茶番三十一話 酔っ払ったり愛でられたり
ん…んぅ…?やわらかい……きもちいい…んゆゆぅ…♪
「あ、起きたー?」
「んやぁ…?ん…?って、なんで抱かれているんだ…?」
「母性を感じちゃってね…ついつい抱いちゃった!」
…まぁ非雨らしいっちゃ非雨らしいな…
「ていうか、ソフランちゃんにはやらかなったのか?」
「既に抱いたよっ!10分くらい抱いても起きなかったからまた寝かしたけどねー。」
既に抱いてあったよ…
「それよりさ、今日はなにか予定はあるの?」
「それがさ、昨日、ツリスさんが一日中俺の事を愛でるって言っててさ…」
「わ〜た〜し〜も〜雪餅の事をめ〜で〜た〜い〜…」
「ま、まぁツリスさんに言ってくれ…」
と、非雨と話していたら、
「やぁやぁ、雪餅くん、元気?」
ツリスさんがやってきた。
「元気だけど…今日は俺を一日中愛でるんでしょ?」
「そだよ〜?この為に、昨日時を止める魔法とか駆使して仕事を終わらせてたんだよ〜?」
「すごいなツリスさんや…」
色々と説明を受けて、俺はツリスさんの部屋に連れて行かれた。
「やっぱ綺麗…」
「そりゃあね!愛でる対象が、汚い部屋を見て甘えてくれなかったりしたら困るんだよね…!」
そんな事はない…ていうか、わざわざ片付けなくてもどっかのきれいな宿やらでよくね…?
「雪餅、君は誰かが使ったベッドの上で愛でられたいかい?」
「いやまぁ非雨やソフランちゃんの布団の上でいっつも抱き枕にされてるし…」
「それは雪餅の身内の布団だからね‥?全くの他人だよ?人間が手入れしたとはいえ、あれだよ?」
「ん〜…気にしないし…」
「とにかく!私の部屋で雪餅は、お母さんに甘える赤ん坊の様にしとえばいいの!」
「う、うん。」
「…非雨に、甘えたんでしょ?」
ドクッ…!?
心臓を揉まれたような感触…!
「胸に耳をぴとっとして…甘えたんでしょ…?」
「な、なんてそれを!?」
「ふふっ…私は神様だよ?君達のことはお見通しなんだよ〜?」
あぅぅ…恥ずかしい…
と言う事は…
「非雨の事を、お姉ちゃんやママって言ってたのもお見通しだよ〜。」
誠に恥ずかしい限りでございます…///
「まぁ…そのように甘えればいいんだよね…?」
「そーゆー感じ!じゃ、私の膝下においで〜。」
手招きをされている。それはまるで、何も知らない子猫を手招きするような…操られるようにツリスさんの膝下に誘われる。そして自分は子猫のように丸くなった。
「ふにゃう…」
「ふふっ…よしよし…」
「ん…♪」
あ〜…安心感に溺れてしまうぅぅ…甘えちゃ〜う…
「ほ〜ら、雪餅の大好きなしっぽだよ〜…?」
ちょうど手の届かないところにしっぽをゆらゆらされている…触りたい…モフりたい…!
「ん〜…!」
手を伸ばすが届かない。そう言えば今俺はロリ体型だっけか…
「もっと甘えるっていうのなら、しっぽをモフらせてあげるよ〜?」
「あまえる…!」
即答。当たり前である。モフモフしたい。
「じゃあ存分にモフるがよいのだ!」
しっぽを手の届く範囲まで下ろしてくれたから…モフっ…!さわさわ…
「もふもふ…ぅ…♪」
「気持ち良さそうで何よりだよ。今日のために、手入れをしっかりとしたからね〜。」
あったかくて…スリスリしたくなるしっぽ…あ〜…しっぽにつつまれちゃううぅ…
[7時間後]
「むにゃむにゃ…しっぽ…もふもふ…」
「寝言もかわいいやつめ…!非雨が溺愛するのも無理はないね…!」
ふにぃ……もふもふ…あったか…
「はっ…!」
「あ、起きちゃったね〜。よく眠れたかい?」
「夢の中までもふもふに侵食されてた…!」
「どんだけしっぽやもふもふが好きなのさ…」
「もふもふはね〜…人を笑顔にさせる魔力があるよ〜!」
「確かに雪餅、すっごく笑顔だったもんねぇ…。男とは思えないくらいに可愛かったよ?」
いいじゃないかぁ…甘たかったんだし…
「つ〜ぎ〜は〜…何されたい?」
「甘えると言ってもね〜…さっき十分甘えちゃったし…」
甘えネタのネタ切れである。深刻なり。
「それに、ツリスさんに甘えるのもいいけど、非雨だからこそ、の甘えのやつもあるんだよね。」
「なるほどね〜。」
まぁこれで狐になれるっていううまい話もないしな…え〜っと…7時間しか経ってないし…
「別にいいよ〜?」
「ふえ?」
「もう報酬は十分すぎるほどもらったよ〜。かわいい寝顔も見れたことだし、子猫のように甘える雪餅も見れたしねぇ。」
「つまり?」
「狐族に変身出来るぞ!」
「やたぁ!」
やったぜ…!自分でいつでもモフモフできる…!にしし…♪
「じゃ、頭に触れるよ〜。」
「あーいあいっさ!」
頭にツリスさんの手が乗せされる。何かが流れてくる感触が…する…
…あれ…?何かがおかしい…?
「ツリスさん…なんか…その…狐族になったらトイレに行こうと思ってたんだけど…行きたくなくなっちゃったんだ…なんで?」
「それはね〜。雪餅を、狐族…といっても、魔族側の方にしたからね〜。」
え〜っと…つまり俺は人外になっちゃったの?
「同じ狐族の私が言うのも何だけど、人外だね〜。」
…まぁ…うちの家は人外だらけ…だけどかわいい人が居るからねえ…。
猫耳狐しっぽの非雨さんと、その非雨さんの裏人格だったソフランちゃんと、狐族のツリスさん。
そんで魔族側の狐族になった自分。人外家族だけど、みんながみんな可愛がって暮らしてる平和な世界である。
「んで〜、魔族になったことによってね〜…」
「な、なに…?」
「魔法が使えるようになったよ!」
「おぉー!!」
魔法!非雨やソフランちゃんやツリスさんが放ってるのを見て羨ましかったんだよね…!人に迷惑をかけない程度の厨二病の血が騒ぐぜ!
「と、言ってもね?突然魔法が使えるようになったってね、うまく使えこなせなきゃ意味がないんだ。自分が使った魔法が暴発して、非雨やソフランちゃんが怪我したらどうする?」
「そ、それはやだなぁ…なるべく非雨達の前で使わないでおこう…。」
「そ。そゆこと。だけど、どうしても使いたいっていうのなら、私にきちっと言うんだよ?使いたいのなら、ちゃんと非雨に許可をとってやるんだよ?」
「オーケー理解。ま、なるたけ使わないようにする。だって非雨やソフランちゃんが怪我しちゃうの見たくないし…」
「わかったならよろしい。もしも無許可でやるようならば…脇腹1日中コチョコチョの刑ね?」
あ…約束を守らないと死ぬやつだこれ。
「じゃ、さっそく雪餅のs…
「ツリス〜!失礼する…」
その瞬間、場が微妙になった。
………
「ツ、ツリス……この…その、なんだ…その子は…」
「あっ…えっとぉ…」
知らない人が来て戸惑う俺。誰ぇ…?この人…
猫耳猫しっぽの女性…?獣人の類…?
「その子は…ツリスの隠し子…か…?」
「ぶふっ!?」
「隠し子なわきゃないでしょお!?」
か…隠し子て……
「いや…似てるなぁ…?銀色の髪色に近い髪色と…ツリスと同じ狐族…」
「そんなわけないって!ていうかまず私独身!」
独身でもとある事情とかで子供を産んでしまう人だっているんだよ…主にアレな方向で…そんなヘマするツリスさんじゃないと思うけど…
「あの〜…隠し子隠し子って言うけど…俺とツリスさんは血も繋がってないんですよ…?」
「そ、そうなのか…?」
「ん、まぁ…そんな感じです…ね。うん。」
初対面の人に、『ツリスさんに甘えてたらこうなりましたぁ!』って言いづらい…
「あのねぇ…元はこの子人間なんだよ…?んで、私がねぇ、とある事をして、種族まるまる変えたってわけ。」
「は、はぁ…やっぱりツリスはすごいな…種族転換…か。」
「え〜っと…自己紹介したほうがいいですよね…?」
「そうだねぇ。まずは雪餅からお願いね。」
「んと、ツリスさんが言ったと思うけど…俺の名前は雪餅。よろしくなのです。」
とりあえず名前から言っとけばいいやろ精神。
「ふむ…雪餅か…我はスイレン。ツリスの後輩にあたる。よろしくなのだ。」
「こーはいっ!?え!?」
「そ。後輩。」
「後輩ということは、ツリスと同じく神なのだ。」
「か…神…俺の場違い感…」
神、神、人間(狐族[魔族])なんだよ…俺は神さんに挟まれてるんだよね…下手すると食べられそうで…
「大事な家族を食べるわけ無いでしょぉ!?」
「家族…やっぱり雪餅はツリスの隠し子…?」
「まず私から人間が産まれるはずがないと思うよ?」
「あっ…そうなんだな…すまんな、雪餅。」
なんか謝られた。
「んで、スイレンさん。」
「なんだ?」
「実は…こんななりしてるんですけど、元は男なんです。」
「ふむ…男…ね…それにしちゃあやけに胸が大きいな。」
そういうスイレン氏もまぁまぁ大きいんだけど…
「…これ以上大きくなっても困るだけだぞ…?」
「いや望んでこの胸の大きさになってるわけじゃないですし…」
「ま、慣れは怖いよ?」
そうだよ慣れは怖いよ…!
男になった時に胸の2つのおっきいたわわな物がないと違和感を感じてしまったし、棒が生えてることについても違和感を感じてしまったよよこんちくしょうめ。
「んん〜…正直言って、この身体で生きてきて大体3000年以上は経つしなぁ。」
「正直言って神になると歳なんて忘れちゃうよねぇ…。」
「だな。」
さすが神というか…3000年…
宇宙ができる前からいる生命体だって居ると思うけど、やっぱ身近な人で長命な人はこの人(神)達だよねぇ。
「15歳の俺は一体…」
「そんなん、狐族なら1000年は軽く生きるぞ?」
「だから、雪餅は私が色々いじくってこの姿にしたんだから、本当は人間なんだよ?」
「ふむ…そうか。」
スイレンさんは何かを考えてる…何を考えてるんだ?
「実はだな、私のとある知り合いから、お前の事を聞いたんだよ。」
「え?俺?」
スイレンさんの知り合い…?
俺のことを聞いたってことは…天津…?
「すごく可愛らしくて、子猫のように甘えてくる…と聞いたことがあるな。」
ふぇ…?いやまぁ…確かに甘える時は子猫のようだと思うけど…
「んで、前々から会ってみたいと思ってたんだよ。ツリスから雪餅のことも聞いていたしな。」
「やっぱり、雪餅は可愛いよね?」
「うん。可愛らしい。」
中身男なのに可愛いって言われるのはね…うん。恥ずかしい…うん。
「よし、雪餅!」
「な、なんですか…?」
「一緒に酒飲みに行くぞ!ツリスも行くぞ!」
酒かい!会社終わりの飲み行くぞテンションかよ!
「いや…俺未成年…」
「ん?確か我の記憶が正しければ…15歳になったら成人したはずだが…?」
「スイレン、雪餅は私の世界で生まれたんだから、私の世界のルールに従ってもらうよ?」
「へいへい…雪餅ぃ…さっさと成人しろぉ…」
なんか酒に関することだったら面倒くさくなりそうだなこの人(神)…
「っていうか、今から飲みに行くんですか?」
「そうだ。さっき仕事終わったから、ツリスを誘って飲みに行こうとしたんだよ。」
「私以外の人はいなかったのかい?」
「なんやかんや友を作ったって、結局気が合うのはツリスだからな。」
「は、はぁ…私が今日休みで良かったね…」
俺はどうすればいいのだろうか…?
「雪餅も来るかい?それとも、留守番する?」
「ん〜…二人が迷惑ではなければ付いて来たいけど…」
「私は一向に構わん!」
「じゃあ一緒に行こっか。」
神の二人に付いていくことにした俺。やらかさないように注意しなければ…
「さて、居酒屋に行きましょか〜。バーでもいいんだけど、未成年の雪餅が入れないからね。」
「居酒屋…!」
居酒屋といえば、唐揚げやら美味しいものがいっぱいあるとこ!
俺のお気に入りはタコのからあげである。すごく美味しい。
「行くよ〜。雪餅は私に捕まって〜。」
「はいさ!」
手を握り目をつぶる。そして目を開けたら、どこにでもありそうな居酒屋が目の前にあった。
「やっぱり転移魔法は便利だねぇ。」
「だな。犯人を追いかけるときもそれを使えばすぐに捕まえられるしな。」
「それに、出張の時も一瞬で着けるからね〜。」
さすが神…(2回目)魔法使えない勢からしてみればすごいとしか…
「雪餅も魔法は使えるよ?」
「あ、そっか。今は人間じゃなくて魔族だもんね。」
と言ってるうちにスイレンさんが店内の席をとってくれたそうだ。
椅子に座り、メニューを見る。
「……?」
「どうしたの?雪餅。」
「これ、なんて書いてあるの…?」
…多分…神の世界の言葉なんだろうが、全く読めない。記号みたい…
「…『言語識別可視化』…」
「ふぇ?あ!読める!」
えーとなになに?コカトリスのからあげと…上オークの丼…ロックモンスターの角煮…はぇ〜…すごい…
「でも、なんで読めるようになったの?」
「我が言語識別可視化の魔法をかけてやったんだ。せっかく飲みに来たのに、美味い飯が注文できなきゃ困るだろ?」
「ありがとうございます!」
「いいってことよ。」
すげぇ…意味わかんない記号が日本語のようにすらすらと読める…!
ページをさらに開いて…激甘カクテルと…血液ウイスキーの炭酸割りと…逆魚のひれ酒…うん、ここは俺が飲んじゃだめなやつだね…うん。あれ…?これは…?
「ツリス〜、これ何〜?」
「ん、刺し身で運試しね〜。その名の通り運試し。簡単に言うとロシアンルーレット的な感じかな…?」
「うぇっ…ロシアンルーレットかぁ…」
あれでしょ?たこ焼きの中にわさびとかめっちゃ辛いの詰まってるやつが1つランダムに入ってるやつでしょ…?
昔それに当たったから、嫌な思いしかない…
「店員さんに頼めば、辛いのじゃなくて、めちゃうま!のやつにも変えることができるらしいよ?」
「そうなの?」
なら安心だ。
「たいしょー!刺し身で運試し!めちゃうまのやつで!」
「あいよっ!」
大将…なのか…?あれ…
鬼っぽいから…確かに大将っぽいけど…
「後、この子に甘めの飲み物を追加お願いします!」
「あいさっ!」
この子って…俺?
「好みは炭酸系…だな?」
「ふぇ!?なんでわかったんですか!?」
「長年大将やってると新入りの好みも分かってくるもんよ!ほら!飲みな!」
そう言って鬼の大将は俺に飲み物を渡してくれた。色は透明だけどしゅわしゅわと泡立っている…これから導き出される飲み物は…
「ごくっ…あまぁぁ…これは…サイダーだね…!ていうか、家で飲むものとかなりスッキリしてる…?」
「それはだな、酒をサイダー割りを望むやつがいてだな。どうせなら美味しい物を仕入れたって事よ。」
サービス精神真っ盛りの大将…!すげぇ!
「刺し身で運試しお待ち!」
出されたものはまぁ見事な刺し身盛り。後これはなんだ…?姿造り…?動画では何回も見てるけど、やっぱ生で見るとすごい…
こんな魚なんて見たことは無いんだけどね…。うん。なんていうか、姿造りだから生々しい。
「いただきまーす!ぱくっ…」
もぐもぐ…うむ……見た目は赤身なんだけど…エンガワやヒラメみたいにコリコリしてる。不思議…
「ん、ハズレみたいだね。」
「ふぉ〜ひゃろ?ん…普通に美味しいよ?」
普通に美味し。ほんとにうまい。
これをつけダレに漬けて丼にして食べてみたいものだねぇ…!
「私も…ぱくっ…」
「…(もぐもぐ)」
スイレンさん、無言で食べてる割には…口角がちょっと上がってる様な気が…猫耳+猫しっぽの神さんだから、魚を食べると嬉しいのかな?
「よっし!当たりは私だねっ!うま〜…!」
これよりうまい刺し身って、どんな感じなんだ…?脂がテッカテカで、クドくない甘い脂でとろける様な感じなのかな…?
「それは食べてみてからのお楽しみ〜♪」
「むぅ…我も食べてみたいぞ…」
そう言ってるスイレンさんなのだが、いつの間にかに酒瓶を持ってにやけながら飲んでいる。その表情は嬉しそうだ。
「初めで食べるけど…すごく美味しいなぁ…」
「でしょ〜?」
「ツリス!酒飲むぞ!」
「おーうよっ!」
目の前には、これはいつの間に用意したのかわからない酒瓶が2本置いてあった。
スイレンさんがツリスさんに徳利に酒を注ぎ、飲む。
二人とも、酒を飲んでる時はニッコリとして飲んでいる。やっぱり3000年以上生きる神さんにはわかる旨味なのだろうか。
やっぱり飲んでみたい…う…誘惑に負けちゃだめだ…
これは罠だ…!俺を酒という渦に引きずり込む罠だ…!
「雪餅、そんなに飲みたいのかい?」
「…まぁ…ほんのちょっとだけ飲みたいと思ってた…」
サイダーをジョッキで飲みながら言う。天使と悪魔が囁やき合う。
どうしよっかなぁ…
「確か…魔族は、酔いはするが…身体が魔力で出来てるから、身体には影響しないって言ってたなぁ…?」
「ホントですか?スイレンさん。」
「我の知り合いから聞いた話だからな…魔族と一緒に飲むたび飲むたび、『魔族なので、酔いはしますがみなが酔っ払ったときには僕が送ります!』って張り切って言ってくるからな…ゴクゴク…」
なら、飲んでいいのかな?と思いツリスさんに視線を寄せる。
顔がほんのり赤くなったツリスさんが、ウィンクをしてた。良いってことなのかな…?
じゃあ…飲んでみよう。
「ツリスさん、酒、少しだけ飲んでみていい…?」
「いいよ〜。」
まだ安定した足でコップをもらいに行ったツリスさん。そして酒瓶を持ちコップに注ぎ俺に渡した。
では…多分神の世界の酒初体験の俺…!いただきます…!
「ごくっ……」
あ…れ…?してんが…ぐらんとして…おち…る…
パタッ…
「雪餅!?」
と言う声がかすかに聞こえた…がもう何も聞こえないし真っ暗になった……
………
目覚めた。頭が痛い…
結局俺は、神専用の強めな酒を飲んで、気を失ってしまったらしい。
ツリスさんがぶっ倒れないように魔法をかけてくれたみたいだが…それさえ貫通する酒…恐るべし…
だけど、神専用の強めな酒を飲んでしまったが、人体には何も影響がないらしい。そうだった、俺は狐族の魔力の身体だったんだった。
そんでもって俺は、20になるまで当面お酒を禁じられたのだった。
家に帰ってきた時、非雨とソフランちゃんにしっぽをモフられて悶絶したのはまた別のお話…
ちゃんちゃん。いやめでたかねー…いや非雨達だからめでたいのか…?
また雪餅くんが狐の人になりました。しばらくは狐族です。




