八十話 疑問
眠い+アホな頭で考えた考察…矛盾があっても気にしないでください…
「やぁ非雨、1日ぶりだねー。」
「別に居ても居なくても良いんで…いや、テーレちゃんが可哀想か…」
「なんか急に非雨私に対して冷たくなってない?」
「気のせいだよロリア。」
テーレちゃんはまだ俺と手を繋いでおり、オリィちゃんは何故か精霊化してロリアさんの頭に乗っかった。
「お母さんの匂い…いい匂い…」
「おっ?そう言ってくれると嬉しいねぇ。」
「相変わらずオリィちゃんはロリアさんに懐いてるねー。」
「ん、今気付いたけど、心なしかテーレちゃんの顔が綻んでるけど…非雨、何かやった?」
「んー、抱っこしてあげて、頭を撫でて、尻尾を手入れしたらこうなっちゃったんだよね。」
「珍しいねー…あんまり表情変化がないテーレちゃんが顔を綻んでるってね。」
今更だが、ソフランちゃんは、ツリスの隣に座ってるが、隣に居るテーレちゃんを見ては羨ましそうにしている。
こっちに来て、と手で合図して、ソフランちゃんの手を一緒に繋いであげる。
「非雨も非雨で、しっかりと姉を役割をしてるねー。」
「そうだねー。」
姉なんかやったことないんだけどね…小学生の頃、小さな子が何をやってあげたら喜ぶかってずっと考えてた結果、手を繋いであげたら良いんじゃないかって考えに行き着いて、今こうしてるんだけどね。
《1時間後…》
さっきまで遊んでいたソフランちゃん達は疲れて寝ていった。ロリアさんは今日泊まる(?)らしく、テーレちゃんも一緒に寝ている。
なぜ(?)なのかは、『神はそんなに寝ないから』らしい。
そして、気になっていた事があるので、聞いてみる。
「ロリアさーん?」
「はーい、なんでしょ。」
「テーレちゃんの事なんですけど…結局親とかは生成?してないんですか?」
「んー…今の所はね。現時点では私が親…って言えるのかな?親代わりって言った方が分かりやすいと思うけど。」
「んー…」
何か突っかかる。言葉では言い表せない何かが。悪い意味ではないのだが…こう、言葉が纏まらない感じ。
「小難しい顔してるね。まぁ、テーレちゃんがそんな事を話したら、考えるかもしれないけど。」
「そうですかー。」
さて、次はツリスに聞きたいことがある。結構、性転換してから長い間、頭に突っかかっていた事をぶちまける。
「次はツリスに聞きたい事が有るんだよね。それに、私にとっては結構前から気になってた事。」
「ん?なんだい?」
「………気を悪くしたらごめんね?最近、ツリスって、神なのかって思ってね…」
「……と言うと?」
「いや、この身体を作って私にくれたって事は分かるけど、最近の技術ではクローンとかで簡単に人間は作れる。自分の意識をどうやってこの身体に移したかは分からないけど、今はこの身体で私は生きている。」
「…うーん…」
「それに、魔法とかはCGとかで表現出来るし、実際、そこんところどうなんだろうって思ってね。」
「良い所を突いてくるね…だけど、CGでは無いと言う事は確か。薄々そんな事を考えているんじゃないかって思ってたけど、少し説明を入れようじゃないか。」
「うん。」
「えー…まず、非雨の現在の身体。非雨はクローンじゃないかって思ってるけど、まぁ、確かに今の医療技術は凄いよ、人間が機械とか培養とかで人間を作るんだもん。だけど、クローンでは無い。前にも言った通り、全て一から非雨の為に作った身体だよ。」
「うんうん。」
「私は地球の神…だけど、人間を作るって言うのは…まぁロリアみたいな例外もあるけど、ほぼ全ての神が会得していると言っても過言ではない。」
「えぅぅ…今私頑張ってるのに…」
今のツリスの発言でロリアさんが若干凹んだ。
「ちょっと待ってね…はい、これ、なんだと思う?」
ツリスは粒子を操り、何かを生成していったと思うと、自分がよく見る物を見る。
「!?…ヒトの…身体?」
「そう。血液…内臓…手足とか、ヒトのパーツとかを生成出来るんだよ。CGだと思うのなら、触ってみな?」
と言われたので、生成されたヒトのパーツに触ってみる。
「…あったかい…自分と同じ、ヒトの温もりを感じる…」
「なんなら内臓だってこの場に出せるけど?」
「いや、ちょっとそれは辞めてほしい…」
「わかった。では次は魔法。と言っても、自分で氷魔法を使った際、冷たいと思わない?」
「んー、確かに感じるけど…」
「ちょっと話はズレるけど…ごめんね、実は、私、2代目なんだよ。この地球の神の。」
「ん?」
2代目って言う単語に私は首を傾げる。
「んー…だいたい46億年前かな?私もロリアも非雨もずっと生まれる前、初代地球の神さんが地球の神を作ったのよ。」
「一応、私と初代地球の神さんに会った事はあるよー。優しかったってのが第一印象かなー?」
未だにこの人達の年齢が分からない…
「その初代地球の神さんは変わっていてねー…出来立てホヤホヤの星に人間は生息させなかったんだよね。曰く、『人間が安心して暮らせるように、基盤を固めなくてはならない』ってね。
まー、酸素とか、今に繋がる事をやり続けてやっと人間を生成したんだよね。」
「へ、へぇ…」
今、地球に関する事について、世界中の科学者が研究しているが、その初代地球の神って人が居れば解決じゃんと思ってしまった。
「んで、何を思ったかは分からないけど、人間が習得出来た筈の魔法を全て撤廃したんだよね。初代地球の神さんは。」
「私も聞いた話だから詳しくは分からないけど、当時星に人間を住まわせていた神々は、人間に魔法を会得させるのが当たり前だったらしいよー。」
「そ、だから初代地球の神さんがやった行動が結構珍しかったらしいのよ。んで、しばらく人間の成長を見てから、私に地球の神の座を譲った…てとこ。」
「ん?ツリスが地球の神になったのは1万年前じゃなかったの?人間って居たっけ?」
「居るよ、そりゃもう当時見た際はびっくりするくらいにね。人間が集落を作り生活し、狩りをして食料を手にしていたってのは、人間はこんなに賢かったんだ…と思うくらいにね。」
「えと、当時のツリスの人間に対する考え方ってなんだったの?」
「ん?ずっと争い事をして、くだらない考えばっかする下等な生き物だと思ってたよ。だけど、初代地球の神さんが育んだ人間は、狩りはしてたけど、人間同士の争いはしてない!すげぇ!と思ったんだよね。」
「その時期、ツリスは見習い神から、一般の神…ま、今のツリスになったって所かな?初代地球の神さんに勧誘されて、この地球の神になったっぽいけど。」
「いやー…なった当時は大変だったよ…見学して来た世界と全く違う道を人間は歩んでて、魔法は使わないし驚きの連続だったよ…」
「……」
「あぁ!ごめんごめん、魔法の話だったね。今となっては、少しずつ…まぁ、私の施しによるものだけど、魔法を扱える人間が増えてきた…って所かな?」
「そう言えば、ツリスが魔法を使っている場面を見た事があまり無いんだけど、見せてくれないかな?」
「合点承知ィ!」
ツリスは部屋中の物に防護魔法、結界を貼った。
「ファイヤー…フェニックスゥゥゥ!」
と言った後、ツリスの後ろから魔法陣が出現し、魔法名の如く、全身炎で出来た鳥が現れた。
そして、元々作り出されていたヒトの身体を燃やし尽くし、仄一つ残さずに消していった。
「ふー…攻撃魔法何年ぶりに撃ったかな…」
「凄…」
「流石だねー、ツリス。」
ツリスは防護魔法、結界を解いていった。
「とまぁ、こんな感じ…おっと、後一つ…今の非雨の身体の意識だけど…作った際に元々あった魂に、上書きして憑依させたものだから、この前みたいな違う非雨が現れたんだよね…あの時はごめんねー…」
「あ、うん。」
これで説明は終わりなのかな?
「説明はこれで終わりだけど…またなんか気になった時はいつでも聞いていいからねー?非雨は私の妹なんだから、ね?」
と言った後に抱き付いてきた。
「いっつも急だよね、ツリスは。」
「非雨だって、今日急にソフランちゃんを抱いたんだろぉ?このしすこんー。」
言葉はちょっとアレだが、ツリスは私の頭を撫でている。
「…きもちい…」
「もう!顔赤らめちゃって!素直じゃないんだからぁ!」
「あっ!ずるいツリスだけ!私にも非雨を撫でさせろぉ!」
「やーだ!ロリアはさっさと人間の作る手順を覚えろってんだ!」
「ぐぬぅぅぅぅぅぅぅ!!!非雨ぁぁぁ…なでさせてぇ…」
…ロリアさんが可哀想なので、頭を差し出す。
「おぉ!これでこそ私の非雨だぁ!」
「ちょっ!私の妹だよ!?いつからロリアの物になったぁ!?」
と、ツリスとロリアさんの争い事の中、
「神も、色々と大変なんだなぁ…疑って悪かったよ…」
と思う非雨であった。
神についてのまとめ…
説明不足ですんません…




