茶番四十一話 自分を再認識…?する話
2月投稿分間に合った!
……うわぁぉ…また胸が大きくなってない…?いや、小さくなってるか…?
あ、失礼失礼。いきなり俺の胸の話をしたってついてけないよね。大丈夫。俺もだ。
さて…なぜそんな爆弾発言をしたのかと言うと、魔法で俺のやりたい魔法を再現してからは、肌はすべすべになるわ胸は大きくなるわしっぽが大きくなって更にもふもふになるわで色々あったんだよね。
ここ最近は乾燥しているから、何もしなくとも潤った肌はいいと思うのよ。しっぽも…まぁしっぽ大好き人間な俺からしてみれば、もふもふで最高なのよ。
問題はそこじゃない。俺の身体が未だ女の子の身体の面についてだ。ほぼ1年くらい幼女や紳士…じゃなかった、淑女の姿で暮らしてきた。いつもいつも裸の俺を見るたびに恥ずかしくて顔を赤らめてた自分が懐かしい。
今は自分の身体…と改めて認識して恥ずかしがらずに…まぁやっぱり身体を洗うのにはやっぱり慣れないときもあるもんだ…。慣れるときもあれば慣れないときもある。
やっぱりどこぞの吸血鬼の言った言葉のように、人間は考えれば考えるほど策や考えを考え続けドツボにハマっていく…って言ってるもんね。深く考えないようにはしたい…と思うけど。
「ここ、お風呂場なんだよな〜…」
ぼそっと俺の口から出てくる言葉。やっぱり見た目通りの綺麗な声、整った身体、狐を象徴する耳と尻尾、そしてこの身体が女の子だと確定付けるかのように、大きな胸が『たゆんったゆんっ』ってなり、中学まで苦楽を共にした息子がない。ていうか高校生になってから一度も男に戻ってないってマジ?マジです。
魔力体なので、幼女形態以来排泄などはしたことはない…食べたものが残らず魔力として蓄えられるこのこの身体はすごく便利だ。思えば昔、幼女になった時、トイレとかで苦労したなぁ…。出るところが違ったりとか…うん。深く考えないようにしよう。
とにかく、身体を泡立て網で洗う。あんまり傷つかないように身体を洗えと言われた気がする。多分。
ん〜…それにしても、髪の毛が長いな…バッサリ切りたいところだけど…俺の女の子状態のイメージが変わりそうだし…ていうか、よく髪色が薄く落ちないな…やっぱり地毛なんだね、この蒼銀紫の髪色は…コスプレにぴったりだ。
魔法とかで性別転換薬とかに頼らず自由に性別を転換できたら楽なんだけどな…まだ魔力が足りないから断念。
身体が泡まみれになったので、シャワーでシャーッ。ついでにしっぽを洗うため、しっぽにシャワーを浴びせる。しっぽにも温かい感覚が感じられる。
そしてしっぽが『ズンッ』と重くなったので、ツリスさん特性のしっぽ用シャンプーでまず1日の汚れを落とす。
手もみで洗っているため、いくら耐性を付けているとはいえくすぐったい。だが非雨にとっておきのもふもふを体験させるために…雪餅よ!我慢ッ…!
8つのしっぽが泡まみれになったら、シャワーで泡をしっかりと落とす。お風呂に入るため、しっぽに沢山泡が残っていたら泡風呂になるはめになる。なのでしっかり(2回目)と泡を落とす。
そんでもってお風呂にどぼんっ…!くぁぁぁぁ…!炭酸入浴剤の炭酸がたまんねぇ…!
今日、気分変えに普通の入浴剤ではなく、炭酸入浴剤にしてみたが…しっぽにもぱちぱちとした感覚があって、とても良き!
あ〜…これは疲れ取れますわー。きましタワー創設完了ですわぁ。(?)
十分に身体を温めたあと、最後にもふもふ度を更に上げるため、しっぽと狐耳に…今日は良い値段がする動物用保湿クリームを薄く塗り込んでいく。そうする事によって、俺のもふもふが吸収して、ぱさぱさじゃないもふもふになるのだ。
ただあまり塗りすぎると吸収できずにベッタベタになるから注意だなっ!
そうして、俺がクリームを塗り終わる頃には、身体に付いていた水滴がだいたい乾き、温かい体のまま身体を拭くことができる。
いつも通りにホイホイっと身体を拭いて、ゆるふわなパジャマを着てっと…よしっ、終わり!
まぁ…見た目は完全に、ゆるふわパシャマに身を任せている、胸が大きめのかわいい女子なのだが…中身が男って言うことを忘れないでほしい。うん。多分。
そして非雨の美味しいご飯を3人揃って、いただきますをして食べていく。これが夜のルーティーンだ。うむ。今日もとても美味しい。ソフランちゃんも笑顔で非常に微笑ましくて良き良きだ。
「ひあ〜めぇぇいっ。」
「非雨だっつーのっ。んで、なに?」
「俺のしっぽをもふもふするかい?」
「え?いいの?」
「いいよいいよ〜。ソフランちゃんもたくさんモフりな?」
「わたしもいいの!?やったー!」
ソフランちゃんが先に俺のしっぽに飛び込んできてから、非雨がいつも通りに顔をうずめる。いつも通りのかわいらしい光景は俺を飽きさせる事を知らない。むしろ更に愛でたくなるような感情を引き立たせてくれる。
モフられている側からしてみても、様子を見るだけで満足してしまう。自然によしよしとしてしまう。
2人はいつも通り幸せそうにもふもふしている。見てる方まで癒やされる笑顔を見せてくれる。こっちまで幸せになりそうだ。
そして有意義なモフり時間を15分。寝る時間になったので睡眠タイム。
俺は非雨のしっぽを抱き枕にして寝ることにする。もちろん抱き枕にすることは許してもらっている。
ぎゅーーーっ…とすりすりして十分に非雨のしっぽを堪能して目を閉じる。眼の前に姉が居るような安心感がする。何かが満たされるような気がして…
「…( ˘ω˘)スヤァ…zzz」
眠りについた。
……
ぺしぺしぺし…と背中を優しく叩かれては擦られてる気がする。
「雪餅…雪餅…起きるのじゃ…」
あ、この声はツリスさんだ。なんでのじゃ口調…?
「そんなことはどうでもいいのじゃ…寝てるのは分かってるのじゃ…!早くしないとしっぽの耐性を切るのじゃよ…?」
カバっ!
「お、起きた起きた。」
「ツリスさぁん…それは卑怯だよぉ…」
「あっはは…wそうでもしないと起きないでしょ?」
「どうせ寝てても魔法で強制起床とかされそうだけどね…」
「そんな酷いことはしないよ〜。ちょ〜いっと耐性をいじくって起こすけどね?」
「その方がもっとむごい!」
んで…ツリスさんは何用なんだろうか。
「雪くんや。お主は昨日、シャワーを浴びてるときに自分のことや姿のことを考えてたよね?」
「ん〜…覚えてたような覚えてないような…」
昨日のことはね、意識してないと寝てると忘れてしまうの、あるあるだよね。
「うんうん、わかるわかる…って、それは私の創作魔法でどうにもなるとして、雪餅が気分えになるようにさ、電車旅にでも行かないかい?」
それを当時その話題で悩んでた俺に行ってくれれば…いや、夜の電車は本数が少ないか、動いてないな…
「非雨とソフランちゃんは、いつもお留守番してるから、一緒に行こうか!」
「まだ寝てるけどね〜。」
非雨にしては珍しくまだ寝ているのだ。マジで珍しいよ。レアだよ。起きるまで待とう。
…
1時間後、非雨とソフランちゃんが起きてご飯を食べて、ツリスさんが事情を説明して、俺らはゆっくーり着替える。
しっぽを隠さなくとも別になんとも言われないと思うので、しっぽに対して開放的な服装で行こう。非雨はやっぱり女子高生を謳歌しているような服装だ。さすが女子力高い女の子だ。俺とは大違いだ。
ソフランちゃんは外出用のジャージに、もこもこのジャンパーを着ている。あ、ツリスさんがカイロをあげている。
準備ができたので最寄り駅にみんなで行く。そんでもってー…次の電車が…10:42…今が30分後だから、もうちょいか。
今回、電車のコースは山脈・他県方面なので、本数も少ないし…だがその代わり景色は飽きさせないほど良いものだと思っている。しかも都合の良い事に、乗る電車は快速列車だ。景色旅が満喫出来そうだ。
「あ、帰るときってどうするのさ?」
「ん?もちろん転移だよ?同じ道を2度見て行くっていうのもありかもだけど、それだと多分半分くらい寝てしまいそうだからね。」
…分からんでもないなこれ。共感できる。そんな話をしていると…
「あ、でんしゃが来た!」
「よし、みんな乗ろうか。」
電車に乗って4人席に座る。この感じ、1年前に天津達と都心に行った時を思い出すな。
[次は〜、○○温泉前〜、○○温泉前〜。]
あ、お決まりの定型文と共に……あれ、担当車掌名は出ないんだね。
「担当車掌名は守代さんらしいよ。」
「なんで分かったし…」
「声で神の力を使って神読をしたもんだよ。雪くんが毎回楽しそうにしてたらしいからね。」
そうだった。この人だった。(n回目)
「やっぱりツリスさんはツリスさんだね〜。」
「〜…(-ω☆)ジーッ」
非雨はツリスさんと駄弁っていて、ソフランちゃんは景色に興味津々だ。まだ家が沢山ありつつも、自然が増えてきている。
そうそうこれこれ。こういうのから楽しくなっていくんだよね。大体1回で満足しちゃう質なんだけど、元々満タンに近い心が、めちゃめちゃに満たされる感じがする。
「いやぁ…自然に近くなっていくにつれ、空気が美味しくなってくるね。」
「やっぱり地球の神だからそういうのはわかりやすいもんなの?」
「雰囲気だよ?」
「ぶふっ…」
「でも、その気になれば詳しく分かるよ。今は電車旅を楽しみたいからしないけどね。」
ふむふむ。いずれ本気のツリスさんを見たいもんだけどね。めちゃめちゃ気になる。
「お、民家がもう数えるしか無くなってきたね。」
「しぜんがいっぱい!きれい!」
山脈の初め頃に入った頃には、人気があまり無い山道になっていった。
[まもなく、○○温泉前、○○温泉前〜。お降りの際は、足元、お忘れ物の無いようご注意ください。]
「まだ降りないけどねぇ。終点になってから、戻るか更に景色を見るかのぶらり旅だからね〜。」
「ねぇねぇ…なんか…いい匂い…?変な匂い…?がする…!」
「え?匂いする?」
「温泉の匂いじゃないかな?」
…意識すればするようなしないような………あ、ドアが閉まった。
んで更に山奥に行き…トンネルに入った。トンネルは景色が面白くないから嫌i
〘キィィィィィィィィィッギィィィィィィィッ!!!!〙
うぎゃーーーッ!もんっのすっごく嫌な音で耳が壊れてまうぅぅ!!なっ、何がっ起きたんだぁ…?
「長年使い続けた線路のきしみか…それか標高が上がったり下がったりするから、その音の類いじゃないかな?」
「い…いくらなんでも狐耳が付いてる状態でこれは頭が壊れてしまいそうだよ…」
「これは雪餅に同感…私も死ぬかと思った…」
「ていうかツリスさんが冷静だね…」
「これよりうるさいの、何回も聞いてきてるし…あ、また来るよ。耳をふさいでおきな。」
あっ…そだ!俺はツリスさんに教えてもらった耳閉じ術があるんだった!
ぴたっ…全く聞こえない。真空状態みたいに音が遮断された気がする。真空状態なんて味わったことはないけどね。
非雨は…猫耳を手でふさいで嫌そうにしている。ソフランちゃんも、人間の方の耳をふさいでいる。何かツリスさんがしそうな雰囲気だが、澄まし顔で何もしない。なんでだろ。
そんでもってしばらくしてもまだトンネル景色なので、ぼーっと窓を見て暇をつぶす。
………まだ暇だ。非雨やソフランちゃんが耳をふさいでない…なら俺も大丈夫かな。では耳を開いて…
「雪餅〜、雪餅〜?」
「あ、非雨、だいじょぶ?」
「大丈夫も何も、雪くんがボケーっとしてたからさ、何かあったのかなって。」
「ボケーッとしてたのは…ツリスさんから教えてもらった耳閉じ術を実践してたんだよね。」
「耳閉じ術…?ツリスさん、私にも教えてちょうだいよ〜…」
「えーっとね…これは狐族の特権というか…猫耳の非雨には〜…ちょいと時間がかかるというか…」
「え〜…私のしっぽをモフらせないよ〜…?」
「ゔっ…はい、教えます…」
あっ、いつも俺をいじってるツリスさんが負けた。そしてツリスさんが非雨をなでなでしている。
「んで送るから…狐族の耳の閉じ方だから…多分猫耳の非雨も出来ると思うけど…」
「おぉ〜…すっごいすっごい…頭に電力コードを繋がれて、電力を供給されるみたいにやり方が頭の中に流れてくるよ〜。」
そんでもって、自分の耳をペタンとする非雨。更に、音が全く聞こえないことにポケーっとしている。そんな光景を見てるとなんだかほっこりする。
「マジで何も聞こえないんだけど…耳閉じ術は凄いな〜…」
「だよね〜…マジで何も聞こえないもん。」
「む〜…おねえちゃんたち…うらやましい…」
…ソフランちゃんはけもみみが付いてないんだったね。だけど…普通のソフランちゃんもかわいいし…俺みたいにけもみみとけもしっぽが付いたソフランちゃん……けもみみとけもしっぽが付いたソフランちゃん………
シュゥゥゥゥゥ………(脳内装填爆発中の雪餅くん。)
「…めちゃ最高じゃん…」
「なにが〜?」
「あ、いや何でもないよ。」
「……雪餅が想像してたこと、言ってもいいかい?」
「ダメだからねツリスさん?( 一一)」
「アッ、ハイ」
[次は、△△駅〜、△△駅〜。なおお客様にご案内です。△△駅に到着後、以降は各駅乗車となります。ご理解の程をよろしくお願いします。]
次は英語訳が入ってくる。多分地方の方に外国人ニキネキが来るとは思えないが…俺みたいな景色見るの大好きなニキネキも居ると思うのでその配慮だろう。
「今はこの世界でもグローバル化が進んでいるからね〜…一昔前の鎖国の状態が噓のようだよ。」
「あ、そいやこの国昔は鎖国してたんだった。」
「さこく〜?さんかく〜?」
「三角じゃなくて鎖国ね…?」
あ、非雨がソフランちゃんを撫でてる。羨ましい()
それに鎖国を三角と読み間違えるソフランちゃんもかわいい。なんだこれ、天国か?
「いや、現実だよ〜。」
「わーっとるわい!」
と夫婦漫才…いやどっちかっていうと百合の方だな。をして…段々と自然と民家が共存している所までやってきた。まるで村みたいだ。
「お、神社があるねぇ。巫女さんは〜…ふむふむ…居る居る…」
「何してるの〜?神の目で覗き見してるかんじ?」
「うんうん。巫女さんが居るかどうか、ちゃんと仕事してるかどうか気まぐれでちらっと見に来るんだよね。ちゃんと仕事してたのなら、その神社には幸多からんことをっ…と、私が祈っておくんだ。」
「なんで祈る感じなの?神からのお返しとか、お告げとかない感じ?」
「ん〜…私が気に入った神社ならほんっとうにたまに私からお返しするけど…なんでもかんでも神社に私からプレゼントしているのなら、この辺り一帯は神社だらけになっちゃうよ。」
…神社作るだけでツリスさんの神級の物が貰えたり、導いてくれるのなら俺も神社をつくりそうなもんだけど…
「やぁねぇ、そんな世界になったら、大体の人間は一回の信仰だけで良い武器具が手に入るじゃないか…そんでもって、そういう考えの人間はろくなのが居ないよ。一回信仰して、神具やらもらったら、神社を取り壊すもの。」
わぁお…なんという悪人ヅラ…それされたら誰だって怒るよ…ていうか、その悪人ですら怒るよね。
「というの事がありまして、今は本気で進行し続ける人間に限り、私の魔力やらの力を使って、幸せを送っているけどね。君達はね、普通の日常なら私にすら遭うことはなかったんだからね〜?」
「ふむふむ…それだけ聞くと、人間の理想の神様として君臨しているように見えるけど…ツリスさんって、稀によくやらかす事もあるよね〜?ドジっ子で可愛いと思うよ?」
「……な、ななな何を言うのだ…!///そそそそんなわけないじゃないか…!///」
心当たりがあるようです顔を赤らめて恥ずかしがっているツリスさん。非雨もソフランちゃんも、うんうんとした顔で頷いており、これらは確定事項とも言えるだろう。
[まもなく、終点、終点です。お忘れ物のございませんよう、周囲をご確認の上、お降りください。また、この電車は到着後、回送電車となります。引き続きのご乗車は出来ませんので、ご了承ください。]
「ほ、ほら!降りるよ…!///|sightseeing《観光》するよ…!」
「あ、読みが微妙に違う…観光って言いたいのかな…?」
「そ、そうだよっ……!///もう…///」
もう神とは思えないほど焦ってて可愛いツリスさんでした。
………
いやぁ、眼福眼福、楽しかった楽しかった。
お土産としてさくらんぼアイスを買っていった。ツリスさんの冷凍技術でいつでも食べられるため、すごく楽しみだ…!あ、ミントチョコアイスも食べなきゃな…うーむ、太るな!
と、どっちかを食べる葛藤を起こしている雪餅くんは、今だけ自分の見た目を忘れてアイスに熱中できるのであった。
これからもよろしくお願いします
誤字脱字報告、感想などよろしくお願いします




