茶番三十六話 お出かけ場所はあるいみ修羅場でした
よやくとーこー。(9/13日現在)
またまた暑い中、今現在はお盆に到達した。
祖父母が言うお盆は、ご先祖さまの霊が降りてきて現世を見に来るとかうんちゃらかんちゃら…
そこでふと思った。ツリスさんにこういううんたらかんたらのやつを聞きに行こうと思った。
聞きに行こうとは思ったが、まだ身体の魔力が抜けてない。まだ狐耳狐しっぽの付いたツリスさん似の魔族である。
早く元に戻ってほしい。元に戻ったら戻ったらで非雨にまた転換されそうなものだがな…
「つーりっすさーん。」
「何だい?雪餅。」
「今、お盆じゃん?」
「だね。」
「ツリスさんは、お盆のときに何やってるのかな〜って思って仕方なかったんだよね。」
「そうか…私の所は、魂の保護…かな。先祖様レベルになると、魂が少し弱くなってくるのもあるしな〜…それを保護してやって、来年も孫の顔を拝めるようにさせてあげてるんだよ。」
ふむ…神さんの仕事は魂の保護までやってるのか…俺の先祖さんもツリスさんのお世話になったもんなのかな…?
「あ、そっだそっだ。雪餅。」
「何〜?」
「今度、私達の仕事場でもある天界にでも来ない?雪餅が気になっていた、魂の保護の作業も見せてあげるからさ?」
それは…ありがたいのだが、ふと思う。
「それ、企業秘密じゃないの?」
するとツリスさんはまんざらでもない様子で、
「人間がね?ちゃんと『先祖様が来ないぞ!神の野郎はちゃんと仕事してるのか!』とのクレームが度々着てるからね。だからといって見せないって言うと面倒なことになることは確実だし、先祖様の魂を見たいっていう願いを持つものには、夢の世界で見せてやってるんだよ。」
説明が長いが、だいたいわかった。
「説明が長いってのは余計だよゆきもちぃ…もふもふ」
「ひうっ!?|たいしぇ〜つれてないひゃら《耐性付けてないから》しゃわらにゃいでぇっ!!」
そう言ってもツリスさんが聞かない…結局5分ほどモフられた…
……
ぐてぇ……
耳をイジられまくった俺は身体に力が入らず上記のようにぐてってる。
ツリスさんがボソッとつぶやいた、狐族同士の性行為では、耳としっぽが弱点になるそうだ。そりゃそうだ。だって俺がこれだよ?アレになったら……うう、身震いしちまうね…
なんだかんだ言って、ながらく女性の身体を使って生活してきてるが、ちょっとだけアンナ感じの気持ちになるとは言っても、ソフランちゃんや非雨に申し訳が立たなくなるし…まずツリスさんに見られたりでもしたら、生きているうちにずーっと話のイジりネタになってしまうだろう。
ツリスさんは、ひょんなところからひょっこりとはんって現れるから心臓に悪い。俺の場合は魔石か?魔石に悪い。
さて、一家総出な(?)仕事見学は、明日だと急だというので、明後日にするみたいだ。
急って思う人居るよね。絶対。俺もそう思ったもん。
でもなんだんかんだんでツリスさんがなんとかするんやろな。うむ。
その2日までばな○なち、ひまななし、なのでぇ…
昔ハマったゲーム実況を、も一度見返してみようかな。
最近新作が出るという情報が出たので、買ってやってみようかと悩み…
コメントには
・乱数調整中…
・ロムハッカーwww
・さすがロムハッーカ
・456賽かな(すっとぼけ)
・旦那ぁ!
とかいう、プレイヤーの人力チートっぷりと、CPUの愛らしき行動、最つよCPUと思えないほどの運のなさが話題を呼び、俺の目にも入った実況。久しぶりに見たけどやっぱり面白い。
主にCPUの奇々怪々な行動がね。あれは予測できない。
ごろごろ〜っと、見ていると、ソフランちゃんが暇なのか、しっぽをお触りしてきた。
今回は『ちゃんと』耐性も付けたから、お触りおーけーよ。最も、ソフランちゃんには、いつどこで触られても、拒絶することは不可能なんだけどね。悲しむ顔を見たくないという意味でね…。
あ、俺のしっぽを触っているソフランちゃんを見て、非雨が嫉妬してる。可愛らしくほっぺ膨らまして、そっぽ向いて…だけどしっぽはぶんぶん振って…可愛い…。
ここが一番の最萌え場面なのかもしれない…きゃわゆい。
あ、俺と非雨のしっぽを絡めてみたいな…その中に誰かを入れたい…ソフランちゃんも、ツリスさんも良いから入らせてみたい。ツリスさんの場合、これに乱入して、結局ソフランちゃんが女王様になるかもだけどね。ソフランちゃんは幼き女王様だった…?
うぉほん。それは置いといて。
モフりたくなる気持ち、めちゃわかる。例えるならば、狐族の少女が居候する話で、たまに家主が両者合意の元もふる話。
アレ、共感できる。俺もモフりたくなってくる。今は、モフられてる側やけんども。
それにしてもソフランちゃん、こんな暑い中俺のしっぽをモフって暑くないのだろうか。
今夏やぞ。ツリスさん特製、氷の冷却エアコンを持ってるけど。めちゃ涼しいけど。
そのえっあこ〜ん、のおかげで俺は、しっぽを抱き枕にしながら悠々自適に夜安眠出来るのだよ…さ、ソフランちゃんの可愛いモフり顔を眺めつつほんわかな気持ちになりましょうかね。
一時間が経過。
かわゆい天使様は気分屋で、非雨の所に行った。今現在非雨は癒やされていることでしょう。それかまだ拗ねてるか…
人間が人の心を簡単に読めるようになれば、胸か肋骨あたりにある、細いチューブで繋がれた心眼的な感じの異種族的な物があれば簡単に読めるだろうな、と思う。
まずそれだと人間じゃないじゃん、じゃあ何が人間の定義?
動物らしい部位、猫耳や、しっぽ、角がすべてない…?
俺自身の哲学にのめり込んでしまった。そんなもん、お偉いさんの研究者が既に特定しているかもしれないのにね。
人間は、作を要すれば要するほど、ドツボにハマっていく、そんな敵の中のthe敵、が名言を残している。
それを作り出した者も人間なのだが、やはり馬鹿な者でも、脳をフルに使えば、最適化の行動をすれば少しは安定すると思う。
漫画とか、そういった物は現実では無いんだけどね。
ツリスさんが作りだせば話は別なのだが、異世界…この前出会ったスイレンさんの世界ではそういったものはあるのだろうか。
…やべ。考えれば考えるほど頭が痛くなってしまう。
そんな妄想がすぐ考えれば、小説の中でIFストーリーが沢山できるんだけどね。それを文章にする力がねえんだ。ワイ。
百合や、バトルシーン、更に、人を騙す心理戦。それをいとも簡単に設定にし、文章にする人はホントすごい。伏線なんて、どこで張り巡らせてるの?と聞き返したくなってくるほどだ。
後で言われて気がつく伏線。それは俺の糸射出装置の罠のように見えないように張り巡らさせる。
ほんまにすげぇよ。
「は〜…ワイは語彙力上げたい〜…のじゃあ〜…」
「本を読んだらいいんじゃないかにゃ〜?」
ん?ちょい摩天楼。
語彙がおかしいのは気にするな。
「なぜ語尾ににゃを付ける。」
「気まぐれだにゃ〜!わしゃわしゃにゃ〜!!」
やめてくれ語尾ににゃを付けるの…どこぞの大王を思い出して笑ってしまう…!!
「雪もっちんのしっぽの中に私を入れるのにゃあ!中中にゃあ!!」
「完全に意識してるだろ非雨っ!!くくく…」
無理だ、美少女が激安の天堂の真似をしてるだけでこうもギャップが生まれてしまうとは…
そして耐えきれなくなって吹き出してしまう。
てか、雪もっちんで誰だよ。俺か。(自問自答)
非雨の気が収まるまで語尾にゃ生活、縮めてごに。はじまるよぉ。
…嫉妬の気持ちでにゃの気持ちを付けたのかは、非雨にしか知らないことなのだ。まる。
…そいや、同じにゃの人の人居たよね…?名前……忘れたし…息子さんと知りあいの人、元気にしてっかな…?
こういう時に名前を正確に覚えられる人が羨ましい。
〜 次は終点、都心、都心駅です。
まもなく到着いたします。15番線に着きます。お出口、左側です。電車の中にお忘れ物がございませんよう、お確認ください。今日も、JRをご利用いただき、ありがとうございます 〜
親の声より聞きなれた電車アナウンスを聞き流し、出口側に立つ。
ワイらも中学生から高校生になり、電車通学となった今日、定期券のやつの通り道に都心駅があるのだ。最近の定期券は便利だと、つくづく思ったよ。
電車通学となった事で難点が生まれたけどね…朝が弱いもんで…眠い。
ツリスさんパワーで眠気はなんとかなるとは言え、早寝は出来ないから、眠いのだ。これは高校生の宿命と言えよう。
もっとも、今日は学校じゃなくて、休日なんだけど。ゲーセンにに用があるんだ。
後、ソフランちゃんのお世話がある。朝早く俺と非雨が出て、1人だけ残すのは、幼女の精神衛生上非常に良くない。じゃあなぜ電車通学にしたのか、と聞かれると耳が痛いのだが…
と言う事で、当番制で、俺と非雨、または2人が残ると言う事で決まったのだ。
もちろん残った人が休むのではなく、学校近くの、人気が完全にない所に転移するお守りを貰っている。当番制の人だけ使える。転移アイテム。
あんまりツリスさんに甘え過ぎると、それが当たり前のようになってしまうから、俺もなるはやで起きるようにしている。こんなもんじゃ足りないと思うが、後で労いの意味も込めて何かしら恩返しをしてあげよう。
うーむ…何がいいだろうか…俺の身体をツリスさんの魔法実験体に…痛いのは嫌だが、ツリスさんの恩返しとしては仕方がない…
それと…やっぱり甘える…?幼女…みたいに…?
それか、着せ替え人形…?
うーむ、悩む。悩みすぎてどっかの会社の名前が連発して出てしまうよ…
全くこれだから男は…素直に女性の喜びそうな事すらもできねえんだよな…女性になるつもりは…もうなってるか。
心までも女性になったら…それはそれで非雨にリーダーシップを取られそうだなこりゃ。
妹みたいになっちまう。それはそれで約得だな。
あっ、やべえ!次の電車に乗り遅れちゃう!待って!待ってえぇええええ!!!
へろへろになりながら、雪餅くんは目的の駅に着いたのであった。
結局ゲーセンに行っても、音ゲー巡り。主にやってた音ゲーをやりつつ、触ってない機種を少しだけ。
糸射出装置で指の器用さは上がっていても、それを動かす脳が動かなきゃ駄目だよね。とどのつまりは流れてくる譜面を認識できなかった。
非雨の体力が羨ましいくらいだ。あんなに早い曲が追いつけるのに、腕がぶっとくならずに、華奢な腕なのだ。
普通3クレくらいやればゼーゼーになるのだが、非雨は軽々叩いてくれるのだ。すげえ。
そういや、どこかの音ゲーマーが、『トドメダ!イヨッシャアアア!!』と喜んでいたな、と思い出しつつ、帰宅。
今回は、男の身体の時にかける視力矯正のメガネをかけつつ帰宅…
魔狐族の少女がメガネをかける姿はまさにギャップを照らし合わしてる…
魔狐族は、魔力体の狐族を略した。いいでしょこれ。しっくり来た。
そいや、なんでゲーセンに行った目的は、音ゲーの腕前認定で、八段をやろうと思ったのだ。
見事に不合格だったよ、こんちくしょう。しかも後良判定が8つあれば合格だったのに…
うおっほん。
電車で帰るのではなく、今日は電車を糸射出装置で追って帰ってみようと思う。もちろんろんのこと、権力でツリスさんと非雨とソフランちゃん以外の人間生物に可視化出来なくなる権力をかけてね。
権力、便利。
この力、乱用はしてない。ちょいとばかし便利な生活にさせてもらってるだけだ。決して悪いことには使ってないもんね。断じて。
糸射出装置を使ってびょーん。電車を追い都心駅に着く。振り子の原理、便利。
さて糸で飛んでいくか電車で楽するか…よし。今日は糸で飛んでいこう。
確か家はこっちの方向だったはず。非雨が土のグライダーで飛んでいったな、と思い出しつつ移動。
最寄りの駅についた時間は、電車に乗る時間とほぼ同じだった。無駄に疲労だけ溜まった気もしなくもないが、経験値って大事。そして、雨降らなくて良かった。
さてこの猛暑の中で糸射出装置で動きまくったおかげで汗だくだ。そんでもってリュックに上着は全てしまってる。つまりは、濡れ透け状態。自分の姿を今は見れないから、多分、なのだが。
男子の頃は歓喜極まりない状態だったのだが、いざ濡れて見るとやっぱり汗だらけで気持ち悪いし、着替えたい。
それでも非雨には見せたほうがいいのかと邪な考えを持った自分を殴りたい。なぜ非雨なんだ。いやソフランちゃんにも教育に悪いから見せちゃだめなんだけども。
と言うわけで。
「ただいまー!シャワー浴びるぞよぉ!」
「!?分かった!」
「おにいちゃんお帰りー!」
今日のツリスさんは、俺らに見学させるために仕事の書類を作っている。らしい。
ありがてぇのです。
「タオルと〜…半ズボンと…服〜…」
ゴムでサイズ調整できるズボンとゆるゆるTシャツ。ワンピースは外出用だね。
…
…
…
風呂ザバー!
ふきふき!
着替えて〜
くるくる〜
「終わりっ!」
と一人つぶやく雪餅。
「何やってんだ俺…」
そんな某動物戦い捕まえゲーのダイジェストシーンを彷彿とさせるような動きから一日。
雪くんたちの見学会が始まる。
ツリスさんの、お盆仕事見学会。
魂が保護…?されていく様子を見ていく。例えるならば、薄れボロ雑巾となった魂が、新品のもっふもっふタオルになったような…そういう感じ。
魂の色は様々で、虹色。赤青黄の沢山の色もある。時々ドス黒い魂もある。
「あれはね〜。犯罪に手を染めた魂だねぇ。何度も何度も繰り返して結局元に戻らなかったアホの極み。誠にアホ。」
「し、辛辣だねツリスさん…」
と俺は言うけど、犯罪に手を染め、手に負えなくなったやつは仕方ないと思う。
「そーいうやつは、保護なんかしないで、解体してやってまた純白の魂に作り直してあげるんだよ。」
そうしてツリスさんが、ドス黒い魂に向かって手を振り下ろすと、分解されて、浄化されていく。
チリとなり可視が出来ない程に細かくなり消えていく。
「よっし、今年はあと何体いるかな〜?」
と言い、真っ黒な魂を見つけては粒子となり浄化させていく。まるで流れ作業だ。
「……きれい…」
と、ソフランちゃんが呟く。
確かに…黒いのが白く浄化されていくのを見ていくと、綺麗だと思う。色が付く…感じ?
黒きものがなくなり純白になり、それはまるで雲丹みたい…
ま、まぁ俺は雲丹食えないし…ポエムみたいになっちゃった。
魂の保護、浄化を見ているうちに、俺らはツリスさんの仕事に魅了されていたようだ。
「よし、今日の分は終わり。大丈夫かい〜?幼き子供たち〜。」
「「「…………」」」
「は、反応がない」
「ね…」
……まだ見ていたいな…
「…ん…おわったの?」
一番早く目覚めたのはソフランちゃん。そして、次に非雨、俺と目覚めた。
「すごく綺麗だったな…」
「うん…まるで、レインボー天の川みたいだったわ…」
「レインボー天の川…ふふ…例えが面白いね、非雨。」
少し魅了され続けられたせいだろうか…未だに浄化や保護の光景が頭に残っている。
我ながら単純脳みそだとは思うが…非雨もソフランちゃんも魅力されたから、すごい。
そしてツリスさん共々移動し、やって来たのはツリスさんのお部屋。4人が入ると言い、少し部屋を拡張しているらしい。
神はなんだって規格外やな…人間も負けてはないと思うけど…
「さて…みんなよ。」
「なに〜?」
「どうしたの〜?」
「なんじゃい」
と3人同時に反応。シンクロナイズドスイミングみたいに同時。多分。
「この前、雪餅を天界のお店に連れて行ったんだよ。」
「む…おにいちゃんずるい…」
「雪餅だけズルい〜!詫びに甘えさせろ〜!」
「わっわわっ!?」
「わたしも〜!!」
非雨よ、ちょっと子供っぽいぞと思った時に飛び込まれた。幸い後ろがベッドだったのもあり、後頭部強打は免れた…助かった…
しかし…胸っ…その大きくも小さくもない、柔らかい果実をむにゅむにゅ擦り付けないでくれ…!
しないと思うけど発情期来ちゃうから!あっちの方向行っちゃうから!!ソフランちゃん居るんだからぁっ!!
「ふふっ、雪餅、やっぱり面白いねぇ。」
「静観してないで助けてくれよおおぉおお!!?」
「もうぼくちゃんはおんにゃのこににゃっちゃうにゃああぁ…」
もちろんなってないのだが…我慢ギリギリの所で押し付けてくるもんだから疲労が…
「そのまま女の子になったら、3姉妹だねっ♪」
「おにいちゃんがおねえちゃん!!」
「勘弁してくれぇええ…」
さて俺がダウンしてしまった……
主に非雨のせいなのだが…
俺が疲れたといったので、ソフランちゃんが心配してくれたのか、治癒魔法をかけてくれる。すごくありがたい。ちょっと気が楽になった。
一家の天使は、やっぱりソフランちゃんだね…娘…?妹…?どっちかはわからないけど。
「よ…んんん〜…」
背伸びして復帰。
若干疲れは残るものの、ソフランちゃんのおかげで復帰。
非雨やツリスさんは俺を治療してるソフランちゃんを見てて和んでいてたらしい。治してくれよ…
ん?何?
そんな事ぼやいてる暇があったら自身で治癒魔法を完成させろって?
鬼かきさまあっ、阿修羅かよっ!さんめんろくひの!あ、狐だったー。しょぼーん。
うぅ、悲しい。
さて、1ターンで3回行動できるチート行動を持つドジっ子は置いといて、天界へいざお出かけタイムはしないのかな?
「そろそろ天界お出かけタイムするよ〜。」
「たのしみー!」
「楽しみだねぇ」
2人ともノリ気だ、俺もそうなのだが。何しろ、未発見の境地なのだ。多分、人間の商店街のグレードアップバージョンだと考えよう。
この前はあんまり周りを見れなかったからね〜…存分に、不審者のようにキョロキョロするとしますか。
例えが酷い気がするが、仕方ない。
さあ、れっつごぉ。
ツリスさんが指を鳴らし転移させる。視界が落ち着いてきた頃には…
「おおぉおおぉぉぉおぉ…」
「すご〜い!!何あれおねえちゃんっ!!」
にぎやかがやがやな天界。
見た感じ、飲食店が多めなのだが…外のテーブルの席で、背が高い人、猫神様…?みたいな人、明らかに人外な人、その他もろもろが酒らしき飲み物を煽っている。
これはまさに…
「常時居酒屋サラリーマン状態…!!」
多分これが一番正しい例えだと思います。
そして、子連れの神が珍しいのか、ちらちらとこちらを見てくるやつがいるが、すぐに目線をそらしまた飲む。
「ツリス氏、あれは全て酒なの?」
「そうだね〜。すべて酒だよ。大人になったら、凄く楽しめるであろう系のね。」
お酒…ウッアタマガ…
ま、まぁ、酔っ払ってぶっ倒れて、戒めとして耐性なししっぽもふもふもふもふ攻めを食らったわけだから、今後、あんまり酒は飲まないと思った…
子供でも楽しめるお酒…別名ジュースはないものか…
天界のジュースって、なーんか見た目はあれだけど、味は絶品だっていうのが多い気がする。
「普通に美味しくて見た目も普通のやつもあるよ?どういうやつを想像してたの?雪餅。」
「魔女の作りそうな、それこそ百味ビーンズのようなゲテモノ味のビーンズの見た目だと思ったんよ。」
「あ〜…想像はついた。」
百味ビーンズ。クソまずいやつもあればそうでもないものがある。食べてない人は試してみるといい。歯磨き粉味で地獄を見たぞ。(実話)
「普通にそんなものもあるけどね。たまーに、ロシアンルーレットとか言って、味が変わるジュースでね。
良くて超高級なモンスターの肉肉汁味。
悪くて虫系モンスターの粘液、視認の魂の味とか…」
「うえっ…虫…おえっ…」
なんで俺は虫を想像してしまったのだろう。自分のアホ。
………
結局ロシアンルーレットドリンク?を飲むことにした。
結果は…平和で良かった。平和なのか…?
非雨がわさび味のジュースを引き当てたらしく、『んぐっ!!!げほっげほっ!!!』と顔を真っ赤にして咳き込んてた。
ソフランちゃんはソフトクリーム味のドリンク。なにげにうちらで一番運がいいのはソフランちゃんじゃないかな?
ツリスさんは……言ってくれない。
だけどしっぽをふりふりしていた。おそらくは彼女の好物なのだろう。
俺は、そのまんま、いちごミルク味を引き当てた。平和じゃなかったのは非雨か。頑張れ、非雨。
…………
次についたのは…?娯楽屋…?
「なんで天界に娯楽が…?」
「人間も神も魔族も、娯楽がなきゃ生きていけないよ。餅も、非雨も、ソフランちゃんも、楽しいことが無いとやってられないだろう?」
「だよなぁ…特にスマホは大事だね。」
「私は〜…ゲームとソフランちゃん達がいれば幸せだよ。」
「テレビのおもしろいのなくなるの、困る…」
ソフランちゃん、可愛い。
困ると同時に、首をかしげ葛藤している顔、すげえかわいい。写真取りたい。
こんなことも娯楽だよな…確かになくなったら困るな。
「だけど、全て娯楽を見て回るのは、軽く10年はかかるよ。」
「「長ッ!!?」」
天界、恐るべし…
人間と神の違いってすげえな…
「長いものでは1回5年は掛かるらしくてね…」
「娯楽というより、封印なんじゃねえの…?」
5年もかかる娯楽ってなんだよ。ギャンブルか…?それともやっぱり封印…?
「後はね、暇を持て余した神が、身体能力もぜんぶ人間に変化させて、下界に住むというやつもあったね。」
「本当に暇を持て余した神々の娯楽やな…」
「ツリスさんは、体験したの?にゃ。」
非雨よ、なぁぜにゃをつける。そこを小一時間くらい聞き続けたい。『気分』で返されたら終わりだけど。
「もちろん。人間に興味があってね。仕事頑張って、人の余生分の仕事を頑張ってやって、寿命分の有給を取れたよ。」
寿命分の有給とは…???やっぱり神が言うとパワーワードですな…
「どうだった?私達の人間の身体は。」
「不便極まりないね。女性として生まれたけど、痴漢されたときが一番大変だったね…いつもなら魔法で消し炭にしてやるのに…」
世の中の変態男性諸君。ツリスさんに痴漢はやめようね。まず痴漢自体いけないことだけど…
男のときに聞いてたら、間違いなく足がすくんでたね。それと同時に縮む。
ま、まぁ今の身体で知らぬ男から胸やおしりを触られようなもんなら、股間を潰すんだけどね。むしろ、切り刻もう。
あはは…順調に染まってるな…
んま、自分が人にされて嫌なことはするなって話だし。触ったら自業自得よね。
「〜〜って、事だったんだよ。」
「参考になるよ、ツリスさん。それはそうと、ゆっくん、聞いてた?」
だぁれがゆっくんだ。俺か。
「すまん、聞いてなかった。」
「む〜…私が長い話を纏めたのに…罰として耐性なししっぽモフり5分間。」
「にゃんだってええぇ!!!」
後日、半泣きな雪餅が発見されたのは、また別のお話。
(お楽しみは次回ね)
………
ただいまぁ。
天界から帰ってきたゆーきもちー御一行。家はやっぱ安心するぜよ。
世はまさに、就寝時間。つまり10時を超えている。ソフランちゃんはもう眠気がキャパオーバーしている。ツリスさんにお姫様抱っこされている。
んまぁ俺も変態だからわかるんだけど、この時間帯は…色々、ヤる人も多いわけで…女性側が基本的に腰がぬけたり歩けなかったりと色々とヤバいわけで…
…やっべ、今考えている脳内で非雨たちを見ちゃあいけない…隠さんと…
話題を変えよう。
結論、もふもふしっぽは正義だぁね。
自分のしっぽに顔をうずめてる。自分の身体の一部なのに、まるでもふもふタオルの洗濯したてのいい匂いがする。
ふぁぁ…さいこぉ…
おやすみ…
ネタがなくなってきたなり()




