茶番五十話 はろうぃん
勉強途中からこんちゃんわ。最近もっと髪の毛が紫っぽくなってきて、だんだんしっぽが無くなってきた俺だぜ。
自分のモフれるしっぽが無くなるのは結構寂しいけど、非雨にまたモフらせてもらおう。
さて、なぜ俺が勉強しているのかと言うと、検定のための勉強をしている。大体俺の自己満足だから、特にみんなのためになるってわけでもないけど。
検定の話で思い出したが、先生の検定の言い方が面白かったのを思い出す。それでクラスの奴らにツッコミを入れられてた。だが面白いからヨシ。
勉強勉強勉強…あー…脳がとけるぅ…しんどいー…めんどいー…。
「非雨〜…これ終わったらしっぽモフっていい〜?」
「ダメよん!」
「あぁ、俺は何を生きがいにして生きていけばいいのだ。」
「冗談だよ、勉強を頑張ったらモフらせてあげるから。そんな悲しそうな目をしないで?」
「やったぜぇ。」
餌を自分で垂らすことができたので、その餌をめがけて頑張ってやろうではないか。
……
あぁ、勉強疲れた。超疲れた。爆発するくらいに疲れた。俺の推しである魔王様は、3段活用を使うが、だいたい『疲れた』の3段活用はこんな感じでいいと思う。
と勉強をし終わり、糖分が足りない頭で俺は文化祭の事を考える。もう10月なので文化祭が近いのだ。うちのクラスの男子達が出ると息巻いていたが、俺はそいつらを尻目にボケーっとしていたのだ。ダンスやら漫才をするか迷っているらしい。まぁ俺は知らんけど。
そんなことより、俺は非雨のしっぽとソフランちゃんの癒やしを求めて生きているのだ。あと美味しいご飯も忘れない。そんなおかしなテンションで俺は非雨のしっぽにありつくのであった。
「むふ〜……しっぽ吸い…これぞモフる者の特権…!」
「私を猫だと思わないでくれるかな?まぁ私は、猫成分は入ってるんだけど…」
「よんだー?」
猫と聞いて、ラデルちゃんがやってきた。猫耳としっぽをぴこぴことしている。嗚呼なんて可愛い子なんだろう。小動物みたい。
「そんなにジロジロ見てどうしたのっ?」
「いや、小動物みたいでかわええなぁ、と思って。」
「褒めても何も出ないよっ!褒めるなら姉さんにしてっ!」
ありゃ、顔を赤くしてそっぽを向いちゃった。と、いつもの日常を過ごしていた。
…………
さて、気がつけばハロウィンの日になりました。おっそろしいね、日々があっと言う間に過ぎていくんだもん。
俺がブラブラしている合間、文化祭もあったが、面白かった…のだが。口に出して言うほどでもないなと思い、非雨と俺の思い出話となった。そんな中、ツリスさんが突然乱入してきた。
「ねぇ私の妹達よォ!ハロウィンパーティーするぞぉ!!」
「急にどうしたんだツリスさんや…神さんなのに頭のネジがぶっ飛んでしまったのか?」
「んなわけないじゃんっ、さ、素材とかは私が出すからやろうっ!」
そしてはんばツリスさんの流れに乗るように、雪餅家はハロウィンの流れにもなる。
「非雨はどんな衣装にする?」
「私は…ん〜、どうしよっかな。」
「じゃあ考えてて?私はソフランちゃんとラデルちゃんに聞くから。」
「おっけー!」
「わたしはぐるぐる巻きのミイラ!」
「吸血鬼…でいいかな?犬歯も長いし、吸血鬼っぽく見える?」
「見える見える!」
さて残るは俺と非雨の化けるヤツを考えないと…んーーー…
「雪餅は〜…サキュバスがいいんじゃない?フフ…」
「こらー!!サキュバスなんて失礼だろ!?」
「でも心は男だけど見た目はそんな感じじゃない?違うなら…ハロウィンとは関係ないと思うけど、妖かし的な感じで…そのままでよくない?」
結局そのほうが楽だし…
「じゃあ、私はかぼちゃのピンを付ければ、ハロウィン要素は出るんじゃない?」
「非雨、もっとひねらないの?」
「思いつかないのよ…都市の人たちも、何もしてないのに『ハロウィン!ハロウィン!』と騒ぐのと同じよ?」
それはわかる気がする。けど、もーちょっとひねった非雨も見てみたかった。
さて、ちびっこ二人のコスプレを手伝う事となる。
ツリスさんから本物の包帯をもらって、ソフランちゃんの四肢に巻いていく。
「苦しかったら言ってね?」
「わかったー!」
そして結構緩めに、しかし動いても解けないくらいには巻いていく。両手足、お腹、片目を覆うように巻いていくと…
「どうっ?こわい?」
「結構ホラー感は増したかな?急に来られるとびっくりするかも?」
「おー…がおー!」
「かわいいっ…!」
と俺が萌えているところで…ラデルちゃんの方は、犬歯を伸ばし、目を魔法で紅くして、ツノ付きカチューシャを付ければ…
「ばーんぱいあー!お菓子くれなきゃ血を吸っちゃうぞー!」
「きゃー!!おかしおかしー!」
「わわっ、ごめんよソフランちゃんっ!」
ソフランちゃんが驚いてしまった。それをなだめるラデルちゃん。まだまだこれからだと思うから、俺もびっくりしないようにしなきゃ。
そしてコスプレ大会が終わり、俺はそのまま、非雨は髪を結びかぼちゃピンを付ければ…
「後、私が持ってきた食材を乗っければ…」
「ねえねえツリスさん、出すのはいいけど。テーブルの大きさ、足りなくない?」
「ん?そんなの大きくするのに決まってるじゃん?」
そんな『当たり前でしょ?何言ってるの?』みたいな顔をしてテーブルを大きくするのをやめなさい。地味にツボなんだから。
テーブルの上にパッと指を振らせたら、あっという間に大きくなってしまった。普段このくらいのサイズだったら丁度いいのにな〜…と思ったりする。
テーブルも大きくなったので、料理も出てくる。基本的にかぼちゃまみれだ。中にはパンプキンポタージュで煮込んだお肉もある。どんな味がするのか楽しみだ。
こうして、雪くん達のハロウィンが始まったのである?
非雨「何が一番美味しかった?」
ソフランちゃん「かぼちゃケーキ!」
ラデルちゃん「かぼちゃソースをつけたお刺身!」
雪餅「ワイはお汁物」
ツリスさん「私は全部かな〜?」
雪餅「それずるい」
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