擦れば良いんですよね?」

「うむ。汚れを皆殺しするように頼んだぞ。」


 言い方が物騒だが合っているためやっていこうじゃないか。


「大丈夫。私がついてる。途中泡掃除のために浴槽いっぱいの水を貯めるけど、その時は私が水中呼吸の魔法をかけてあげるから。」

「ん?おけ…まて、水中呼吸をかけるってことは、そんぐらい深い風呂もあるの?」

「もちろん。私みたいに人型の神様も居れば、巨人みたいな神様も居るのよ?人間も神もグローバル化してきているのよ。」

「ほーほー…そうなってくると大変だな…」

「がんばんなさいな、私はゆっくり手伝わせてもらうわね。」


 ということで……絶対に濡れるから、下着だけの軽装か水着になれと迫られてしまった。うわ、究極の選択じゃん。んまもち下着だけの軽装だけど。水着より下着がいいかもしれない。多分。

 服をぱぱーっと脱いででっかいデッブラシと中性洗剤らしき赤色の液体を渡される。匂いを嗅いでみると…取ってもいい匂いのアロマの匂いがする。たぶん…柑橘系。


 よーし。やるかと意気込んで実際に見てみると…やべ、深い。隕石が降った跡の半球体みたいな感じになってる。ちゃんと登れるように階段はあるけど、デカすぎ。


 階段を降りて…うわぉ、びっしり水垢汚れとかなんか黒い汚れがある。なにこれ…汚れは皆殺しするようにと言われたから、デッキブラシに洗剤ぶちまけてこすりまくる。


 「うわ、泡めっちゃ出た。これは…黒い汚れと泡が混ざって泡が増えてるのか…?」


 泡をどかして床を見てみると、黒い汚れが落ちているため、合っているみたい。同様に水垢汚れも擦ってみたら、泡が増えて汚れも消えた。これを後何百何千やっていくのか、単純作業耐久レースを申し込まれたみたいだ。


「よっしゃ…キレイにして非雨やツリスさんに褒めてもらおう。」


 目標を設定し、円型のまだ自立できるところから、デッキブラシを限界まで伸ばして汚れを落としていく。平行移動でゴシゴシして、汚れを落とす。すると、泡がどんどん下に向かうので、擦ってもいないのに汚れを吸ってくれる。


「泡細かすぎない…?万能すぎ。ヤバ。」


 語彙力をなくしてしまったが、ぐるーっと一周して、一番汚れが溜まりやすい底を掃除して、階段、淵を掃除する。

 あらかた終わったところにツリスさんの声が聞こえてきた。


「一旦水で流すよ〜!上がってきて〜!」

「おっけー!!」


 指示通りに階段を上がり、ツリスさんが瞬時に浴槽を水で満たす。改めて見てみると、でっけぇなと思う。


「後は…洗いきれなかったところをやってきてほしいんだ。水中呼吸の魔法をかけるから、呼吸は大丈夫。」 

「んー、おけ、頑張るわ。」


 水で満たされた浴槽の中を一歩一歩進んで見る。胸まで水が上がってきてもなんとなく進んで見る。大丈夫、自分には水中呼吸があると信じ、勇気を出して水の中に潜る。


「……すげぇ、ちゃんと呼吸できる。」


 息苦しいかと思ったが、そうでもなく、呼吸するたび水の中に空気の泡が出されていく。ちょっと水を飲まないのにはコツはいるかもしれないけど、すぐになれてバタ足だけで泳ぐ。


「準備体操してくればよかったな〜…水の中で足がつったら終わるなぁ…」


 と独り言をぼやきつつ、そこについてぼけーっと立ってみる。


「…不思議な気分。」


 遊びはここまでにして、水の中でも掃除を開始する。水の中では洗剤泡はもちろんあまり立たないから、力押しでやっていく。大体はじめに行ったことと同じだから、すぐに終わった。後は泳げないなりに遊泳を楽しんでみる。


「ぷはー…ツリスさーんっ、終わったよー!」

「よーしおつかれ、後は水を取り替えて湯を出すから、上がってきて。」

「おっけー!」 


 水から上がり、掃除が終わった。他の浴槽の掃除は大変ではないため、店の人がやるらしい。


「はい、今日の報酬じゃ。今日だけとは言わず、また手伝ってくれるとありがたいんじゃのぉ…」

「でも俺ひとりじゃ落としきれないし…ツリスさんがいいっていうのなら…」

「わかったわ。呼んでくれたらこの子連れて行くから、よろしく。」 

「頼もしいのぉ…。」


 ということで、定期的に浴槽掃除のバイトができた雪餅くんでした。


 ちなみにもらった報酬だけど…きれいな首飾り…ネックレスを貰いました。俺がホントの女子だったら喜ぶんだろうなぁと思いつつ、付け所がわからないから勉強机に飾っておくのでした。

ツリスさん「そのネックレス、つけないの?」

雪餅「んー、付け所がわからない。」



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