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『元』少年は姉妹になったので次女になる  作者: ただの雪餅
帰ったら色々な出来事が起きた
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八十二話 お、お母さん!?

最近めっちゃ暑い…

今日は日曜日。


サラリーマンは多分休みの日を謳歌しているであろう今日、俺は起き上がる。


昨日ロリ化した身体は元の身体に戻り、寝た際に来たあの猫の着ぐるみパジャマも消え、いつも着るパジャマになっている。


パジャマから普段着に着替えて…と。

さぁって、今日もツリスに挨拶して、1日を始めようと思って、リビングのドアを開けると…


「んでんで、最近どうなの?」


「あー、最近は妹もできて、日々充実して…あ…」


ツリスが、俺と関わりのない人物と話していた。


「だれやねーん…」


「あ、非雨、おはよー。」


「ん?この女の子が妹さんなの?」


「ん、そそ。」


その知らない人に、俺を紹介されても困るのだが…とりあえず、誰か聞いてみる。


「えと、ツリス、この人、誰なん?」


「あ、ごめん、この人…人って言えるか分からないけど、私のお母さんだよ?」


「人って言えるか分からないって、失礼だなぁ…まぁ、正確には狐人なんだけどさ…」


ん?狐人?と思ったら、ピンとした耳と、俺よりさらに大きい尻尾を携えている。


「えー、非雨…ちゃんだよね?あー…まぁ、私がオスゴーの母親だ。オスゴーの妹なら、私が非雨の母親になるから、存分に甘えても良いんだよ?」


「あ、はい、これからもよろしくお願いします。えっと、ツリスから聞いてると思うけど、私は非雨です。」


「ん?ツリス?誰なの?」


「あ、母さん、私が説明する。

えっと、まぁ、この子から渾名?みたいなものを付けてもらって、今となってはその『ツリス』っていう名が定着したんだよね。」


「妹に渾名…かぁ…」


ツリスの母親さんは小難しい顔をしている。


「まぁ、私もその『ツリス』って言う渾名は嫌ではないし、深く考える必要は無いと思うけど…」


「私は自分が付けた娘の名前が否定されているような気がしてね…だけど、オスゴーがそれで良いのなら私はとやかくは言わないけど、何かあったら教えてね?」


「わかったよー。」


ありゃ?ツリスの母親さんは『ツリス』って言うのが気に入らないのかな?なんか、悪いことしたなぁ…だけど、ツリス自身は気にしていないし、どうしたものか…


「あ、非雨、なんで母さんが居るか、説明しとく?」

「一応聞いとくー。」

「あいよー。」


「それは、非雨たちが寝静まって5時間…まぁ、今日の3時くらいくらいかな?」

「うんうん。」

「私が仕事をこなしていたら、急に母さんが来たのよ。」

「……それだけ?何にも予告無しに?」

「うん。それだけ。まぁ、それから、色々と近況報告して、どうせなら非雨達を紹介するよってなって、今こんな感じ。」


よ、予告無しって、ツリスの母親さん、相当気まぐれなのかな…?


「非雨ちゃん?そう言えば、オスゴーがその身体を作ったって言ってたけど、どうなの?」


「そりゃまぁ、もう自分の意思で何にも障害なく動きます。この耳とか、尻尾とかも、ほら。」


「おぉー…こうして見ると、すっごくかわいいね。」


「えへへー…」


俺が可愛いって言われたからだろう、ツリスが照れていた。


それにしても、なんでツリスの母親さんは狐人なのに、ツリスにはその面影が無いのだろう。遺伝…なのかな?


「そう言えば、なんでツリスには、その耳とか尻尾とか無いの?」


「ん?あー、あるっちゃあるけど、手入れが面倒だからしまっているのよ。ほれ。ちゃんとあるでしょ?」


そう言うとツリスが耳と尻尾を出した。毛並みとかを見ると、それは母親譲りなのかもしれない。


ツリスの父親がどう言うものなのかは知らないが、まぁ、居るのかもしれないし居ないのかもしれない。こう言うのはあんまり聞かないでおこう。


「オスゴーの尻尾、めっちゃボサボサしてる…ちょっとこっちに来なさい、手入れするから。」


「自分で出来るって…」


そう言うとツリスが毛並みを整えている。ボサボサだった尻尾も、元に戻って…なんて言えば良いのだろう、神聖さ?を醸し出している。


「よし、終わり。」


「それでこそオスゴーだよ。」


「とりあえず耳と尻尾はしまってと…

非雨、何か食べる?」


あ、そう言えばツリスの母親さんが来てたから忘れてたけど、俺、起きたばっかでお腹空いてたんだった。


「食べる…お腹すいた…」

「あいよー。」


ツリスが手際よく朝ごはんを作っている。

さぁてと、今日は…お、鯖の塩焼きだ。


「はい、完成したよー。」


「いっただきまーす。」


今食べているご飯と鯖の塩焼き以外にも、味噌汁や野菜の漬物もある。

ジュースさえ無ければ完璧な和風料理だったね。そのジュースの正体はりんごジュースだけど。


「オスゴーのさっきの姿、子を持つ母親みたいだったね。」


「いやぁ、妹3人とちっさい精霊と暮らしていたら、料理スキルを磨かなきゃ、姉としての威厳がないでしょ?

作って初めて美味しいと思ってくれるのなら作った甲斐があるってもんよ。」


「んー…オスゴーのちっちゃい時を思い出すよ、あの時はお肉が苦手でいっつも魚ばっかr「わぁー!わぁー!恥ずかしいから!」


別に好き嫌いがあっても良い気もするけどね…あの時のツリス、焼き鳥を沢山食べていたからなぁ。


ツリスの母親さんがツリスの過去を話し、その本人が恥ずかしがって止めに入るのを楽しみながら、朝ごはんを完食した。

やっぱり家族なんやなぁ、と思い、皿を洗う。


「私も料理は出来る方なんだけどねぇ…ツリスに任せっきりだからなぁ…」


久々に、自分で料理を作ってみようと思った。


それはさておき、今日は日曜日だからか、みんなが起きない。

現在時刻は8時だ。平日ならみんな起きている時間。俺が早起きし過ぎたのかな…?


どうせならツリスの母親さんに、ちょっと甘えてみる。ツリスの母親なら、一応、関係上は私もツリスの母親さんの娘なはず…


「あ、あのー、ツリスの母親さん。」


「あい、なんでしょ。」


「え、えーっと、その…出来れば、膝枕してくれるとありがたいんですが…いいでしょうか?」


「非雨ー…そう言うのは私に頼んでよー…まぁ、母さんの膝枕が良いのなら、良いと思うけど…」


「ん?非雨ちゃん、そんな堅苦しくなんなくてもいいよ?膝枕かぁ、これもオスゴーが小さい頃よくやったからねぇ…懐かしい、懐かしい。」


「うっ…掘り下げないで…」


なんでそんなに恥ずかしがるのだろうか。親に甘えたって別にいいと思うのだが…


「膝枕、久しぶりにやってみるよ。非雨ちゃん、おいで。」


ツリスの母親さんが、ソファーに座り、手招きしている。私は『失礼します』と告げ、膝に頭を乗せる…








「ありがとうございました。すっごい幸せでした。」


ツリスの母親さんの膝枕は最高に最高だった。ちょっと、自分でもうまく言えないが、膝枕からの撫で撫では反則級に幸せになれる。それに追い打ちをかけるのよ様な、尻尾を抱き枕にしていいと言われ、抱いてみたらすっごくあったかいの。母親ってこんなものなんだ…とうっとりした時間だった。


兎に角、15分ほど、幸せな気持ちを味わった。だけど、ツリスの膝枕も味わってみたい。今日、寝る際に頼んでみよう。


そして、私を幸せの渦に引き込んだツリスの母親さんは、用事が入ったの事で家に戻るらしい。まだラデルちゃん達は見てないが、近いうちに顔を出すとのこと。


ツリスの母親さんを見送り、そう言えば名前聞いてない…と思った。

まぁ、また来るって言っていたので、その時に聞いてみようと思う。


そして、タイミングが良いのか悪いのか、3人とも起きてきた。ツリスの母親さんが帰った5分後の事だった。


3人とも朝ごはんを頬張りつつ、今日は何をしようと思う非雨でした。

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