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『元』少年は姉妹になったので次女になる  作者: ただの雪餅
本格的に茶番の世界で愉快なぱーりない
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茶番四十三話 ラデルちゃんが遊ぶお話(後編)

前回のあらすじ

ラデルちゃんがやってきたぞ!

ラデルちゃんがやってきて3日経った。今じゃ第2のアイドルとして扱われている。

非雨は相変わらずシスコン……だし、ソフランちゃんはアイドルでかわいいし、ラデルちゃんはここの暮らしになれたようだ。

初日に来たときに、『ベットが違うから寝れないよ〜…』としっぽをブンブンさせながらボヤいていたラデルちゃんであったが、昨日はすぐに寝付いてしまった。


そして、今日はラデルちゃんをお出かけさせようかなと思っている。どこに行ったら良いものか、と思ったら、結局はゲー厶センターが身体を動かせて楽しいという結果となった。見た目上の問題は〜…どうしたものか。

「ん?雪餅、どうしたん?」

「あー、えっとねー、ラデルちゃんの見た目をどうしたものかと思ってね…今日ゲーセンに連れて行こうかなって思ってるからさ〜…」

「お主はいつも狐耳としっぽを晒しているのに今更見た目を気にするのか〜?」

「俺は良くてもラデルちゃんになにかあったらこまるからっ!」

「はいはい、見た目だっけ?そしたら私が幻覚かけてあげるから、楽しんでらっしゃい?」


流石ツリスさん姉貴。俺にできない事をやってのける。つおい。


「今度雪餅にも、幻覚の魔法を教えたげる?」

「え?いいの?やったー!」

「まだ何も言ってないっつの…」

「どうせ、『いいよ?』と2つ返事で答えるから先に行ってやったぜ。」

「はぁ、まぁ良いけどさ。後で予定を開けておくんだよ?」

「あーいあいっさー!」


そしてラデルちゃんの準備が終わったようだ。そういう事で、連れて行こうと思う。10分後、もはや俺の中ではレギュラーと化している最寄り駅。超便利。


「ラデルちゃーん、きっぷを買うから、待ってるんだよ〜?」

「うんっ。」


確かラデルちゃんは…何歳だろ、10歳くらいだったはずだから、小学生料金で大丈夫なはず。お金を入れて、きっぷを貰う。普段は定期券で済ませているから、きっぷを貰うのも久しぶりだ。


「お〜…これがきっぷ…」

「天界にも、電車みたいなのはあった?」

「ん〜…ツリスさんがね?だいたい転移でどうにかしてくれるから、天界の乗り物は見たことがないんだよね〜…」

「あ、そうだった。あのつよ神さんがだいたいどうにかしてくれるの忘れてた。」


流石はつよ神、ていうか、俺も転移させてもらってたよね、なんで忘れてたんだろ?

んでもって、席に座る。2人席が空いているので、一緒に座る事にした。


「にーさん、にーさんっ。」

「なになに?どうしたの?」

「にーさんの膝の上、座ってもいい?」

「まぁいいけど…人が来たら降りてね…?」

「なんでー?」

「…恥ずかしいから…」


アニメではよくある光景だけど、ここは現実世界、もちろん独占して乗れるわけでもない。見られるのは恥ずかしいのだ。色々思考している時に、『のるよー?』と言って、俺のリュックサックをラデルちゃんが持って、膝の上に座ってきた。

あ、意外とおm「にーさんのおひざやわらかーいっ、ソファー見たーいっ。」

「お、おぅそうか…」


そうだった、女の子には重さの話は禁句だった…はず。うん。ごめんよラデルちゃん。ソフランちゃんに慣れてる俺にとっては、ラデルちゃんの体にフィットするのはまだ先の話だ…。


[まもなく発車します。閉まるドアにお気をつけください。]


「さっきも来たけど、これって念話みたいだよねっ!」

「なんでだい?」

「だって、ちゃんと音が出て、伝わるんだよっ?あと、上からくる感じ!」

「それはねー、実際に上に発声するものが付いてるからなんだよー?」

「おー!(☆v☆)」


普通に乗ってりゃ聞き飽きるくらいなんだけど…あんまりこの子は電車に乗ってないから、目を輝かせている。


はっしゃー、とうちゃく、はっしゃー、到着を繰り返して、終点の2個前の駅で人が増えてきたので、そっとラデルちゃんを降ろし、終点へ着いた。俺にとっては見慣れた光景。しかしラデルちゃんは、田舎の人が都会に進出したときのような反応を見せている。


「すごくメカメカしいよ!兄さんっ!」

「めかめか…しい?え?」

「さっ!さっ!いっしょにいこーよー!」雪くんの手をぐいっと引っ張って

「わわっ、ちょっとまって!そこは別のホームだからっ!!」


……


ふぅ、荒ぶるラデルちゃんを抑えたあと、無事…?改札を出て、これでも上がある都会の光景を見せる。


「めっちゃ高い!からふる!すごい!(-ω☆)」

「俺も最初はそうだったよー。学校に来るたびにここに行ってるから、もう慣れたけどね。」


慣れたとは言っても、アニメ関連のグッズや、ゲーセン、都心駅付近のスーパーやコンビニくらいしか行かないので、あまりここらへんの地理は詳しくないのだがね…。それでも、ラデルちゃんを目的の場所に連れて行くのには、道筋をきっちり覚えているため、絶対に迷うことはない。


電車を降りてから30分、無事にゲー厶センターについた。


「うー…楽しそうなのがいっぱいあるけど、耳がちょっとキーンとする…色んなゲームの音が聞こえる…う〜…わたしはいま、多方面からゆうわくされている…」

「ど、どうしたんだい?ラテルちゃん…?」

「ちょっと周りがうるさくて…耐えられないほどではないけど…色んなゲームの音が聞こえるから、好奇心!こーきしんが刺激される!」


すぐに心をつかんだようだ。あまりゲームに執着させると教育に悪いけど…今日くらい、羽目を外すくらいならいいよね。


「まずは何をするかい?」

「あれ!あの丸いやつがいい!」


と、指を指したのはクレーンゲーム。丸いやつ、というのは、フックがついた特徴的なロゴのやつだろう。楽しむなら、お金を渡してやらせよう。


「はい、使いすぎにはご注意ね。」

「やったぁー!」


と、お金をもらったラデルちゃんは、両替しないと使えないことを察したようで、両替機を探しにキョロキョロ見渡している。俺があっちだよ、と指をさすと、ラデルちゃんはトテトテと両替機に向かっていって、100円玉を量産していったのであった。


「よーし!あそぶよー!」

「やり方はわかるのかい?」

「あ…えっと、これを押すの?」

「そうそう。1を押しながら、欲しいやつに軸を合わせて…2を押して直接掴む感じだね。」

「わかったー!えーっと、これを押して〜…」


アームを動かしていく。そして少しずれた状態で次に行くようだ。


「そして2を押して…兄さん!横から見て!」


あ、そういうやつね。おーけーおーけー。理解した。


「あいさっ。あ、もうちょっと、ほんのちょっと押したほうがいいね。」

「ん、こういうかんじー?」

「よし、おっけ。じゃ、Goボタンを押して、アームを下ろそっ。」

「りょーかいたいちょー!」


アームを降ろしてラデルちゃんの欲しい物…てかこれよくみたら魚のぬいぐるみじゃん。アームばっかり見てて気づかなかったわ。

そしてぬいぐるみに食い込むようにアームが入り、持ち上げようとするが…残念、重さに負けて落ちてしまいました。


「にゃにぃー!?しっかり掴んでたじゃんっ!」

「ありゃぁ…アームが負けちゃったねぇ。あと2回あるけど、やるかい?」

「もちろん!!」


そしてラデルちゃんがクレーンゲームに挑戦すること7回アームを上下させてやっと……


「わーい!初めて取れたー!ねこだよー!かわいいー!(ΦωΦ)」

「おめでとぉぉぉ!!」


とりあえず店員さんを読んでぬいぐるみをカバーに包んでもらい、背負えるようにしてもらった。これじゃまるで猫のリュックを背負う小学生の猫の獣人だ。見た目は黒髪の子だね。


「さ、次はなにやる?」

「んーと、これっ!来てー!」


と、手を引かれやってきたのは…

あ、これは俺ができない音ゲーですね、ありがとうございました。でも簡単くらいは出来るはずだから、頑張って脳と手をフル回転させてクリアを目指そう。




…………




その後、音ゲー、ファミリーアーケードゲー、音ゲーと繰り返しラデルちゃんに付き合ったら、早いもので3時間が経過していた。ラデルちゃんの顔に疲労が見えてきたので、帰ることにする。


「今日は楽しかったかい?ラデルちゃん。」

「うんっ!楽しかった!特にね、手を移動させるゲームが面白かったー!」

「そうかい?それは良かったね?」


と、会話を挟み、駅について帰っていく。家についた。家に着いたあとラデルちゃんは、ツリスさんにマッサージを受けてもらって、今日の疲労回復に努めているようだ。今日収穫したものは、ラデルちゃんが取ったぬいぐるみと、俺が取った更に大きいぬいぐるみで、これから先、ラデルちゃんやソフランちゃんのお供になる…はずだろう。多分。


「姉さーん!今日は頑張ったよー!」

「お、何を頑張ったんだい?」

「あのねあのね、手をぐるぐるするげーむ!」

「というと…あれか、どこが楽しかった?」

「手をすーって動かしたり、押したりして、沢山兄さんに褒められたのー!」

「その様子だと、たくさんいい記録を残したようだね、よく頑張ったね、ラデルちゃんっ。」

「やったぁ♪」


猫の子が喜んでいるのを見ていると、萌えるねやっぱり。非雨もソフランちゃんもかわいいっちゃかわいい…すごく可愛いけど、ラデルちゃんはまた違った可愛さがあるよね。うーん。よきよきだ。






帰っててきてからしばらくしてご飯を食べる。今回はツリスさんが仕事で席を外しているため、4人で食べることにする。


今日のご飯はぶりのお刺身と味噌汁と雪菜のおひたしだ。おひたしは結構美味しい。めんつゆと鰹節をかけていただくとなお美味しい。ちなみにそれを食べたラデルちゃんの様子が…


「〜…ぱくっ、〜〜…」

「ラーデールちゃーん?」

「うにゃっ!?」

「鰹節だけ食べないで、小松菜も食べてね?」

「にゃぁぁ〜…私は猫だから別にいいじゃん…」

「魚が食べたいのなら、ぶりの刺し身があるから食べなよー?」

「はーい(´・ω・`)」


20分後、みんなが食べ終わり、ご馳走様でしたを済ませたあと、テレビを一緒にみる。今日はソフランちゃんの見たかった番組があるらしい。バラエティ番組だが、面白いドッキリシーンやトークがあって面白かった。たまに滑ってた芸能人さんもいたけどね。

さってと着替え着替え〜っと。お風呂タイムの出番だぞっ。多分俺が本物の女の子だったら、お風呂タイムとかで世の中の男子高校生が盛り上がりそうなもんだが…あいにく美少女の皮をかぶった男子だから、女の子らしい立ち振舞は出来ないんだよね〜…


洗濯機の上に着替えとタオルを載せて、戸を開けて〜…おっ、非雨のやつ、お風呂を用意してやがる。とても気の利くやつだっ、後でしっぽをプレゼントしよう。

その前に、まずは身体を洗おう。多分これジャパニーズの基本。多分。髪洗って、、顔、耳、胴体、手首足首を洗って流して〜…お風呂に身を投げる。ザッバーンと水しぶきが舞って面白い。ここで、ツリスさんから習った魔法を使ってお湯を入れる。この程度なら、魔力は余裕で持つ。ぷは〜…魔力を使ったあとのお風呂はサイコーだぜー…ぐてーん


俺がそうしてお風呂の中でぐてってると…む、人の気配?


「にーさーん!お風呂はいろー!」

「…………ぁあー!?ちょちょちょぉっ!?」


上記のように俺は思わず立ち上がって胸を隠しながらびっくりした。ていうか胸を隠すのがもう板に付いてるというかなんか…うん。


「せめてノックくらいしてよ!?」

「だってツリスさんがね、お風呂一緒に入ろっていっても『いいよ!』って即答してくれるんだもん!」

「それは常人に比べてツリスさんの反応速度が化け物レベルだからだよ!!常人には反応できねんだ!」

「うにゅ〜…結局ダメ?」

「いいけどさぁ…びっくりしたよ…」


良いといった途端、ガッツポーズを取ったラデルちゃん。ていうか、そのポーズは俺と一緒に入るときじゃなくて、非雨と入るときにしてあげなよ。

んで、ラデルちゃんが身体を洗うのを見守りつつ…これ、男のときだったら犯罪だったな…と思いながら、見つめていた。何を今更と自分で突っ込みたくなった。


身体を洗い終わったラデルちゃんは、『兄さんの膝に乗っかるねっ?』と行ったあとに、俺の膝に乗っかってきた。ラデルちゃんは嬉しげにお湯をしっぽでパチャパチャしている。かわいい。お湯の中なので、ラデルちゃんの座っている体勢が、俺の膝にフィットしている。そうそうこれこれ。服を着たときもピッタリフィットしてほしいんだけどね〜。


十分に身体を温めたあと、水を吸って少しだけ重くなったラデルちゃんの身体を抱きかかえてお風呂からあがる。小声で『子供扱いしないでよぉ…』と聞こえたが、何か、はしゃいで転んで非雨に治癒魔法を使いそうだったので、危ない芽は事前に摘んでおくということで、抱きかかえて出ることにした。

まずはじめにラデルちゃんの身体を軽く拭いてあげて、あとは身体を拭くのを自分でやってもらって、俺も拭くことにする。しっぽの水気はしっかりととって…と。よしっ。あとはゆるふわパジャマを着ておーわりっ。


非雨にドライヤーで髪の毛を乾かしてもらって、布団にゴロンと寝転がる。スマホを見ていたらいつの間にかに…


「ぐぅぐぅ…zzz」

寝落ちしてしまった。






………






みんなが寝静まった時、一人コソコソと動いている子猫がいた。


「小腹空いちゃった…なんかアイスとかないかな…」


そう。ラデルちゃんである。ぱちっと目が覚めてしまったようで、少女の小腹を満たすものを探している。


「れいぞーこれいぞーこ…お、あった。ミントアイスだっ。」


器に持って、スプーンを持ってまだ冷たく硬いアイスを食べる。


「ん〜…おいひ…こりゃお兄ちゃんがハマるのも納得だね…」


少女はやがてカップ2個分のアイスを食べた。暇つぶしに伸びをしていたら…


「う…お腹冷えちゃった…もれちゃうぅぅ…」


……


「ふぅ…」


無事間に合ったようだ。


「今日は…兄さんと寝ようかな…?」


少女は雪餅の布団に潜り込む。まだお腹が冷えているようで、雪餅のしっぽを抱き枕にした。『んぁ……』と声が漏れてるのも気にせず、ラデルちゃんは眠りにつくのであった。

ラデルちゃんは今後も参加する…と思います

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