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『元』少年は姉妹になったので次女になる  作者: ただの雪餅
本格的に茶番の世界で愉快なぱーりない
126/148

茶番二十九話 雪餅達が温泉に行くようですがツリスさんが乱入してきました

珍しく1週間以内に投稿出来ました。

「……暇だー。」

俺らは今、天津宅に居る。

正確には、俺が天津の部屋に居て、非雨とソフランちゃんが天凛ちゃんの部屋に居るのだ。


「なら小説執筆しようや。」


かくいう天津も動画編集をしている。本人曰く暇つぶしだという。


「んーー、気が向いたらー。

「お主の『気が向いたら』は信用に欠けるんだよ…」

「痛いいひゃい!ほっへたつにゅれなにゃいで!」

「へいへい…」

「いたたたた…」


普通に痛いのでやめてほしい。

と、暇つぶしにスマホを見ていたら…


『今ならこの温泉がいいですよー!!』


と、動画の広告が流れて…この時俺は閃いた!


「なぁなぁ天津!明日か来週辺りに皆で1泊2日の温泉に行こうよ!」

「は?またなんで急に…」

「いいからいいから!行こーよ!」

「いやなんで俺が温泉に付き合わなきゃいけないん「権力でなんともなるもんなんだぜふはは。」

「……はぁ…まぁいいや。天凛が行くと言ったら俺も行くことにするよ。」


よっしゃぁっ!


「やったぜ。やったぜ。y、やったぜ。」

「やっぱりこいつうぜぇー!」

「いたたたたたた!つにゅにゃらいでーー!」


……


天凛ちゃんにこの話を持ちかけてみたら、『行きますっ!兄さんも行きますよ!』とのこと。これで天津は行かざるを得なくなったのだ。

もちろん非雨とソフランちゃんは行くという返事だ。


さて、集合日時は明日の8時だ。何処ぞの修学旅行なのか?というほど早い気もするが、気にしない。

さて、楽しみだっ!






………






昨日までの粗筋あらすじ

無事に(?)男に戻れた雪餅!しかも非雨からバレンタインチョコをもらったぜ!喜びのあまり俺はそれを口にした…!だがしかしそのチョコには毒薬|《性別転換薬》が入っていたのだ!

荒素字あらすじおわり!


とまぁおふざけはここまでにして…まぁた性転換したよ…うぅ、いつ戻れるのだろうか…


ちなみに性転換したその日、仕返しとして非雨にしっぽをめちゃくちゃにくすぐった後抱き枕の刑にしました。これで少し…というかすっごく気が晴れたし、もふもふは気持ちよかったしで最高でした。


そして現在時刻は7時30分。みんなの準備は終わったし、後は待ち合わせ場所に向かうだけだ。


「みんな、準備はできたー?雪餅の分の着替えはある?」

「……なんかいかにも俺が着ないといけない幼女用のパジャマが見えたがあるな、うん。」

「ソフランちゃんのヘアピンとー…外寒いから雪餅とソフランちゃんに保温魔法をかけてあげてっと…」

「わー!あったかーい!」

「お、サンキュ。」

「それじゃ、温泉に行きますかぁ!行くぞー!」


俺はすかさずあのネタを思いついた。小声で言おう。


「デンデンデデデデン カーン」

「んゆ?お兄ちゃんなにか言った?」

「いや何も、さて、行こっかソフランちゃん。」

「うん!」




駅まで移動…俺はソフランちゃんが『手をつないで一緒に歩こ!』と言ってきたので、手をつないで歩いた。正直に言おう。ソフランちゃんと手をつなぐのはめっちゃ気分が良かったです。


これはセーフでしょ!俺、見た目は幼女だぞ!幼女2人が手をつなぐのはまるで天使じゃないのか!?


と、その話はおいておいて、もうとっくに駅についているので、天津達を待つことにする。


…………ん?あれ…どこかで見覚えが…あるような人影だな…


「あれ、ツリスさんじゃない?」

「え、マジ?」


と、ツリスさんはどんどん近づいてきて…


「やっほー。非雨達が温泉に行くと聞いて、私が来たよー!」

「マジか!?」

「ん、またどうして急に?」

「いや、子供達だけで泊まれないでしょ?だから私が付いていくんだよ?」

「確かに…」

「でもツリスさん、俺から見たらまだ現役バリバリの女子高校生にしか見えないんだけど…」

「い、いやまぁ…見た目と年齢は違うって、よく言うし…?それに私はもう17歳をもうとっくに過ぎてるよ!」

「お、おう。」


予想外のツリスさん乱入で俺は驚いた。いやまぁツリスさんの言うとおり子供達で温泉宿に泊まれるか微妙だったんでありがたいけど…


「おーよしよし…ソフランちゃんは相変わらず可愛いねぇ……よしよしよし…」

「えへへー…ありがとうツリスお姉ちゃん…♪」

「あのー、公共の施設で百合百合しないでください…」


駅の待合室に誰もいないとはいえ、恥ずかしい。しかしソフランちゃんが可愛いのも事実だ。


「よぉ…って、その人は…」


あ、天津達御一行が来た。


「あ、天津くんかな?雪餅から話は聞いてるよ、今日と明日、よろしくね。」

「わあぁぁ…すっごく可愛いですー!」

「ん?君は天凛ちゃんかな?非雨達から話は聞いてるよ。いつも世話になってるようで、ありがとうね。」

「こ、ここここちらこそ…!」


て、天凛ちゃんがツリスさんの挨拶に固まってる!!


「えっとこの人はツリス…さん?で合ってるよね?」

「ん、合ってる合ってる。天津くんは知ってると思うけど、私は非雨の世界の神様をやってるんだ。」

「おぉっ!非雨ちゃんの世界の神様ですか!?というかまず神様って居るんですか!?」

「まぁまぁ落ち着け天凛。」


天津が天凛ちゃんを落ち着かせたところで、ツリスさんが天凛ちゃんに色々話した。


「ふ、ふむ…なるほど…」

「まぁそんな感じかなー?君達はまだ子供だから、大人である私が同行するって話。」

「今日はよろしくです。」

「あ、天津が礼儀正しい…だと!?」

「あぁ?てめなんつった?」

「さーせんっしたぁぁぁっ!!」


と、ボケツッコミをやった後で電車に乗ることにした。温泉と言っても、そんなめっちゃ豪華とかそんな感じじゃなくて、ちょっと山奥にある温泉に行くことにしている。ここから電車で1時間ちょっとで着く。


そしてガタンゴトンと揺れながら景色を見る。こういうのは結構好きなのだ。


「おぉー!きれーい!」

「だよね!綺麗だよね!」


ソフランちゃんと天凛ちゃんが景色を見てはしゃいでいる。

山奥に行くにつれ人がどんどんいなくなる。目的の駅3個前にはもう貸切状態だった。


天津さんはスマホをいじっていたし、非雨とツリスさんはソフランちゃんと天凛ちゃんをみて微笑んでいた。


俺はもう景色を見るのに飽きたので、天津に話しかける。


「なぁなぁあまつっさん。」

「なんだその○○にっさんを付けた呼び方は。」

「まぁまぁええじゃないかええじゃないか。何してるのー?」

「暇だったもんでスマホでオフラインゲームしてた。」

「はぇー…あ、そーいやさ、1つ思ったことがあるんだけどさ。」 「なんだよ。」

「天凛ちゃんの呼び方、ちゃんじゃなくて、さんにしようかなと思ってさ。まぁ兄である天津に許可を取ろうと思ってね。」

「勝手にしやがれよ…呼び方は特に強制しないっての…」

「わかったー。」


という事でこれから天凛ちゃんを天凛さんと言おうと思う。なんとなくでちゃん付けするかもだけどねー。



という事でなんやかんやありまして目的の駅に付いた。ここから15分くらい歩くことになる。


俺はツリスさんに背負われ、ソフランちゃんは非雨からおんぶされながら歩くことになった。


「別に自分で歩くからええのに…」

「この前20分くらい歩いてバテたって非雨から聞いたからね。はしゃげる体力を残しておいたほうがいいじゃない?」

「俺は幼稚園児じゃないっての…」

「見た目はただの幼女じゃない?」

「るーさーい…」


ツリスさんのほっぺたをムニムニしながら背負われていく。


「まぁ夜になったら暇つぶしとして…なにかやーろっと。」

「ん?なにか言った?」

「いやなにも?」


なんかちょっと嫌な予感がするがまぁ温泉を楽しもうじゃないか。


と、15分くらい歩いて、温泉宿についた。こじんまりとしているが、調べたところ結構おもてなしが良いところらしい。


「いらっしゃいませー。」

「予約している御一行だ。」

「はい、わかりました。お金はもう貰っていますので、どうぞお楽しみください。」


歳が5、60歳くらいの男女が揃ってお辞儀している。俺たちはスリッパに履き替えて部屋に荷物を置く。


「……なんで一緒の部屋なんだ…?出来れば男女で分けてほしかったんだが…」

「いや、それだと天津くんが一人になっちゃうよ?」

「いや俺男…「雪餅は今は幼女、いいね?」

「いやいやいや待ってくれ!こんな見た目だけど俺は男だっての!」

「冗談だって冗談!ふははは!」


ツリスさんの高笑いが響く。ありゃ?ツリスさんってこんな人だっけ?


「ん?ここって男女別だっけ?」

「そうだよ?兄さんと一緒に入れないのは残念だよ…」

「俺は男のところに行く…「雪餅は私達のところに入りましょうね…?」


ひ、非雨の目が怖い…!意地でも俺を男湯に入らせんとばかりな意思を感じる…!


「とりあえず俺は暇だからお風呂に入ってこよっかな…」

「じゃ私も行きますかぁ。雪餅、一緒に入ってもいいよね?」

「いいよー。ツリスさん一緒に入ろー。」


という事でツリスさんと昼風呂に入ることにする。非雨達は天津達とトランプをするようだ。


「温泉行くのっていつぶりだろうなぁ…」

「私は仕事で疲れた時、ちょくちょく行ってるけどねー。」

「ツリスさんは社畜だった…?」

「一応社長だわい!てか社長なのか…?」


そう言われるとうーんってなるな…


と、風呂場についた。もちろん俺は…


「女湯じゃないと駄目だよ?」

「うゆゆゆゆ…!」


ツリスさんに首根っこ掴まれてしまった…


「てかツリスさん男の見た目にできるやん!それで「ゆーきーもーちー?」


あの…やめてください…その無言で圧のある笑顔を向けてくるのやめてください…


「はい…わかりました…」

「うむ。よし、湯船にはいりに行くかー。」


ツリスさん怖い…



と、いそいそと自分の服を脱ぎつつ……裸になる。


「……家ならいいんだけど、どうもここだとなぁ…」

「ん?じゃバスタオルでも巻くかい?」

「頼む…バスタオルプリーズ…」


ツリスさんからバスタオルを受け取り、巻く。一応あんまりおおっぴらに人に見せてはいけない所さんは隠せた。


「……どっちみち身体洗うから一回バスタオル取らないといけないんだけどね…」


この世は残酷だ…と思いつつ一回バスタオルを脱いで身体を洗い始める。


「ん?雪餅、身体洗ったげる?」

「んーーー…頼みますー。」


ツリスさんに体を洗ってもらうことにした。まずは頭。わしわしと優しく洗ってくれる。自分で洗うよりキレイになった気がする。


「次は身体だけど…見た目に反しておっきいね…」

「非雨のせいでこうなってるんだよ…」

「もういっそのことこの姿で一生を全うしたらどうだい?」

「遠慮しときます…」


ツリスさんから地味にヤバイ発言してたけど、そんなこと関係ないとばかりに洗っていく。目が細かい泡立てタオルでやってもらってるため、結構ふわふわして気持ちいい。


「……あぅ……くすぐったい…」

「我慢なさい、これも女の宿命よ…」

「俺男だっちゅうの…」


胸も洗ってもらった。ほんとにこのくすぐったさには慣れない。


と、身体も洗い終わり、泡を流していく。


「ツリスさんの身体も洗う?」

「んー…身体だけ洗ってー。頭は自分でやるから。」

「はいほーい。」


と、身体を洗っていく。こういうのはあんまりやったことないからなぁ…まぁ多分ぎこちないんだろうけど、頑張る。


普通にツリスさんも胸大きいんだよね…うん。


「ん、その気になればもっと大き胸大きい身体作れるけど?欲しいのかい?」

「がんことしてことわるっ!しゃー!!」


ツリスさんの提案を『だが断る』し、シャワーで泡を洗い流していく。


「んー…終わり!」

「ありがとうね雪餅ー。お詫びといっちゃなんだけど、もっと胸が大きい身体作っておく「作らなくてもいいです。」


まったく…俺の本当の性別は男ってのをわかってほしいもんだね…


さて湯船に入る。バスタオルはもう巻き直しているため大丈夫。


「ゆきもちやー。」

「何ー?」

「おいでおいで。」


と言われてる所はツリスさんの膝上。乗っかれって事だろうか。

まぁお言葉に甘えて失礼しますよっと…


「んゆ……やわらかい…」

「ふぅ…よかったー…私のこの無駄に大きい胸も、雪餅の癒やしの材料になってくれてさ。」

「べっ…別にそんな目で見てないぞ…!///」

「分かってる分かってる。よしよし、良い子良い子…」

「んゆぅ……」


風呂場での気持ちよさもあるし、ナデナデもいいし…よきよき…


「よしよし……あっ…!」

「ん?どうしたのツリスさん。」

「ん、い、いや、何でもない。」


この時雪餅に、ツリスさんの力が入ってしまったのだ。


「(ちょっとまずいかも…ま、このまま放置しても雪餅がもっと可愛くなるだけだからいいんだけどね…!)」

「んー…温かい…」

「よしよし…」


と、しばらく湯船に使ったあと、雪餅が限界を迎え2人とも湯船から上がったのだった。


「んーーー…ちょっと背が伸びたかな…?」

「ギクッ」



雪餅達が湯船に入っている間、天津達は……


「うの!」

「わっ、ソフランがあと1枚だ!」

「上がらせないぞー!」


………



「やったぁ1抜けだぁ!」

「よっしゃ!2抜け!」

「危ない危ない…ビリ回避…」

「最下位…ガーン」



と、ウノ含めいろんなカードゲームをしていたのだった。






………






夕飯の時間。1センチくらい背が伸びたような気もするが…成長…かな?


さて、夕飯の時間になった。テレビを見たり、非雨や天凛さんがお菓子を買いに行ったりして、時間を潰していた。



店の人が食事を出してくる。とても高級ホテルとかで出てきそうなご飯が出てきた…が、


「なんで俺はお子様セットなんだ?」

「まあ、この見た目だし…どうせ私達の量、今の雪餅には食べ切れないでしょ?」

「うゆゆ…否定できないのが悲しい…」

「ん、雪餅やー、ご飯食べ終わったら私の所においでなー。」

「う、うんわかった。」


ツリスさんがご飯食べ終わったらこっちに来て、と言ったので、まぁ行こうか、と思った。


さて、そろそろ食べるとしよう。


はむ……うむっ!おいしい!


(食事シーンはカットだっ!

by中の人)


「ごちそうさまでしたー…」


多分一番少ない量だったのにも関わらず、俺が一番最後に食べ終わった。この身体…不便!


天津達はアイスを食べている。遠くから見ているが、すごく幸せそうに食べている。光輝がこの光景を見たら実況しそうだな…


さて、ツリスさんの所に行くか…


「ん、来たかー。っと、先に私達は部屋に戻ってよっか?」

「ん?ん、わかった。」


なぜ早く部屋に戻るのかどうか分からなかったが、多分布団を敷くんだろうと思って着いていく。


部屋に到着。


「ゆきもちー。お風呂に入った時のように、私の膝の上においでー?」

「へいへい、分かったよ。」


撫でられると思って俺は膝の上に乗った。別にこの体型だし、甘えたっていいよね。


「なでなで……」

「んっ……♪」


すっごく気持ちいい…ん…?何か…感じるけど…なんだこれ…?


「雪餅、身体の変化に気づかない?」

「ん?えっ!?」


身体をよく見ると狐の耳としっぽが生えていた。


「えっ!?なんで!?」

「ま、暇だったもんで私のちょっとした力を入れてあげたんだよー?」

「もーどーしてくれぇぇ……」

「じゃ、私の言うことを聞いてくれたら明日の朝治してあげるから…」

「今戻してよ!?」

「じゃ、一生このままの姿だよ?」


ぐっ……卑怯者…!従うしかないか…


「んで…言うことはなんだ…?」

「まだこの姿は完璧じゃあないんだよね。身長伸びたの知ってるでしょ?」

「まぁ少し背が伸びたなと思ったけど。」

「もうちょっと力を入れて、背を伸ばしたり、しっぽの数を増やしたりとか…やってみて可愛がってみたいんだよね…!」

「……断ったらどうせ治してもらえないし、ちゃんと明日の朝治してくれるのなら自由に弄ってどうぞ…」


どっちみち今の俺の主導権はツリスさんにあるし、戻してくれるのならもうどうにでもなれって感じ。


「んんんんーー…」


そしてツリスさんが俺の頭に触り……しっぽがまたにょきにょきと生えてくる。


「……なんか頭から何かがすっごい流れていく感じがするんだけど…」

「私の力を頭から流してるんだよ…もう少しで終わるかな…?」


まぁ素直に待ちます……だけどすっごい尻辺りがむずむずする。ま、まだ生えるのか…?


「よし…終わった。鏡見てみな。」


終わったらしいので、鏡を見てみる……って…


「ええええええええええんん!!??」


どこぞの親父見たいな声出ちゃったよ!!てか誰これ!?俺なの!?


一応今の姿を説明しておくと、銀色の狐耳としっぽが生えている。

しっぽの本数は8本。なぜか8本。

身長が大体10~15センチくらい伸びた…正確に図ってないから分からないんだけど、それはどうだっていいんだ。


一番の特徴は髪の色が変わってるんだよ。白銀?銀色?と言えば良いのだろうか。今のツリスさんの髪色が銀色だから、それが移ったのだろうか。


後特徴を言えば、目の色が片方変わっている。性転換して、目の色が紫になっていたのに、更に変わり白銀+薄い青を混ぜたような色になっている。


簡単にまとめると……今日の朝に居た俺の面影など無くなっていたのだ。強いて言うなら、左目だけ元の色のままだということだ。


「どう?今晩だけだけど、新しい自分になれた気分は。」

「ん…違和感しかない…このしっぽとか、耳とか…」

「やっぱりねー。まぁ1時間もすれば慣れるよ。」


んーー…なんとなくしっぽを触ってみる…


「もふもふ…もふもふもふ……」

「しっぽ触ってるけど、どうしたのさ。」

「やっぱりこのもふもふがええなぁと思ってさ…うん。ちょっとくすぐったかった。」


非雨も狐のしっぽを携えてるけど…こんな感じにくすぐったかったのかな?


「……パチッ」

「!?なに!?」

「やっぱり狐の子供は、着物が似合うかな?と思って着させてみたら案の定すごく似合うじゃない!」

「な、なんで俺に着物を着せるの!?」


もう姿を変えるだけならいいんだよ…服装まで変えるのはやめてくれよぉ……


「なんだこの子ぉ!可愛すぎるぅ!!」

「わっわわっ!!」


ほっぺたをすりすりされる。


「非雨に自慢しに行こっか!」

「いやちょっと待って天津にこの姿を見せたくない…!」


俺の抵抗虚しく抱っこで連れて行かれる…


「非雨ー!ソフランちゃーん!おいでー!」

「んー?えっ!?なにこの子!?」

「この着物かわいいー!どこからきたのー!?名前は!?」


案の定非雨からもみくちゃにされてしまった。あっこら!そのしっぽ触られるとめっちゃくすぐったいから触るな!


「うゆゆゆ……!触るなぁ…!」

「んもう!素直じゃないなぁ!」


あの非雨さん?ちょっと受け取る方向間違ってません?


「あれ?そういえばお兄ちゃんはどこ行ったの?」

「そういえばそうだね。ツリスー。雪餅はトイレに行ったの?」

「いや、今非雨がすっごい可愛がってる子が雪餅だよ?」

「そうだよ!俺は雪餅だって!」


あ、非雨とソフランちゃんがすっごいびっくりしてる。声に出ない顔をしてるけど…俺このまま黙ってたほうが良かったのか?


「た、確かに胸の大きさとか左目とか、雪餅の面影があるけど…」

「おい胸の大きさを言うんじゃない変態姉貴。」

「ねぇねぇツリスさんやい、この子ほんとに雪餅?」

「そだよー?何なら私の記憶を移すかい?」

「いや、私はこの子がめっちゃ可愛くなった雪餅だってもう理解したからね!だいじょぶ!」


…なーんか今日の夜すっごくもみくちゃにされそうだなぁ…そして…


「あのぉ…ちょっとしっぽが…きつい…」

「えっ!?あ、ご、ごめんね雪餅!」


しっぽに圧?みたいのがかかると、ちょっと呼吸が苦しくなる。触られたりもふもふされる分にはまだいい。多分、多分なんだけどギューッを長時間されるとヤバくなるかも…


「そーいや、雪餅、背伸びた?」

「伸びた。」

「だよね。いつもの抱き方ではちょっと違和感を感じちゃったし…もう今度からは私が抱かれる番かな?」

「流石に非雨を持ち上げられるほどの体力はついてないと思うぞ…」


まぁ非雨のボケ?を返しながら色々やっていると、風呂から上がってきた天津達が来た。


ちな、これまでの行動を時間にしてみれば…

ツリスさんに着いてったのが午後の7時くらいで、姿が変わったのが20分。非雨に姿を披露したのが40分で、天津達が上がってきたのが午後の8時10分。非雨が言うには、天津達が風呂に入ったのが俺がツリスさんに着いてった時らしいので、天津が戻ってくるのは今くらいだったのかな…?


「…‥お前、雪餅か?」

「流石だ天津…」


天津が一発で当てるとは思わなかった。流石だ天津。としか出てこない。


「どうしてこんな姿に「これが雪餅さん!?すっごいかわいいじゃないですか!」


天凛さんが過剰反応してる!


「おい落ち着け天凛、こいつは雪餅だぞ?元はといえば男なんだぞ?」

「だけどこの子、すっごく可愛いじゃないですか!兄さんの幼稚園児の姿が可愛いように、この子も可愛いんですよ!」

「あ…?幼稚園児…?」

「いやぁ、部屋の掃除してた時に、兄さんの幼稚園アルバム見つけちゃって、すっごいかわいいなぁと思って見入っちゃいましたよ!今はカッコいいですけど、昔は可愛かったんですね!」

「な、何も言わないでくれ……」


天津が顔を抑えた…だと!?

天津の幼稚園時代に何があったんだ…?


まぁ詳しく聞くと殺られそうなんで聞かないでおこう…


「それにしても…なんでこの姿になったんですか?」

「それはかくかくしかじかって事だ。」

「なるほど…流石神…と言ったところなんでしょうか…?」

「そうなんだろうね…一応俺の権力もツリスさんがくれたものだし…」

「つ、ツリスさんって凄いですね…」


とまぁ色々女性陣にもみくちゃにされながらも就寝時間に入った。

こういうとき大抵は…


「枕投げするぞー!」


そう。お泊まりの定番枕投げ。主催者はツリスさん&非雨。それに天津が乗っかって三つ巴になっている。


ちなみに俺とソフランちゃんは天凛ちゃんのガードで枕が飛んでこない設計になっている。天凛ちゃんありがとう。


さて…今寝ようかとも考えたが、1つ疑問に思ったことがある。今俺狐っ娘じゃん…?狐火くらい指先に出せるんじゃね…?


「んんんーー…」

「お兄ちゃんどうしたのー?指をそんなに見つめて…怪我しちゃったの?」

「んゆゆゆ…!あっ!出たぁっ!よっしゃぁっ!」


やっぱり狐っ娘らしく、指先に狐火を出すことが出来た。

権力を使わずに魔法?を出すことが出来て満足っ!よはまんぞくじゃっ!


「あっ、雪餅が指先に炎出してる!」

「マジ?もう雪餅は指先に狐火出せるようになったの?」

「ふふん!念じたら出たぞ!これはドヤっていいでしょ!権力を使わずに出せたんだから!」

「おぉよしよし…良くできました…!」


ツリスさんになでなでされる。良くできましたねって、今となっちゃ煽りの言葉にしか聞こえなくなったが、こう何かを達成した時に言われると素直に嬉しい…!


「……雪餅すげぇな…」

「ですよね!可愛いよね雪餅ちゃんは!」


その頃天津達は狐っ娘になった雪餅を見て色々考えていたのだった…




枕投げ大会が終了して1時間後…

ソフランちゃんは就寝して、俺以外のメンツはまだまだ元気と言った感じだ。


「……ねむい…」

「雪餅、一緒に寝るかい?」

「ねるー…しっぽモフる…」


非雨から誘いを受けたので、寝ることにしよう…


「じゃ…しつれいします…もふ…」

「ん、ゆっくりお休みー…」


非雨のしっぽをモフっているうちにまたさらに眠くなってくる…


「………すやすや…」

「…寝たね。」

「そうだねー。」




………(非雨に視点移動)




「いつもの姿の雪餅も可愛いけど、この姿の雪餅も可愛いねー…」


と、私はぐっすり眠っている雪餅の頭を優しくなでながら言う。


「力を注ぎ込んだ私が言うのも何だけど、もし私が神を辞めることになったら、この姿の雪餅にあとを継がせよっかな…?と思ってたりしてるんだよねー。」

「ツーリースーさーん?」

「冗談だって…ははは。まだまだ辞める気はないよ。」


とは言っても、私がまだ知らない神の世界があるから、あんまり口には出して言えないんだけどねー。


「そういえばさ、この前雪餅を寝かせた時にさ、雪餅が『非雨お姉ちゃん』って言ったんだよ?その時すっごい嬉しかったよー…!」

「ホント?」

「ほんとほんと。あの時は雪餅の可愛さで昇天しそうだったなー…!また聞きたいよ…!」

「そう言われると、私も雪餅にお姉ちゃんって呼ばれてみたいなー…」


と、ツリスさんとの雪餅談義が盛り上がり…私が寝たのは1時を過ぎたあたりだった。


ツリスさんは夜遅く寝てもどうにでもなるから、起きた時にツリスさんが羨ましいと思ったよ…





…………(雪餅に視点を戻します)





「……おはよ……ってもう帰るの…?」

「雪餅、寝過ぎだよ!もうこの宿からチェックアウトするところだったんだよ?」

「えっと…今何時?」

「11時だよ!寝過ぎ!」


非雨から怒られた…いやぁ…寝る子はよく育つって言うじゃないか…


「はっ!俺の見た目!」


見た目について思い出して鏡を見る…そこにはいつもの幼女形態の俺がいた。白銀?銀色だった髪色は紫の髪色に戻り、狐の耳と8本あった尻尾もなくなっている。


「ほっ…ちゃんともとに戻ってて良かった…」

「ほら、雪餅帰るよ!」

「はいはーい…」


この後温泉宿をチェックアウトし、お土産を買った後、列車に乗りそれぞれの家に戻っていったのだった。



[後日談…]




「雪餅ちゃんのあの姿、可愛かったなー…」

「ん?狐っ娘状態の雪餅?」

「そうそう。また生で見たいなー…と思ってたりするんだよねー。」

「今度またツリスさんに頼んでみるよ。雪餅が狐っ娘になりたいって言えばの話だけど…」

「お願いっ!雪餅ちゃんが狐っ娘になったら私を呼んでね!多分メンテナンス中や兄さんの用事に付き合ってなければ飛んで来るから!」

「わかったー!」


と、裏で雪餅をまた狐っ娘にさせよう計画が建てられていたのだった。




「うえっしょい!!うぅ、寒い…」


雪餅くんは、今日もだらしなく過ごしています。

天津くん達居る…?、と思った方、見逃してください…

ただ単に入れたかっただけです…!天津くん疲れてるから休暇を取らせてあげたかっただけなんです…!

後最後が雑ですがツッコまないでください…!

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